少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
193話 速さの先へ②
2人減った状況で、第二ラウンド。マレット君も守りに入っているし、母さんも前には出さないから6人か。
「ここは一つ私に考えがあります。」
「どんなのクロイ?」
「先ずですが、ソラヤとメイクさんにリナさんが全力で動いた場合。私とブルームとナイトは何も出来ません。」
「それは最初の戦闘で分かったことだね。」
「そこで攻撃に参加するのは3人で行きます。」
「クロイとシーとナイト?」
「はい。」
まぁ今のメイクは僕と速さがあまり変わらないし。リナが前だと周りが参加できないからか。リナも分かっているのか、口出しして来ない。
「それで構わないけど。僕達はどうするの?」
「簡単ですよ。我々に相手の攻撃を当てないようして頂きたい。」
「それってクロイ達の攻撃で、隙を埋めればいいのでは?」
「それが出来るならそれでも。」
「僕は出来るかな。メイクは同じスキルだし、リナは古龍だし……出来るか。」
「『攻撃を当てないように頑張る。』」
「ん?どっちも一緒じゃない?」
「私はナイトさんを見るね。」
『クロイは我が見よう。』
そう言って2人はそれぞれの仲間の元に歩いて行く。
「よろしくねシー。好きに動いてくれていいから。」
「うん。いつも通りだね。」
「そーだね。僕とシーの時はいつもそうだね。」
さっきクロイが言ったことは、僕とシーがペアの時いつもしている事。相手の攻撃の隙を埋めるのも、攻撃を当てないようにあうるの違いが僕には分からない。
「では、先手はわたくしが頂きますぞ。」
「こちも準備は出来ている。どこからでも来い。」
「それでは遠慮なく。精霊様……誰があの天使へのダメージが多いか勝負ですね。」
―ザワザワ……。
「動かぬのならこっちから…!」
「もう遅いです。よろしくお願いします、光の精霊様。」
―キラッ、ジュ!ジュ!ジュ!ジュ!
動こうとしたミカエルに光が4本伸びる。
「っく!」
―シュ、シュ、シュ、シュ。
足を止めて簡単に全て回避する。速いけど銃弾やメイクのナイフと比べるとイマイチな感じ。
「光属性の魔道士か。中々の速さだが、私には届かない。」
「はいはい。順番ですよ。次は火の精霊様です。」
「なに!?」
―ボゥ、ッダ!ッダ!ッダ!ッダ!
「誘導型か。少し工夫したところとて。」
―バン、バン、バン、バン。
丸い炎がミカエルに向かって飛んでいく。回避しようとしたミカエルはすぐに誘導って見破り、同じだけの光の球で撃ち落とす。
「これで終わりか?」
「ほほ。次行きますぞ。上ですか?水よ。」
「む!」
―ピチャ、ザァァ。
「ただの雨か?」
「当たればという問題では……。次は闇に精霊様ですか?」
―ズズ……ブワァ!
ミカエルの周りだけに雨が降り、闇魔法でその雨がその場に浮いている様に見える。クロイが言うに重力を軽くしたらしい。
「何かしたか?」
「少し重力を弄ったそうです。次はどうします?土の精霊様はパス?」
―ヒュルゥ……。
「……退屈であるな。」
「地味かもしれませんが。後に来る方達は協調性バッチリですぞ?」
「それがなんだと言うのだ?」
―ヒュルゥ…。
―ピチャ。
「ん?さっきの雨か?」
「強い方は慢心が目立ちます。もう少し周りを観察した方が良いかと。」
「ふん。弱い者が何を言っても。」
「では身をもって体験して頂きましょう。皆様!」
―ビュン!スパ。
ミカエルを中心に竜巻が起こる。重力を無くした水を捕まえどんどん大きく……そして速くなる。
「っち。うまく動けん。それではなら飛べば……。」
「そう思い。準備しておりました。」
上を向くと小さな火の玉が集まり、一つの大きな球になる。そこは竜巻の真ん中である。
「たかが炎一つで我が止められるわけがない!」
「ええ。ですので、皆様なのです。」
―キラッ。シュン!シュン!
「っむ!はあ!」
「足を止めては危ないですよ?」
「光の反射か面倒な術を……。」
竜巻の中ではミカエルが身動きを封じられ、ただ炎が落ちるのを待つ。
「風が舞い、闇が受け、水が踊り、光が繋ぎ、火が刺す……」
「ぐぐ!!」
「そして土が包み込む。」
「くっそ…………」
―ズドォォォン!!
竜巻ごと土が盛り上がり全てを飲み込んだ。
「……や、」
「むぐ??」
「それは言わないんだよ〜。」
マレット君の言葉を母さんが阻止する。言いたい気持ちは分かるが、それは言ってはいけないんだ。
―ピシ。
土にヒビが入り始めた。
「リナ準備しといて。」
『それであれば少々本気でいこう……ふん!』
―ボォワァ!
龍の姿になったリナが、翼を広げる。
『久々だな。悪いが遠慮はしないからな。』
「土が完全に壊れる前にお願いね。」
『あぁ。』
リナが翼を少し動かしながら、自身の周りに力を溜めているのが分かる。
―ピシ…ピシ。
「リナ!」
『我の全力受け止めてみよ!!』
大きい口が開き、空気が集まるのが分かる。まぁ脚を地面に叩きつけ踏ん張る。
「撃てー!」
『ガァァァァ!!!!!』
―ギュォォン!!!!!
