少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
202話 目的と望みと決着と。
♢
何度も何度も剣を合わせてきた。
「……。」
「何故だ?」
どうしてこんなに差が生まれたのだ?つい先程まで私は優位に戦えていた。
「……。」
「何故だ?」
私は今何と戦っているのだ?そもそも何故戦う事になったのか?
「……。」
「やはり神には勝てないのか?」
「???」
天界の文献に残っていた原初の御使い、女神の補佐と言われる神の子。もしあの人間がそうなのであれば、一塊の1種族である私が太刀打ち出来るのだろうか?そもそもこの行為自体が神への反逆とみなされ、天界自体破壊されてしまうかもしれない。
「貴様は……。」
「ん?」
「何の為に戦う?」
「何の為って、自分の為。」
「自分の為……。」
この人間は神なのであろう?それが自分の為と?世の為、人の為って言うのが神なのでは?
「では自分の為に私を殺しに来たと?」
「別に殺しに来たとかないよ。本当は話し合いに来たんだ。」
「話し合いだと?」
「戦わないならそれで良かったんだ。」
「教会に攻撃を仕掛けたのは、そなたらであろう?」
「あれは、サリエルさんが……。止められなかった僕にも責任が無いとは言わないけど。」
いや、確かに。初めに攻撃をしたのはサリエルであって人間ではない。その後も結界内に呼び込んで攻撃したのは……。
「何故だ?」
「え?」
「何故、私らは戦っているのだ?」
「何故って……それは。」
♢
剣に気持ちがこもっていない!さっきから何故何故と迷いながら剣を振っている。ミカエルにどう言う心境が?前の自信満々だった時の方がまだ手応えあったよ。
「何故だ?」
「え?」
困惑しているのか、さっきからすごく語りかけてくる。さっきから何故ってなんだ?
「何故、私らは戦っているのだ?」
「何故って……それは。」
そこ?何故戦っているなんて決まって……何だっけ?あー思い出した。
「ミカエルが人間界と魔界攻めたから。」
「攻めたな。」
「それを止める為に来た……だったと思う。」
そうだよな。僕はこの争いを止める為に来たんだよ。
「こんな少人数でか?」
「少人数って……まぁそうだね。」
「天界の元凶に来るのに、少な過ぎないか?」
自分で元凶って言っちゃったし。少な過ぎるかな?でも不思議池このメンバーで何とかなるって思ったんだよな。
「何でか、僕らだけでなんとか出来る気がしてた。」
「何とかならなかったら、どうするつもりだ?」
「ならなかったらなんて考えてもみなかった。どうしようかな。」
話している間にも剣は振り続けている僕ら。そして会話も止まらない。
「そもそもさ。ミカエルは何で攻めたの?」
「何で……何だろうな。もう覚えていない。」
「覚えていないって。それじゃこれから攻めたりはしないでくれるの?」
「それではまたいつもの日常だ。そんな生活は飽き飽きしたのだ。」
ん?いつもの日常に飽きたから戦っているのか?それならいつもと違う日常であれば攻めないのか。
「簡単に言うと。退屈していたって事?」
「そう……なるな。」
それって単なる暇つぶし?もしそうだとしたら……。
「暇じゃなく、いつもと違って退屈しなければ、攻め込んだりしない?」
「そうなのか?私も分からなくなってきた。」
「それなら、今この状況は退屈?」
「この状況が退屈かどうかだと?」
「うん。」
そして剣を止めて相手の言葉に集中する。剣と剣で鍔迫り合いをする。ミカエルは……。
「今は……退屈しのぎになっている。」
「終始劣勢だけど?」
「っく。うるさい!」
―ギィン!
「ふふ。それくらい強気に打ち込んでくれないと。」
「その余裕そうな態度が頭にくる。」
「どこか上の空な剣だと、余裕で流せるからね。」
「貴様……。」
―ギィィン!ギギン!
「そうそう。少し良くなったよ。」
「くそ!その余裕……無くしてくれる!」
―ギン!
「ふふ……。」
「はは……。」
「「ふはは!!!!」」
―ギィン!ギギン!ギィィィン!
何かに吹っ切れたか、楽しくなってきた。
「ふぅ……やめだ。つまらん侵略なんぞ。」
「お。やめてくれるの?」
「ああ。世界最強の勇者がここにいるのだ。貴様を倒す事……もはやそれしか興味が無くなったわ!!」
「別に僕は世界最強でも無いよ。勇者は流れで受け継がれたけど。いらないっちゃいらないし。」
「人の最高位である勇者の称号をいらないと?」
「うん。別に。」
あれこそ国王の思いつき、気がついたら持っていたって称号だし。
「っふ。そんな勇者聞いた事ないな。」
「勇者って言われても何すれば良いか知らないし。」
「相場は世界を救う英雄だろう?」
「僕は世界を救う英雄は望んでいないから。」
「ほう?それでは貴様は何を望むと言うのだ?」
「僕の望み?」
突然望みって言われても。僕はただ家族や仲間と楽しく旅をできればそれで良い。それが望みって言うのかな?
