結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

53話 ドーンからの答え合わせ?

「翔くん大丈夫?」
「…あ、はい。」


先輩に言われて立とうとした。
脚に力が入らずその場に崩れ落ちる。


「うわっと。どうしたの?」
「!!す、すいません。」


俺は先輩に支えられる形になってしまった。
いい匂いが…って違う!


「…無理するな。」
「そだよーあの距離でやられたら、ホントなら倒れちゃうよ。」
「え?俺何かされたんですか?」
「ほら、無理しないの。肩貸すよ。」


ヘレンさんに無理するなって言われた。
リコさんはやられたらって言っていたけど、俺は直接攻撃を当てられていないはず。
先輩に肩を借りて俺は立ち上がる。


「翔はヘレンにドーンされたんだよ。」
「ドーンですか?」
「リコちゃん。ドーンじゃ伝わらないよ。ドシーン!だよ。」
「いや、どっちもわからないっす。」
「「えー!?」」


いい意味で2人は気が合うらしい。
言ってる事はよく分からないけど。


「…翔。」
「はい、ヘレンさん。」
「…どう思う?」
「どう思うかですか?うーん。」


ヘレンさんは俺に自分で考えてみろと言っているようだ。
リコさんと先輩が言うには、ドーンとかドシーンされたらしい。
何かの擬音か、様子を表してるとして。
俺が立てなくなる前は、俺の蹴りをヘレンさんがガードしてる。
ガードされたあと何かをされているはず。
手は常に警戒していたから、手で何かはされていない。


「そーなると、脚で何かしたって事か。」
「…それで?」
「それで、脚で…地面を蹴った?」
「…あぁ。」


脚で地面を蹴るとこまでは正解みたいだ。
脚が痺れるって事は振動か。
でもヘレンさんは波に変えるって…。


「あ、もしかしてヘレンさん。物に波を伝える事できるんですか!?」
「…そうだ。」
「すると俺は、波は手でしかできないと思い込んでいた事になりますね。」
「…そうだな。」
「ヘレンさん凄いです。魔力ってそこまで深いのか。」


俺はヘレンさんとの戦いでいろいろ考えさせて貰えた。
勝つつもりで挑んでいたが、そんな甘いものではなかった。
戦略とかも大切かもしれないが、もっと学んでいく必要がありそうだ。


「しかし、驚いたな。リコと和歌の説明からここまで想像できるのか。なぁルカ?」
「いいわ。すごいわ。ヘレンのデータも貴重だわ。翔も…。」
「…まぁしょうがないか。研究好きなルカには珍しい光景だったからな。翔!」
「あ、はい!網野さん。」
「少し端で休んでいて構わないので、次は和歌を戦わせたいんだが?」
「あ。」


考えるのに夢中で、先輩が隣で肩を支えてくれている事を思い出した。
先輩が俺を端まで連れてってくれた。
恥ずかしい反面、嬉しくもあった。


「翔くん。何だか楽しそう。」
「え!?」


不意に言われて、俺は嬉しく思ってたのがばれたかと焦った。
でも先輩の顔は違った。
いつも試合に挑んでる時の凛々しい先輩だ。
なので俺は先輩に。


「和歌先輩。全力で楽しんで下さい!」
「うん!そーするつもり!」


元気いっぱいに先輩は網野さん達のところに走っていった。





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