少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
148話 終わりは突然に。
戦い始めて数回の攻撃で、避ける事に専念する事を決めた僕。終わりのタイミングはいつ来るかな?
「は!せ、せ、せ、せ!」
―ビュン、ビビビビュン!
―ヒュン、タタタタタン。
攻撃も速くなってきた。素早い攻撃は少し捌いて、僕自身の動きを最小限にする。攻撃一つを大きく避ければ、隙も出るし体力も無くなる。これも色々とこの世界で戦った経験あってだな。
♢
「龍殿は……。」
『リナで構わん。』
「では失礼して。リナ殿はこの戦いどう見ますか?」
この戦いをどう見るか?バイザーと言う魔族の一方的な戦いに見えるが、ソラヤは武器を使わず、避ける事に専念しているであろう。動きに迷いがなくなり、先程から相手の攻撃を流し動きも最小限。
『ふむ。一言で言うと面白い。』
「どの辺りをでしょうか?」
どの辺りとな?我は戦いを観る事は嫌いじゃ無い。違うな、ソラヤと言う人間に会い興味があるからか。この戦いの中で育つ様子がワクワクする。そうなると面白いと思う事は……。
『ソラヤと言う人間が、この戦闘中に強くなっている事だな。』
「リナ殿もそう見ますか。」
『単に我がソラヤに興味があるからだろうが。』
「わたくしは初見ですが。彼の動きには目に見えて動きが良くなってますから。次はどの様な手を出すかワクワク致します。」
この者も我と同じ考えか。確かにこの後どうなるのか、ワクワクする気持ちはそう言う事なのだろう。
先程から銃なる武器を使わないが、何か考えがあるのか?全ての攻撃を避けるのは正直言って、簡単にできるものでも無い。しかも人間と言う種族であれば尚更だ。
この老人……魔族は中々面白い考えをする。
『御老体……白髪の魔族は……ん〜其方は戦うのか?』
「これはこれは。名乗らず申し訳ありません。わたくし、執事のバトラス・ウィジックと申します。」
『バトラスか。して、バトラスは戦うのか?』
「わたくしは現役は引退した身。歳もありますが、若い方とは違い戦えませんよ。」
「うそぉ……僕と訓練してるじゃん。」
「ほっほ。一緒に走り、トレーニングは日頃の動くためにですぞ。」
「普通に生活するのには、圧倒的なオーバーワークだよ。」
若と呼ばれる魔族から言われ、笑いながら流すバトラス。戦うのを止めない辺りは見るのは好きなのかもしれないな。
「おや?バイザーはあれを使うつもりですかね。」
『何やら魔力を帯びているな。何かするのがバレバレで、ソラヤであれば避けられるだろう。』
「ほほ。あれは回避は出来ませんよ。必ず当たるスキルですから。」
『ふむ。この一撃でどう動くか見ものだな。』
♢
「はぁぁぁ……。」
「あれはなんかやばそう。少し距離を取るか。」
ん?手に何か張り付いた感覚が?
「気づいたか?だが遅い。受けてみよ!グラヴィティ!」
―ドドドン!
3発の黒い球が迫ってくる。距離を取っていたので交わすのも……。
―ッザ!チリ。
「結構余裕見て躱したのに掠った?」
「ふふふ。小さき球と油断してはいけないよ。」
さっきまで距離を詰めて来たのに、今はその場から動かない。そして手に残る引っ張られる感じ……後ろ?
「な!さっきの黒い球!?」
「そうさ。この球は当たるまで追いかけるぞ?」
「っく!」
―ザン、チリ。
さっきよりも速く避けたけどまた掠った。次の攻撃が来る前に、自分のHPを確認する。5,675/7,675って?うげ!2発掠って1,000も減るし。何かしないと必中系か、そうじゃなくても1発なら耐えられる。
ならやることは一つ!
―ガチャ、ッス。ガチャ、チャキ……。
2つの相棒に弾を込める。近距離用は腰に戻す。
「頼むよ、相棒……。」
―ズゥゥン!……パァァン!
「まずは一つ……いくぞ。」
―ズゥン!…パァァン!
「最後一発は!」
―バァァン!