「旅をする事?」
「旅?そんなの今までして来ただろう。」
「そう。だから、僕は戦うんだよ。」
「何と?」
「仲間を守る為。世界を壊させない為。」
「それが結果として世界を救うって事じゃないのか?」
「あれ?そうなるの?」
なんか僕まで目的が分からなくなってきた。
「難しい事は考えるのはやめやめ。」
「そうだな。今は……」
「「こに戦いを楽しむ!」」
―ギィィィン!
ミカエルと僕の剣が重なり大きな音を出す。
♢
ミカエルと喋りながらも戦い続けるソラヤ。剣の動きはもう私には見えない。
「空ちゃん楽しそうだね。」
「そうだな。あんなに喋る空様も珍しい。」
「ほっほ。ソラヤも大きくなりましたな。」
なんだか3人がいつもの感じと違う?エイママはお母さんって言うより、お姉さんって感じがするし。ゴウパパに至っては、空様?私の聞き間違いかな?そしてクロイはいつも以上におじいちゃんぽい。
「むぅ……。」
「あら?マレット嫉妬?」
「フリージュ姉さん……別にそんなんじゃないですよ〜」
「膨れちゃって。可愛い弟だわ。」
「頬を突くのやめて下さい。」
この弟姉は仲良いのかな……私のお姉ちゃんなのに。それに気づいたナイトはちょいちょいって手招きする。近づくと頭を撫でられた。
「別に何も思ってないんだから。」
「これがソラヤの言うツンデレか。分かりやすいなブルームは。」
「ローゼ。変な事言わないで。」
「はいはい。ふふ、すまんな。」
ローゼも私の頭を撫でてくる。なんで2人で私の頭を取り合うの?
「しかし、彼は面白いですね。」
『うむ。ソラヤといればどんな日々も退屈はせぬ。』
「古龍種の貴女が彼といる理由も分かる気がします。」
『であろう?お主も誘われたのだ。一緒に来れば良いだろう。』
「……そうなれば、面白いでしょうね。」
『……。』
サリエルさんとリナは、先頭で2人の戦いを見続けている。こっちに何か来ても2人なら対処できると言う理由で。私も見えなくてもリナ達の横にいるようにしている。
「この際だから聞くけど。サリエルさんはソラヤの事をどう思います?」
「え?聞くのブルームちゃん。」
「え?どうって、面白い人間だと。」
「そうじゃなくて。1人の男の子として。」
「殿方として?可愛い子かしら。」
「ふ、ふーん。」
「……ほ。」
『「…………。」』
リナとサリエルさんの間に座っている私は。2人に頭を撫でられる。流れか何か知らないけど、メイクちゃんも私の頭を撫でる。
何これ?今流行っているの?
♢
「はぁーーー!!」
「てりゃぁー!!」
―ギン!バキン!
「これでその剣は使えなくなったね。僕の勝ちだ。」
「剣なんぞ……ホーリーセイバー!」
「うわ!魔法で剣作るとかずるい!」
「ふん。これは勝負だ。何でもありだろう?別に貴様も剣を作っても良いんだぞ?」
「ぐ。出来ない事知ってて言ってない?」
「どうだろうな。」
絶対そうだ。ミカエルは少し僕をからかってきている。なんで有りなら出るとこ出てやるからね!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
光る剣を全て回避してみせる。
「出鱈目なスピードを。」
「これは僕の能力だし。何ならもっと早くても良いんだよ?」
「っく!ならば!デュアル!」
片手に持っていた光の剣がもう一本現れる。二刀流?
―ヒュヒュン!ヒュヒュン!ヒュヒュン!
「増えたところで僕には通じない…よ!」
―ガキーン!
「あ。」
「ふはは!ただの光る剣だと思ったか?鉄の剣くらいは斬れるんだぞ?」
魔法ずっこい!せっかくメイクに作ってもらったのに。今度は魔法でも壊れない物を作ってもらおう。
「これで私の勝ち……ん?」
―スチャ。
「何でもありなんでしょ?しかも僕はメインはこっちだからね。」
「剣士に遠隔攻撃とか!」
「僕は剣士でもないし、この銃今0距離だし。」
「待て!あれは寒いんだぞ!」
「そうなんだ。でも、僕負けるの嫌いだから!」
―ズゥン!バリ…バリィィィィィィン!