はっしゃの合図一度やって見たかった。しかし後ですごく後悔した。強烈な風のブレスは想像以上の威力で、龍であるリナが前脚で踏ん張るところをなぜ見落としたのか。
そう僕は盛大に吹き飛ばされ壁に埋まっている訳である。
「調子に乗ったわ、げふぅ!」
「ソラヤぁ!?」
避難していたシーに連れられ、僕は一旦離脱する事になった。
「ここは一つ私に考えがあります。」
「どんなのクロイ?」
「先ずですが、ソラヤとメイクさんにリナさんが全力で動いた場合。私とブルームとナイトは何も出来ません。」
「それは最初の戦闘で分かったことだね。」
「そこで攻撃に参加するのは3人で行きます。」
「クロイとシーとナイト?」
「はい。」
まぁ今のメイクは僕と速さがあまり変わらないし。リナが前だと周りが参加できないからか。リナも分かっているのか、口出しして来ない。
「それで構わないけど。僕達はどうするの?」
「簡単ですよ。我々に相手の攻撃を当てないようして頂きたい。」
「それってクロイ達の攻撃で、隙を埋めればいいのでは?」
「それが出来るならそれでも。」
「僕は出来るかな。メイクは同じスキルだし、リナは古龍だし……出来るか。」
「『攻撃を当てないように頑張る。』」
「ん?どっちも一緒じゃない?」
「私はナイトさんを見るね。」
『クロイは我が見よう。』
そう言って2人はそれぞれの仲間の元に歩いて行く。
「よろしくねシー。好きに動いてくれていいから。」
「うん。いつも通りだね。」
「そーだね。僕とシーの時はいつもそうだね。」
さっきクロイが言ったことは、僕とシーがペアの時いつもしている事。相手の攻撃の隙を埋めるのも、攻撃を当てないようにあうるの違いが僕には分からない。
「では、先手はわたくしが頂きますぞ。」
「こちも準備は出来ている。どこからでも来い。」
「それでは遠慮なく。精霊様……誰があの天使へのダメージが多いか勝負ですね。」
―ザワザワ……。
「動かぬのならこっちから…!」
「もう遅いです。よろしくお願いします、光の精霊様。」
―キラッ、ジュ!ジュ!ジュ!ジュ!
動こうとしたミカエルに光が4本伸びる。
「っく!」
―シュ、シュ、シュ、シュ。
足を止めて簡単に全て回避する。速いけど銃弾やメイクのナイフと比べるとイマイチな感じ。
「光属性の魔道士か。中々の速さだが、私には届かない。」
「はいはい。順番ですよ。次は火の精霊様です。」
「なに!?」
―ボゥ、ッダ!ッダ!ッダ!ッダ!
「誘導型か。少し工夫したところとて。」
―バン、バン、バン、バン。
丸い炎がミカエルに向かって飛んでいく。回避しようとしたミカエルはすぐに誘導って見破り、同じだけの光の球で撃ち落とす。
「これで終わりか?」
「ほほ。次行きますぞ。上ですか?水よ。」
「む!」
―ピチャ、ザァァ。
「ただの雨か?」
「当たればという問題では……。次は闇に精霊様ですか?」
―ズズ……ブワァ!
ミカエルの周りだけに雨が降り、闇魔法でその雨がその場に浮いている様に見える。クロイが言うに重力を軽くしたらしい。
「何かしたか?」
「少し重力を弄ったそうです。次はどうします?土の精霊様はパス?」
―ヒュルゥ……。
「……退屈であるな。」
「地味かもしれませんが。後に来る方達は協調性バッチリですぞ?」
「それがなんだと言うのだ?」
―ヒュルゥ…。
―ピチャ。
「ん?さっきの雨か?」
「強い方は慢心が目立ちます。もう少し周りを観察した方が良いかと。」
「ふん。弱い者が何を言っても。」
「では身をもって体験して頂きましょう。皆様!」
―ビュン!スパ。
ミカエルを中心に竜巻が起こる。重力を無くした水を捕まえどんどん大きく……そして速くなる。
「っち。うまく動けん。それではなら飛べば……。」
「そう思い。準備しておりました。」
上を向くと小さな火の玉が集まり、一つの大きな球になる。そこは竜巻の真ん中である。
「たかが炎一つで我が止められるわけがない!」
「ええ。ですので、皆様なのです。」
―キラッ。シュン!シュン!
「っむ!はあ!」
「足を止めては危ないですよ?」
「光の反射か面倒な術を……。」
竜巻の中ではミカエルが身動きを封じられ、ただ炎が落ちるのを待つ。
「風が舞い、闇が受け、水が踊り、光が繋ぎ、火が刺す……」
「ぐぐ!!」
「そして土が包み込む。」
「くっそ…………」
―ズドォォォン!!
竜巻ごと土が盛り上がり全てを飲み込んだ。
「……や、」
「むぐ??」
「それは言わないんだよ〜。」
マレット君の言葉を母さんが阻止する。言いたい気持ちは分かるが、それは言ってはいけないんだ。
―ピシ。
土にヒビが入り始めた。
「リナ準備しといて。」
『それであれば少々本気でいこう……ふん!』
―ボォワァ!
龍の姿になったリナが、翼を広げる。
『久々だな。悪いが遠慮はしないからな。』
「土が完全に壊れる前にお願いね。」
『あぁ。』
リナが翼を少し動かしながら、自身の周りに力を溜めているのが分かる。
―ピシ…ピシ。
「リナ!」
『我の全力受け止めてみよ!!』
大きい口が開き、空気が集まるのが分かる。まぁ脚を地面に叩きつけ踏ん張る。
「撃てー!」
『ガァァァァ!!!!!』
―ギュォォン!!!!!
はっしゃの合図一度やって見たかった。しかし後ですごく後悔した。強烈な風のブレスは想像以上の威力で、龍であるリナが前脚で踏ん張るところをなぜ見落としたのか。
そう僕は盛大に吹き飛ばされ壁に埋まっている訳である。
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