少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
151話 生きている?③
ミステリアの光の玉が少年へとまっすぐ向かい大爆発をした。正直あれで無事とは思わないけど、横にいるバトザーさんも慌ててないから大丈夫なんだろう。
そして煙が晴れると、黒い大きな玉が現れた。ヒビが入り割れて中から少年が出てきた。
「これ死んじゃうよ?」
『生きているじゃない。』
「いやいや。殺さないって言った人の攻撃じゃないよ。」
『派手だが中身はスカスカな魔法だぞ?弾けば割れるだけだ。』
確かに爆発は派手ではあった。体感した少年は腑に落ちなそうな顔をしている。
『では、どんどんいくぞ。今度のは少し強いぞ。』
「いや、本当に!」
『輝け、貫け、邪魔するものは押し通れ!』
―バチン!
今回はさっきの玉より大きなものが1つだけ出てきた。唱えているであろう魔法の言葉は、物凄く物騒だけど……。
『放て!』
―ゴォォォォ!
光の玉がビームの様に伸びる。隣を見ると驚いてはいるけど慌てる様子はない。
ミステリア本当に手加減してるの?
「逸らせ!」
―ゴォォォォ…………。
少年の前に黒い板のようなものが出てきて、それに当たった光線は空へと消えていった。
『凄いじゃないか。』
「今のも絶対死んじゃいますって!」
『でも貴方は生きているわよ?』
「いや、まぁそうなんですけど。」
『まだまだいけそうね。ちょっと本気出しちゃおうかしら。』
「ちょっと!お仲間様!止めてください!」
僕とリナに言ってくる少年は、とても必死だ。確かに当たれば、僕なら確実に死んじゃいそうだし、ミステリアにも改めて言っておくか。
「若はこれくらい平気ですぞ。防御には絶対の信頼と定評がありますからね。」
「バトラスぅ!?」
「そうなんですか?」
「はい。何せ魔王の子であり、絶対防御の異名は伊達じゃありません。」
「凄い人なんですね……魔王の子?」
「はい。若は、ライオス・ディ・ブラッドの三男。ライオス・ディ・マレット様に御座います。」
「魔王様の子供……。」
ここに来て初めて名前を聞いたけど、本気で魔王様の子供なのか。ミステリアはそんな人と戦っているのか。ますます殺したらやばくないか?
「それなら、戦わせるの危なくないですか?ライオス・ディ・マレット様に何かあれば。」
「問題はありませんよ。殺し合いではありませんし、何より若の経験にもなりますゆえ。」
「そうなんですね。」
魔族には魔族の決まりやルールもあるんだろう。
「死にますって!!」
『ふふふ。だから、死んでないじゃない。』
―ドゴォォン!
―ズパァァン!
「さっきから物凄い攻撃されてますが、本当に大丈夫なんですか?」
「えぇ。普段は私やバイザーとソルとも訓練していますし。何より魔王様の攻撃も通りません。」
「魔王様の攻撃が通らないって強すぎません?」
「そうですね。守りはいいのですが……。」
含みのある言い方で話が途切れるバトラスさん。その間も爆発は続き怪我1つなく叫ぶ少年と、笑いながらばくはつまほうを連発する天使様。
『あははは!!』
「ひぃぃ!!」
―ドゴォォン!
「防戦一方はミステリアだからでは?」
「それも少しありますが。それならそれで方法はあるのです。」
「守りに特化の方法……反射とかカウンターですか?」
「さすがはソラヤ様。そうです。ただ若はそれもなさいません。」
「え?どうして?そんなに難しい事なの?」
「技術と言うより心の問題と言いますか。相手を傷つける事をしないのです。」
相手を傷つける事をしないか。それは何となく分かる気がする。
「そういう意味では、若とソラヤ様は似ていますね。」
「え?」
「先程の戦闘を見ていましたが、武器の使用を止めましたよね?それはどうしてですか?」
「それは、僕の武器じゃ相手を殺しちゃうかもしれないし。加減が出来ないんですよ。」
「ほほ。若と同じですな。」
「でも僕は守りには特化してませんが。」
「ソラヤ様はそれを速さで補うのでしょう?」
言われて納得出来る事が多い。僕もあの子と一緒か。当たれば相手を殺してしまうかもしれない恐怖。
『その割に我への攻撃は容赦なかったな。』
「それはリナは龍種だし。倒すつもりで攻撃したしさ。」
『それとこの戦いの違いは何だ?やらねばやられるのは何方も一緒であろう?現に先は死にかけた訳だし。』
「確かにそうだけど。これとそれは違うって言うか。」
「ほほ。結論はどちらも優しすぎるですな。しかし戦わなければならない時も来ますから、心して下さい。」
「はい。覚えておきます。」
目の前の少年、ライオス・ディ・マレットって子もきっと悩みながら戦っているんだろう。僕は考える。そんな時が来たらどうするか。
今は答えが出ないけど、いずれその時は来る……僕は目の前の戦いをじっと見守る。
「見てないで止めてぇぇ!!」
『ふははははは!!!!』
…………頑張れマレット君。
そして煙が晴れると、黒い大きな玉が現れた。ヒビが入り割れて中から少年が出てきた。
「これ死んじゃうよ?」
『生きているじゃない。』
「いやいや。殺さないって言った人の攻撃じゃないよ。」
『派手だが中身はスカスカな魔法だぞ?弾けば割れるだけだ。』
確かに爆発は派手ではあった。体感した少年は腑に落ちなそうな顔をしている。
『では、どんどんいくぞ。今度のは少し強いぞ。』
「いや、本当に!」
『輝け、貫け、邪魔するものは押し通れ!』
―バチン!
