少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
190話 置いていかれる者。
―ギン、ギン、ギン!ヒュン!ギン、ギン!
僕の剣を全て受け止め、フェイクからの攻撃も躱される。どんな動体視力してるんだろうか。
『手伝うぞ』
「はは!龍も参戦か。面白くなってきたじゃないか。」
―ビュン、ギン!ビュン、ビュン、ギン、ギン!
リナの攻撃は躱し、僕の剣は受けるばかり。
「リナの攻撃は受けないの?」
「龍の攻撃は重いからな。受けるより躱す方が簡単なんだよ。」
『言ってくれる。必ず打ち込んでやろう。』
「それは怖い。」
どうしようかな。この剣じゃ速さはこれが限界だ。もう少し軽くしてみよう。
「メイク!2本借りていい?」
「ん、分かった。」
―ヒュン!ヒュン!
「えっとこの剣は。」
―サク。パシ、パシ。
手に持っていた剣を床に刺し、メイクが投げて来た2本のナイフを受け取る。
―ヒュヒュン!ヒュヒュン!
「うん。軽いね。」
―ビュン、ギギン!ビュン、ギギン!ヒュヒュン!
「手数を増やして来たか。中々に判断が早い。」
「これでも余裕そうだな。」
「君にもまだ余裕がありそうだね。」
「僕は余裕がないんだよ。慣れるまでね。」
メイクから受け取ったナイフ2本も初めて使うわけじゃない。けれど投擲攻撃以外あまり使わない。スキルLvはあるから、そのうち慣れると思うけど。
♢
ソラヤの攻撃が始まっていた。
「ソラヤは凄いですね。ミカエルに引けを取らない剣技とは。」
「今はサリエルさんに強化して貰っているからだよ。」
「そうは言っても、ミカエルの剣技に並ぶ人間がいるとは思いませんでしたよ。」
「そんなに強いの?ミカエルって。」
「剣においては天界で勝てるものはいないと言われる程には。」
「ふーん。」
天界がどう言う所か分からないから。天界で一番強いって言われてもピンとこない。それならソラヤは人属の中で一番強い事になる。
「指示が終わったようですね。」
「リナが前に出るんだ。」
「あの女性は強いのですか?」
「古龍ですから。Lvは一番高い。」
「ふむふむ。一撃はデカイですが、速さが足りませんね。あれではミカエルに当たりませんよ。」
ソラヤの攻撃にリナが加わり、攻撃はより速く。そしてだれも近づけないくらい複雑になっている。
「あれでは誰もフォロー出来ませんよね。」
「ソラヤの攻撃は速いから。自分もそれなりに速くないと何もできない。」
だから私はソラヤに追いつく為AGIを上げて来た。本当ならあの横に並んで戦いたい。
「……。」
手を握ったりしてみても分かる。力がうまく入らない事。
「無理をしては言いませんよ。この地では貴女も私も力は出せません。」
「分かっています。今の私が前に出れば邪魔だと言うことも。」
「そう自分を追い込んではいけませんよ。私はまだ会って間もないですが。ソラヤを信じています。」
「私だって信じていますよ。」
「それなら肩の力を抜いて見守りましょう。貴女にしか出来ない事はきっとあります。」
「そうかな……。」
少し俯いていた。サリエルさんに言われた事は分かってる。肩の力を抜くにも私には何にも出来ないと思うと、肩身がせまいと言うか。
「メイク!2本借りていい?」
「ん、分かった。」
言われた事にすぐ反応して、ナイフを2本投げていた。
「あ。あれで良かったのかな?」
「見たところ正解のようですよ。しかしあの言葉一つでよく分かりますね。」
「何となくですけど。」
「何となくで出来るって凄い事ですね。相手を常に意識しないと出来ない事ですね。」
「意識って……。」
真面目な顔で意識するって言われると、ちょっと恥ずかしい。ソラヤは初めてのお友達であって、そのお友達を意識するのは…………仕方ないよね。
「頑張れソラヤ。」
♢
メイクに貰ったナイフで攻撃をする。速さが出た分重さはなくなったけど、そこはリナの攻撃に任せよう。
―ドン!
「っぐ!やはり重いな!」
『やっと受けたな。』
「あの攻撃捌きながらは難しい。っち。」
―ギギン!ヒュヒュン!ガチャ、ズゥゥン!
ナイフで攻撃回数を増やして、隙を見てハンドガンで牽制する。さっき撃った雷魔弾でギリギリで避けた事で、少し痺れたりした。その隙を見逃さずリナは攻撃を入れている。今も僕の銃弾を意識して、大きく体勢を崩した所に攻撃。
「中々に凶悪なコンビだな。他の者は手出しせず見ていると言うのに。」
そうなんだよね。僕もリナの攻撃に合わせて動いているけど、周りからの支援はない。ローゼが支持していたはずなんだけどな。
「皆んななんとか出来る?」
「無理だな。速すぎる。」
「ローゼ諦めちゃうの?」
「これが最善だと思ったまでだ。頼んだぞソラヤ!」
「えー。あー、うん。うん?」
なんだか引っかかる。どう言う事かよく分からないが、ミカエルと戦っているのは現状2人だけ。
「リナ、皆んなが攻撃する隙間がないって。」
『それは我じゃなく、ソラヤに対してだろう?』
「え?僕?」
『自覚ないのか?そなたの攻撃に着いて来れるのは、我か、調子の良いメイクくらいだろう。』
「そんな事は……。」
『いつもはソラヤが周りに合わせていたが、このミカエルは全力で行かねばならん。それ故にこの状況も仕方がない。』
そうなのか。この戦い方も問題かな?皆んなで戦う方法か……何か別の作戦を考えるか。
僕の剣を全て受け止め、フェイクからの攻撃も躱される。どんな動体視力してるんだろうか。
『手伝うぞ』
「はは!龍も参戦か。面白くなってきたじゃないか。」
―ビュン、ギン!ビュン、ビュン、ギン、ギン!
