少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
175話 戦闘好きの試験①
突然の戦闘開始に1番始めに動いたのは父さんだった。
「ソラヤ!」
「分かった。クロイ!ローゼ足を。」
「ほほ。行きますよ。」
「任せろ。」
短い掛け声でそれぞれ行動を開始する。ローゼの鞭とクロイの魔法で足止めが出来るかを確認する。
―ズズズ……。
―シュルゥ、スパン!
「ほぅ。重力魔法に鞭での拘束。足止めとは定石。しかし……」
―バァァン!
「止められると思わない方がいいわ!」
「シー、ナイト!」
「「はい!」」
「おっと!」
拘束を弾かれたタイミングで、攻撃させたが見事に避けられた。しかし避けた先が良くない。空中では僕の的でしか無い。
―ガチャ、ズゥゥン!
「あらあら。火よ。」
―ゴォ。
「そんな避け方ある?」
「魔法も使いようよ。」
火の魔法で自身を少しだけ動かして、僕の弾丸を避けた王妃様。言うなれば飛行機の様な感じか。
『では、これはどうかな?』
「へ?」
―グガァァァァ!!
「っちょ、」
―ドゴォォン!
「リナ容赦ないね。」
『自分の弾を囮に、我の攻撃範囲に誘導したソラヤが言うのか?』
「あれ、気づいてた?」
『無論だ。』
全部の動きに意味はある。これを悟ってやってくれる人と、感覚や勘で出来る人とで分かれる。前者はリナ、クロイ、ローゼくらいかな。あとは感覚派かな…半分以上か。今は考えるのをやめよう。
「ぶは!ちょっと、龍は反則じゃ無い?バランスおかしいよ、不利だって。試練する前に、私がやられるって!」
『全員でと申したのは、其方であろう?』
「そうなんだけどね。しょいが無い、あれを使うか。すぅ…………は!」
―ボン。
気合いを入れたかと思うと、王妃様が少しブレて見える様になった。そして髪の毛が赤と黒に見える。さすが魔神、変身もできるのか。こうもっとゴツくなるのが、ゲームとかのボスだったけど。
「「ひぃ!?」」
ナイトとマレット君はあからさまに怯える。
「2人とも、あれは何か分かるの?」
「昨日私がボロボロに負けた時に、あんな赤と黒髪に姿がブレて見えてた。」
「マレット君は?」
「父上に怒った母上があの様な感じになる時が。その後丸焦げな父上を僕は見た事があります…。」
なんだろうか。ただただ怖いだけで、あの技の特徴やどうなるのか具体的な話がない。まぁゲームじゃ無いんだから、初見で攻略はしょうがないか。そうなると……。
「マレット君、僕にシールドを。出来るなら体の周りに纏わせる様なのがいいな。」
「スキン型?これでいい?」
「うん。行ってくる。ローゼ!」
「任された。」
指揮をローゼに渡して僕は前に出る。分からないものは調べなければならない。
「単騎とは無謀な。」
「これが1番生存率が高いんだよ。」
「大した自身だ。」
―ビュン、ゴォ。バリン。
「動きは良いが、いつまでそうしていられるかな?」
「ん〜ちゃんと回避したけどな。」
「マレットさん、ソラヤに。あとリナさん、メイクさんにも。」
「分かりました!」
―ヒュン。
「おっと、中々鋭いな。」
「喋る余裕もなくしてあげるよ。」
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
「これぐらいじゃ私は。」
『反応は良いのだが、視野が狭いのは問題だぞ?』
―ドドン!
「忠告感謝する。一撃も重いな……しかし私に触れて平気ですか?」
『何を?……熱い?』
―ジュゥ…。
リナの腕が焼けていく。痛覚が鈍い龍だからこそ気づきにくいのか、腕から煙が出てる。
「ほら、我慢できてもしない!離れて!」
―ガチャ、ズゥン!ズゥン!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン!
近距離用の銃を撃ち込む。でも僕の攻撃は当たらず避けられる。あ、メイクのナイフも避けられるな。
『ふむ。マレットの防御があったはずだがな。』
「スキン系は瞬間のダメージはなんとか出来ますが、継続的なダメージには弱いんですよ。」
『疲れるが龍闘気使うか。』
「リナさんのそれはまだ大丈夫です。クロイ、ナイト。中距離応援を。」
「ほほ。ではナイ……ふむ。フリージュのが良いです?」
「どっちでも。私にとってはどっちも大切な名前だから。」
「ほほ。そうですか。では参りましょうナイト。」
「は〜い。」
―ズゥン、ズゥン、ズゥン!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
―ボゥ、ボゥ。
―ブクゥ…ズババババババ!
「ふふ。これだから戦闘は辞められないのよ。っほっよ。ていてい!あで。」
僕とメイクの攻撃は確実に避けて、ナイトの魔法は相殺。クロイの魔法はたまに当たっているが、あまり気になる様なダメージでは無い。
僕やナイトの物理武器には、何か効果が付いているから避けるんだろう。魔法は極力撃ち落として当たっても支障がなさそうなものは、無理に避けて体勢を崩すくらいなら当たる。中々に理に適った戦い方だ。
ただ、全てを避けているわけじゃ無い事から、AGIそこそこのVITに多く振り分けているタイプ。だんだん見えてきた。そんな振り方じゃ、こっちの攻撃は耐えられないよ。
「シーそろそろいくよ。」
「待ってました!いつでも。」
肩を回して、やる気満々なシー。この攻撃は当たると痛いよ?