「決着!」
「……。」
僕はミカエルに勝利した。
何度も何度も剣を合わせてきた。
「……。」
「何故だ?」
どうしてこんなに差が生まれたのだ?つい先程まで私は優位に戦えていた。
「……。」
「何故だ?」
私は今何と戦っているのだ?そもそも何故戦う事になったのか?
「……。」
「やはり神には勝てないのか?」
「???」
天界の文献に残っていた原初の御使い、女神の補佐と言われる神の子。もしあの人間がそうなのであれば、一塊の1種族である私が太刀打ち出来るのだろうか?そもそもこの行為自体が神への反逆とみなされ、天界自体破壊されてしまうかもしれない。
「貴様は……。」
「ん?」
「何の為に戦う?」
「何の為って、自分の為。」
「自分の為……。」
この人間は神なのであろう?それが自分の為と?世の為、人の為って言うのが神なのでは?
「では自分の為に私を殺しに来たと?」
「別に殺しに来たとかないよ。本当は話し合いに来たんだ。」
「話し合いだと?」
「戦わないならそれで良かったんだ。」
「教会に攻撃を仕掛けたのは、そなたらであろう?」
「あれは、サリエルさんが……。止められなかった僕にも責任が無いとは言わないけど。」
いや、確かに。初めに攻撃をしたのはサリエルであって人間ではない。その後も結界内に呼び込んで攻撃したのは……。
「何故だ?」
「え?」
「何故、私らは戦っているのだ?」
「何故って……それは。」
♢
剣に気持ちがこもっていない!さっきから何故何故と迷いながら剣を振っている。ミカエルにどう言う心境が?前の自信満々だった時の方がまだ手応えあったよ。
「何故だ?」
「え?」
困惑しているのか、さっきからすごく語りかけてくる。さっきから何故ってなんだ?
「何故、私らは戦っているのだ?」
「何故って……それは。」
そこ?何故戦っているなんて決まって……何だっけ?あー思い出した。
「ミカエルが人間界と魔界攻めたから。」
「攻めたな。」
「それを止める為に来た……だったと思う。」
そうだよな。僕はこの争いを止める為に来たんだよ。
「こんな少人数でか?」
「少人数って……まぁそうだね。」
「天界の元凶に来るのに、少な過ぎないか?」
自分で元凶って言っちゃったし。少な過ぎるかな?でも不思議池このメンバーで何とかなるって思ったんだよな。
「何でか、僕らだけでなんとか出来る気がしてた。」
「何とかならなかったら、どうするつもりだ?」
「ならなかったらなんて考えてもみなかった。どうしようかな。」
話している間にも剣は振り続けている僕ら。そして会話も止まらない。
「そもそもさ。ミカエルは何で攻めたの?」
「何で……何だろうな。もう覚えていない。」
「覚えていないって。それじゃこれから攻めたりはしないでくれるの?」
「それではまたいつもの日常だ。そんな生活は飽き飽きしたのだ。」
ん?いつもの日常に飽きたから戦っているのか?それならいつもと違う日常であれば攻めないのか。
「簡単に言うと。退屈していたって事?」
「そう……なるな。」
それって単なる暇つぶし?もしそうだとしたら……。
「暇じゃなく、いつもと違って退屈しなければ、攻め込んだりしない?」
「そうなのか?私も分からなくなってきた。」
「それなら、今この状況は退屈?」
「この状況が退屈かどうかだと?」
「うん。」
そして剣を止めて相手の言葉に集中する。剣と剣で鍔迫り合いをする。ミカエルは……。
「今は……退屈しのぎになっている。」
「終始劣勢だけど?」
「っく。うるさい!」
―ギィン!
「ふふ。それくらい強気に打ち込んでくれないと。」
「その余裕そうな態度が頭にくる。」
「どこか上の空な剣だと、余裕で流せるからね。」
「貴様……。」
―ギィィン!ギギン!
「そうそう。少し良くなったよ。」
「くそ!その余裕……無くしてくれる!」
―ギン!
「ふふ……。」
「はは……。」
「「ふはは!!!!」」
―ギィン!ギギン!ギィィィン!
何かに吹っ切れたか、楽しくなってきた。
「ふぅ……やめだ。つまらん侵略なんぞ。」
「お。やめてくれるの?」
「ああ。世界最強の勇者がここにいるのだ。貴様を倒す事……もはやそれしか興味が無くなったわ!!」
「別に僕は世界最強でも無いよ。勇者は流れで受け継がれたけど。いらないっちゃいらないし。」
「人の最高位である勇者の称号をいらないと?」
「うん。別に。」
あれこそ国王の思いつき、気がついたら持っていたって称号だし。
「っふ。そんな勇者聞いた事ないな。」
「勇者って言われても何すれば良いか知らないし。」
「相場は世界を救う英雄だろう?」
「僕は世界を救う英雄は望んでいないから。」
「ほう?それでは貴様は何を望むと言うのだ?」
「僕の望み?」
突然望みって言われても。僕はただ家族や仲間と楽しく旅をできればそれで良い。それが望みって言うのかな?