今回はさっきの玉より大きなものが1つだけ出てきた。唱えているであろう魔法の言葉は、物凄く物騒だけど……。
『放て!』
―ゴォォォォ!
光の玉がビームの様に伸びる。隣を見ると驚いてはいるけど慌てる様子はない。
ミステリア本当に手加減してるの?
「逸らせ!」
―ゴォォォォ…………。
少年の前に黒い板のようなものが出てきて、それに当たった光線は空へと消えていった。
『凄いじゃないか。』
「今のも絶対死んじゃいますって!」
『でも貴方は生きているわよ?』
「いや、まぁそうなんですけど。」
『まだまだいけそうね。ちょっと本気出しちゃおうかしら。』
「ちょっと!お仲間様!止めてください!」
僕とリナに言ってくる少年は、とても必死だ。確かに当たれば、僕なら確実に死んじゃいそうだし、ミステリアにも改めて言っておくか。
「若はこれくらい平気ですぞ。防御には絶対の信頼と定評がありますからね。」
「バトラスぅ!?」
「そうなんですか?」
「はい。何せ魔王の子であり、絶対防御の異名は伊達じゃありません。」
「凄い人なんですね……魔王の子?」
「はい。若は、ライオス・ディ・ブラッドの三男。ライオス・ディ・マレット様に御座います。」
「魔王様の子供……。」
ここに来て初めて名前を聞いたけど、本気で魔王様の子供なのか。ミステリアはそんな人と戦っているのか。ますます殺したらやばくないか?
「それなら、戦わせるの危なくないですか?ライオス・ディ・マレット様に何かあれば。」
「問題はありませんよ。殺し合いではありませんし、何より若の経験にもなりますゆえ。」
「そうなんですね。」
魔族には魔族の決まりやルールもあるんだろう。
「死にますって!!」
『ふふふ。だから、死んでないじゃない。』
―ドゴォォン!
―ズパァァン!
「さっきから物凄い攻撃されてますが、本当に大丈夫なんですか?」
「えぇ。普段は私やバイザーとソルとも訓練していますし。何より魔王様の攻撃も通りません。」
「魔王様の攻撃が通らないって強すぎません?」
「そうですね。守りはいいのですが……。」
含みのある言い方で話が途切れるバトラスさん。その間も爆発は続き怪我1つなく叫ぶ少年と、笑いながらばくはつまほうを連発する天使様。
『あははは!!』
「ひぃぃ!!」
―ドゴォォン!
「防戦一方はミステリアだからでは?」
「それも少しありますが。それならそれで方法はあるのです。」
「守りに特化の方法……反射とかカウンターですか?」
「さすがはソラヤ様。そうです。ただ若はそれもなさいません。」
「え?どうして?そんなに難しい事なの?」
「技術と言うより心の問題と言いますか。相手を傷つける事をしないのです。」
相手を傷つける事をしないか。それは何となく分かる気がする。
「そういう意味では、若とソラヤ様は似ていますね。」
「え?」
「先程の戦闘を見ていましたが、武器の使用を止めましたよね?それはどうしてですか?」
「それは、僕の武器じゃ相手を殺しちゃうかもしれないし。加減が出来ないんですよ。」
「ほほ。若と同じですな。」
「でも僕は守りには特化してませんが。」
「ソラヤ様はそれを速さで補うのでしょう?」
言われて納得出来る事が多い。僕もあの子と一緒か。当たれば相手を殺してしまうかもしれない恐怖。
『その割に我への攻撃は容赦なかったな。』
「それはリナは龍種だし。倒すつもりで攻撃したしさ。」
『それとこの戦いの違いは何だ?やらねばやられるのは何方も一緒であろう?現に先は死にかけた訳だし。』
「確かにそうだけど。これとそれは違うって言うか。」
「ほほ。結論はどちらも優しすぎるですな。しかし戦わなければならない時も来ますから、心して下さい。」
「はい。覚えておきます。」
目の前の少年、ライオス・ディ・マレットって子もきっと悩みながら戦っているんだろう。僕は考える。そんな時が来たらどうするか。
今は答えが出ないけど、いずれその時は来る……僕は目の前の戦いをじっと見守る。
「見てないで止めてぇぇ!!」
『ふははははは!!!!』
…………頑張れマレット君。
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