「ソラヤ!」
「分かった。クロイ!ローゼ足を。」
「ほほ。行きますよ。」
「任せろ。」
短い掛け声でそれぞれ行動を開始する。ローゼの鞭とクロイの魔法で足止めが出来るかを確認する。
―ズズズ……。
―シュルゥ、スパン!
「ほぅ。重力魔法に鞭での拘束。足止めとは定石。しかし……」
―バァァン!
「止められると思わない方がいいわ!」
「シー、ナイト!」
「「はい!」」
「おっと!」
拘束を弾かれたタイミングで、攻撃させたが見事に避けられた。しかし避けた先が良くない。空中では僕の的でしか無い。
―ガチャ、ズゥゥン!
「あらあら。火よ。」
―ゴォ。
「そんな避け方ある?」
「魔法も使いようよ。」
火の魔法で自身を少しだけ動かして、僕の弾丸を避けた王妃様。言うなれば飛行機の様な感じか。
『では、これはどうかな?』
「へ?」
―グガァァァァ!!
「っちょ、」
―ドゴォォン!
「リナ容赦ないね。」
『自分の弾を囮に、我の攻撃範囲に誘導したソラヤが言うのか?』
「あれ、気づいてた?」
『無論だ。』
全部の動きに意味はある。これを悟ってやってくれる人と、感覚や勘で出来る人とで分かれる。前者はリナ、クロイ、ローゼくらいかな。あとは感覚派かな…半分以上か。今は考えるのをやめよう。
「ぶは!ちょっと、龍は反則じゃ無い?バランスおかしいよ、不利だって。試練する前に、私がやられるって!」
『全員でと申したのは、其方であろう?』
「そうなんだけどね。しょいが無い、あれを使うか。すぅ…………は!」
―ボン。
気合いを入れたかと思うと、王妃様が少しブレて見える様になった。そして髪の毛が赤と黒に見える。さすが魔神、変身もできるのか。こうもっとゴツくなるのが、ゲームとかのボスだったけど。
「「ひぃ!?」」
ナイトとマレット君はあからさまに怯える。
「2人とも、あれは何か分かるの?」
「昨日私がボロボロに負けた時に、あんな赤と黒髪に姿がブレて見えてた。」
「マレット君は?」
「父上に怒った母上があの様な感じになる時が。その後丸焦げな父上を僕は見た事があります…。」
なんだろうか。ただただ怖いだけで、あの技の特徴やどうなるのか具体的な話がない。まぁゲームじゃ無いんだから、初見で攻略はしょうがないか。そうなると……。
「マレット君、僕にシールドを。出来るなら体の周りに纏わせる様なのがいいな。」
「スキン型?これでいい?」
「うん。行ってくる。ローゼ!」
「任された。」
指揮をローゼに渡して僕は前に出る。分からないものは調べなければならない。
「単騎とは無謀な。」
「これが1番生存率が高いんだよ。」
「大した自身だ。」
―ビュン、ゴォ。バリン。
「動きは良いが、いつまでそうしていられるかな?」
「ん〜ちゃんと回避したけどな。」
「マレットさん、ソラヤに。あとリナさん、メイクさんにも。」
「分かりました!」
―ヒュン。
「おっと、中々鋭いな。」
「喋る余裕もなくしてあげるよ。」
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
「これぐらいじゃ私は。」
『反応は良いのだが、視野が狭いのは問題だぞ?』
―ドドン!
「忠告感謝する。一撃も重いな……しかし私に触れて平気ですか?」
『何を?……熱い?』
―ジュゥ…。
リナの腕が焼けていく。痛覚が鈍い龍だからこそ気づきにくいのか、腕から煙が出てる。
「ほら、我慢できてもしない!離れて!」
―ガチャ、ズゥン!ズゥン!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン!
近距離用の銃を撃ち込む。でも僕の攻撃は当たらず避けられる。あ、メイクのナイフも避けられるな。
『ふむ。マレットの防御があったはずだがな。』
「スキン系は瞬間のダメージはなんとか出来ますが、継続的なダメージには弱いんですよ。」
『疲れるが龍闘気使うか。』
「リナさんのそれはまだ大丈夫です。クロイ、ナイト。中距離応援を。」
「ほほ。ではナイ……ふむ。フリージュのが良いです?」
「どっちでも。私にとってはどっちも大切な名前だから。」
「ほほ。そうですか。では参りましょうナイト。」
「は〜い。」
―ズゥン、ズゥン、ズゥン!
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
―ボゥ、ボゥ。
―ブクゥ…ズババババババ!
「ふふ。これだから戦闘は辞められないのよ。っほっよ。ていてい!あで。」
僕とメイクの攻撃は確実に避けて、ナイトの魔法は相殺。クロイの魔法はたまに当たっているが、あまり気になる様なダメージでは無い。
僕やナイトの物理武器には、何か効果が付いているから避けるんだろう。魔法は極力撃ち落として当たっても支障がなさそうなものは、無理に避けて体勢を崩すくらいなら当たる。中々に理に適った戦い方だ。
ただ、全てを避けているわけじゃ無い事から、AGIそこそこのVITに多く振り分けているタイプ。だんだん見えてきた。そんな振り方じゃ、こっちの攻撃は耐えられないよ。
「シーそろそろいくよ。」
「待ってました!いつでも。」
肩を回して、やる気満々なシー。この攻撃は当たると痛いよ?
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