「旅をする事?」
「旅?そんなの今までして来ただろう。」
「そう。だから、僕は戦うんだよ。」
「何と?」
「仲間を守る為。世界を壊させない為。」
「それが結果として世界を救うって事じゃないのか?」
「あれ?そうなるの?」
なんか僕まで目的が分からなくなってきた。
「難しい事は考えるのはやめやめ。」
「そうだな。今は……」
「「こに戦いを楽しむ!」」
―ギィィィン!
ミカエルと僕の剣が重なり大きな音を出す。
♢
ミカエルと喋りながらも戦い続けるソラヤ。剣の動きはもう私には見えない。
「空ちゃん楽しそうだね。」
「そうだな。あんなに喋る空様も珍しい。」
「ほっほ。ソラヤも大きくなりましたな。」
なんだか3人がいつもの感じと違う?エイママはお母さんって言うより、お姉さんって感じがするし。ゴウパパに至っては、空様?私の聞き間違いかな?そしてクロイはいつも以上におじいちゃんぽい。
「むぅ……。」
「あら?マレット嫉妬?」
「フリージュ姉さん……別にそんなんじゃないですよ〜」
「膨れちゃって。可愛い弟だわ。」
「頬を突くのやめて下さい。」
この弟姉は仲良いのかな……私のお姉ちゃんなのに。それに気づいたナイトはちょいちょいって手招きする。近づくと頭を撫でられた。
「別に何も思ってないんだから。」
「これがソラヤの言うツンデレか。分かりやすいなブルームは。」
「ローゼ。変な事言わないで。」
「はいはい。ふふ、すまんな。」
ローゼも私の頭を撫でてくる。なんで2人で私の頭を取り合うの?
「しかし、彼は面白いですね。」
『うむ。ソラヤといればどんな日々も退屈はせぬ。』
「古龍種の貴女が彼といる理由も分かる気がします。」
『であろう?お主も誘われたのだ。一緒に来れば良いだろう。』
「……そうなれば、面白いでしょうね。」
『……。』
サリエルさんとリナは、先頭で2人の戦いを見続けている。こっちに何か来ても2人なら対処できると言う理由で。私も見えなくてもリナ達の横にいるようにしている。
「この際だから聞くけど。サリエルさんはソラヤの事をどう思います?」
「え?聞くのブルームちゃん。」
「え?どうって、面白い人間だと。」
「そうじゃなくて。1人の男の子として。」
「殿方として?可愛い子かしら。」
「ふ、ふーん。」
「……ほ。」
『「…………。」』
リナとサリエルさんの間に座っている私は。2人に頭を撫でられる。流れか何か知らないけど、メイクちゃんも私の頭を撫でる。
何これ?今流行っているの?
♢
「はぁーーー!!」
「てりゃぁー!!」
―ギン!バキン!
「これでその剣は使えなくなったね。僕の勝ちだ。」
「剣なんぞ……ホーリーセイバー!」
「うわ!魔法で剣作るとかずるい!」
「ふん。これは勝負だ。何でもありだろう?別に貴様も剣を作っても良いんだぞ?」
「ぐ。出来ない事知ってて言ってない?」
「どうだろうな。」
絶対そうだ。ミカエルは少し僕をからかってきている。なんで有りなら出るとこ出てやるからね!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
光る剣を全て回避してみせる。
「出鱈目なスピードを。」
「これは僕の能力だし。何ならもっと早くても良いんだよ?」
「っく!ならば!デュアル!」
片手に持っていた光の剣がもう一本現れる。二刀流?
―ヒュヒュン!ヒュヒュン!ヒュヒュン!
「増えたところで僕には通じない…よ!」
―ガキーン!
「あ。」
「ふはは!ただの光る剣だと思ったか?鉄の剣くらいは斬れるんだぞ?」
魔法ずっこい!せっかくメイクに作ってもらったのに。今度は魔法でも壊れない物を作ってもらおう。
「これで私の勝ち……ん?」
―スチャ。
「何でもありなんでしょ?しかも僕はメインはこっちだからね。」
「剣士に遠隔攻撃とか!」
「僕は剣士でもないし、この銃今0距離だし。」
「待て!あれは寒いんだぞ!」
「そうなんだ。でも、僕負けるの嫌いだから!」
―ズゥン!バリ…バリィィィィィィン!
「決着!」
「……。」
僕はミカエルに勝利した。
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