結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

109話 合コンぽい?

シャワーと着替えを済ませた俺と先輩は食堂に来ている。


「席は空いてるかなー?」
「えっと…ん?」


席を探して食堂を見回していると、いつもの席でルカさんが手招きしている。


「ルカさんが呼んでるみたいですよ。」
「じゃ、そっちに行こう。」


いつもの席には知らない顔が何人かいた。


「いいところに来たわね。2人に聞きたい事があるんだけど。」
「はい。何でしょうか?」
「2人共外周中に馬車を飛び越えた記憶はあるかしら?」
「うん。飛び越えたよ。」
「俺も飛び越えましたね。」
「やっぱり。って事よ。賊とかこの辺りは居ないから安心してちょうだい。」


驚いてはいたが安心した様子の兵士さん。
どうやら出迎えた時に賊が出たと報告をもらった、きりんさんとルカさん。
ここで詳しく話を聞くと、色々引っかかる点が多かった。
高速で近づく2人組みで、剣を構えると慌てる事なく馬車を飛び越えた。
暫く警戒しながら進んだが何も無かったらしい。


「この森で賊とか聞いた事ないし、人間離れした身体能力で2人の可能性があるなーって今に至るわけよ。」
「人間離れって。皆あれくらい出来ますよね?」
「翔が私達をどう見ているか知らないけど、あれくらいってレベルでは無いわよ。」
「きりんさんはいけますよね?」
「え、え?う、うん。」
「翔。聞く人が間違ってるわ。」
「ル、ルカ。そ、それだと私も同類に…。」
「そりゃそうよ。その場にきりんも居たら同じ事したでしょう?」
「……た、たぶん。」
「ふはっ…いや失礼。ルカが楽しそうで何よりだ。くくく。」
「ねールカちゃん。この人達が相手の学園?」
「ええ。ローとリコをヘレンが呼びに行っているから、揃ったら紹介するわ。」


きりんさんとルカさんのやり取りを見てふきだす男の人。
先輩がルカさんに相手の学園の人かどうか聞いている。
この場にいない人が揃ったら紹介をする。
と言われ俺達は、ヘレンさんとローランドさんとリコさんを待つ事にした。




暫くしてヘレンさんが2人を連れて戻って来た。
横一列に向かい合って座る。


「ではこちらから紹介するわ。部隊長きりんに副部隊長のヘレンよ。」
「き、きりんと申します。は、遥々お越し頂き。あ、ありがとうございます。」
「…よろしく。」


「大きい方がローランドで、小さい方がリコ。」
「なんか紹介が雑だな。ローランドだ、よろしく。」
「小さいけどさぁ…まぁいいや。リコだよ、よろしく!」


「最後にお騒がせした、翔と和歌。」
「あー、はい。その節はすいません。よろしくお願いします。」
「お騒がせした和歌です。ごめんなさいでした!」


「いえいえ。こちらに何も無かったので、あまり気にしないで下さいね。ではこちらは私から天河海魔高学園テンガミマコウガクエンバドミントン部隊長であり、ルカの兄でもあるセイルだ。」
「え!ルカちゃんお兄さん居たんだね。」
「ええ。まぁ、一応居たわね。」
「一応ってルカぁ〜。」
「はいはい。話が進まないからサクサク進行してちょうだい。」
「うぅ…。」


紹介の途中で崩れ落ちるセイルさん。
ルカさんと同じ青色のやや長髪。
兄と言われれば少し似ているような感じはする。


しかし妹に弱いのはどこも一緒なのだろうか。
きりんさんをちらっと見る。
きりんさんは気にした様子は無く目が合い首を傾げる。
俺はなんでも無いと首を振っておく。


「シスコン部隊長に変わり俺が紹介しよう。副部隊長ラプテだ。」
「し、シスコンって…まぁ否定はしないが。」


シスコン部分は置いといて。
ガッチリした体型に青の短髪で、背は俺と同じくらいかな?副部隊長のラプテさんが紹介を続ける。


「…。隣がルニアラだ。髭ズラだがこの部隊で最年少の16歳だ。」
「はは。よろしくお願いします。」


黒でもある
長髪を後ろで纏めていて、髭も顔全体に生やしている。
言われなければ学生かどうか微妙なところだ。
そんな紹介に照れた様子のルニアラさん。
照れる要素はないと思うが、とりあえず突っ込まないでおこう。


「それとじゃじゃ馬シロクと、そのストッパーのロスアだ。」
「誰がじゃじゃ馬よ!私はいつだって冷静沈着よ!」
「シロクちゃん。冷静な子は自分で言わないものよ〜。あ、私はロスア。よろしくね〜。」
「そうかしら?シロクよ。よろしく!」


じゃじゃ馬と紹介されたシロクさん。
白髪ロングヘアーで強気な態度から、じゃじゃ馬なイメージも納得出来る。
元気な女の子って感じがする。


反対に落ち着いた感じのお姉さんがロスアさん。
白髪セミロングで何処となく似ているような…姉妹かな?


「ん?翔さんでしたっけ?私達は似ているけど従姉妹で姉妹じゃないわよ〜」
「は、はい!翔です。そ、そうなんですね。」


疑問に思っていた所を突然名指しで言われて少しどもってしまった。
この人は心が読めるのか?
見るとニコニコしている…わ、分からない。


「その隣がなんでも出来るソラと、普段は大人しいが部隊の司令塔カナトだ。」
「ラプテさん。何でもは出来ませんよ。初めまして。私はソラ、よろしくね。」
「司令塔?僕はそんな立ち位置だったの?えっと。よろしくお願いします。」


ソラさんは黒髪セミロングの女性で、礼儀正しい挨拶をするあたりは大和撫子な雰囲気がある。
司令塔と紹介されたカナトさんは、黒で前髪が少し長い長身な男性って感じだ。


「こんな所だな。」
「ラプテさん、ありがとう。長々と話してもあれだし。食事しながら話でもしましょうか。」


お互い簡単に紹介も終わり、明日の打ち合わせもかねて食事をする事になった。
どうでもいい事だけど、この初めて会うこの流れで食事会。
合コンぽい?って感じるのは俺だけだろうか。



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