リナの攻撃は躱し、僕の剣は受けるばかり。
「リナの攻撃は受けないの?」
「龍の攻撃は重いからな。受けるより躱す方が簡単なんだよ。」
『言ってくれる。必ず打ち込んでやろう。』
「それは怖い。」
どうしようかな。この剣じゃ速さはこれが限界だ。もう少し軽くしてみよう。
「メイク!2本借りていい?」
「ん、分かった。」
―ヒュン!ヒュン!
「えっとこの剣は。」
―サク。パシ、パシ。
手に持っていた剣を床に刺し、メイクが投げて来た2本のナイフを受け取る。
―ヒュヒュン!ヒュヒュン!
「うん。軽いね。」
―ビュン、ギギン!ビュン、ギギン!ヒュヒュン!
「手数を増やして来たか。中々に判断が早い。」
「これでも余裕そうだな。」
「君にもまだ余裕がありそうだね。」
「僕は余裕がないんだよ。慣れるまでね。」
メイクから受け取ったナイフ2本も初めて使うわけじゃない。けれど投擲攻撃以外あまり使わない。スキルLvはあるから、そのうち慣れると思うけど。
♢
ソラヤの攻撃が始まっていた。
「ソラヤは凄いですね。ミカエルに引けを取らない剣技とは。」
「今はサリエルさんに強化して貰っているからだよ。」
「そうは言っても、ミカエルの剣技に並ぶ人間がいるとは思いませんでしたよ。」
「そんなに強いの?ミカエルって。」
「剣においては天界で勝てるものはいないと言われる程には。」
「ふーん。」
天界がどう言う所か分からないから。天界で一番強いって言われてもピンとこない。それならソラヤは人属の中で一番強い事になる。
「指示が終わったようですね。」
「リナが前に出るんだ。」
「あの女性は強いのですか?」
「古龍ですから。Lvは一番高い。」
「ふむふむ。一撃はデカイですが、速さが足りませんね。あれではミカエルに当たりませんよ。」
ソラヤの攻撃にリナが加わり、攻撃はより速く。そしてだれも近づけないくらい複雑になっている。
「あれでは誰もフォロー出来ませんよね。」
「ソラヤの攻撃は速いから。自分もそれなりに速くないと何もできない。」
だから私はソラヤに追いつく為AGIを上げて来た。本当ならあの横に並んで戦いたい。
「……。」
手を握ったりしてみても分かる。力がうまく入らない事。
「無理をしては言いませんよ。この地では貴女も私も力は出せません。」
「分かっています。今の私が前に出れば邪魔だと言うことも。」
「そう自分を追い込んではいけませんよ。私はまだ会って間もないですが。ソラヤを信じています。」
「私だって信じていますよ。」
「それなら肩の力を抜いて見守りましょう。貴女にしか出来ない事はきっとあります。」
「そうかな……。」
少し俯いていた。サリエルさんに言われた事は分かってる。肩の力を抜くにも私には何にも出来ないと思うと、肩身がせまいと言うか。
「メイク!2本借りていい?」
「ん、分かった。」
言われた事にすぐ反応して、ナイフを2本投げていた。
「あ。あれで良かったのかな?」
「見たところ正解のようですよ。しかしあの言葉一つでよく分かりますね。」
「何となくですけど。」
「何となくで出来るって凄い事ですね。相手を常に意識しないと出来ない事ですね。」
「意識って……。」
真面目な顔で意識するって言われると、ちょっと恥ずかしい。ソラヤは初めてのお友達であって、そのお友達を意識するのは…………仕方ないよね。
「頑張れソラヤ。」
♢
メイクに貰ったナイフで攻撃をする。速さが出た分重さはなくなったけど、そこはリナの攻撃に任せよう。
―ドン!
「っぐ!やはり重いな!」
『やっと受けたな。』
「あの攻撃捌きながらは難しい。っち。」
―ギギン!ヒュヒュン!ガチャ、ズゥゥン!
ナイフで攻撃回数を増やして、隙を見てハンドガンで牽制する。さっき撃った雷魔弾でギリギリで避けた事で、少し痺れたりした。その隙を見逃さずリナは攻撃を入れている。今も僕の銃弾を意識して、大きく体勢を崩した所に攻撃。
「中々に凶悪なコンビだな。他の者は手出しせず見ていると言うのに。」
そうなんだよね。僕もリナの攻撃に合わせて動いているけど、周りからの支援はない。ローゼが支持していたはずなんだけどな。
「皆んななんとか出来る?」
「無理だな。速すぎる。」
「ローゼ諦めちゃうの?」
「これが最善だと思ったまでだ。頼んだぞソラヤ!」
「えー。あー、うん。うん?」
なんだか引っかかる。どう言う事かよく分からないが、ミカエルと戦っているのは現状2人だけ。
「リナ、皆んなが攻撃する隙間がないって。」
『それは我じゃなく、ソラヤに対してだろう?』
「え?僕?」
『自覚ないのか?そなたの攻撃に着いて来れるのは、我か、調子の良いメイクくらいだろう。』
「そんな事は……。」
『いつもはソラヤが周りに合わせていたが、このミカエルは全力で行かねばならん。それ故にこの状況も仕方がない。』
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