「ぐぅ!!」
「ソラヤ!!」
―タン、ズザァァ。
「いったぁ……HPは……1残った。って事は必中系スキルで、1発6,000位は食らうのか。」
「冷静に分析していて良いのかな!」
はっとなり前を向くと、バトラーさんが近づいてくる。
「驚いた。あれを食らってピンピンしているとは。」
「やば。」
この人は知らない…。僕がVITもMNDも低い事を。
この人は知らない……。受け身と受け流しのスキルに我慢強いから、見た目より中身のダメージがやばい事を。
僕は知らない………。HPが0になったらどうなるか。
いや、考えないようにしているだけか。多分だけど死ぬかな。死なない為には攻撃を避けるしかない。
「っぐ、動かない。」
「あの攻撃は捕らえた相手の動きを封じるのだよ。」
バトラーさんが僕のところに来るまでとても長く感じる。スローに見えるって方が合っているかな?
困ったな。動けないから回復薬も飲めないし。反撃も回避も出来ない。
そして今の僕がHP1で、防御面のステータスを事を知らないリナや他の人達は見ているだけ。
あ、メイクがこっちに走ってきている。でもこの距離は間に合わないかな。遠目だけどメイクだけが、やばい事に気がついてくれている。
ごめんねメイク……。
「ありがとう。」
「ソラヤァァァ!!」
僕はこんな簡単に終わっちゃうのか。目を閉じてその時を待つ。
―バキ。
鈍い音が聞こえた……。
「は!せ、せ、せ、せ!」
―ビュン、ビビビビュン!
―ヒュン、タタタタタン。
攻撃も速くなってきた。素早い攻撃は少し捌いて、僕自身の動きを最小限にする。攻撃一つを大きく避ければ、隙も出るし体力も無くなる。これも色々とこの世界で戦った経験あってだな。
♢
「龍殿は……。」
『リナで構わん。』
「では失礼して。リナ殿はこの戦いどう見ますか?」
この戦いをどう見るか?バイザーと言う魔族の一方的な戦いに見えるが、ソラヤは武器を使わず、避ける事に専念しているであろう。動きに迷いがなくなり、先程から相手の攻撃を流し動きも最小限。
『ふむ。一言で言うと面白い。』
「どの辺りをでしょうか?」
どの辺りとな?我は戦いを観る事は嫌いじゃ無い。違うな、ソラヤと言う人間に会い興味があるからか。この戦いの中で育つ様子がワクワクする。そうなると面白いと思う事は……。
『ソラヤと言う人間が、この戦闘中に強くなっている事だな。』
「リナ殿もそう見ますか。」
『単に我がソラヤに興味があるからだろうが。』
「わたくしは初見ですが。彼の動きには目に見えて動きが良くなってますから。次はどの様な手を出すかワクワク致します。」
この者も我と同じ考えか。確かにこの後どうなるのか、ワクワクする気持ちはそう言う事なのだろう。
先程から銃なる武器を使わないが、何か考えがあるのか?全ての攻撃を避けるのは正直言って、簡単にできるものでも無い。しかも人間と言う種族であれば尚更だ。
この老人……魔族は中々面白い考えをする。
『御老体……白髪の魔族は……ん〜其方は戦うのか?』
「これはこれは。名乗らず申し訳ありません。わたくし、執事のバトラス・ウィジックと申します。」
『バトラスか。して、バトラスは戦うのか?』
「わたくしは現役は引退した身。歳もありますが、若い方とは違い戦えませんよ。」
「うそぉ……僕と訓練してるじゃん。」
「ほっほ。一緒に走り、トレーニングは日頃の動くためにですぞ。」
「普通に生活するのには、圧倒的なオーバーワークだよ。」
若と呼ばれる魔族から言われ、笑いながら流すバトラス。戦うのを止めない辺りは見るのは好きなのかもしれないな。
「おや?バイザーはあれを使うつもりですかね。」
『何やら魔力を帯びているな。何かするのがバレバレで、ソラヤであれば避けられるだろう。』
「ほほ。あれは回避は出来ませんよ。必ず当たるスキルですから。」
『ふむ。この一撃でどう動くか見ものだな。』
♢
「はぁぁぁ……。」
「あれはなんかやばそう。少し距離を取るか。」
ん?手に何か張り付いた感覚が?
「気づいたか?だが遅い。受けてみよ!グラヴィティ!」
―ドドドン!
3発の黒い球が迫ってくる。距離を取っていたので交わすのも……。
―ッザ!チリ。
「結構余裕見て躱したのに掠った?」
「ふふふ。小さき球と油断してはいけないよ。」
さっきまで距離を詰めて来たのに、今はその場から動かない。そして手に残る引っ張られる感じ……後ろ?
「な!さっきの黒い球!?」
「そうさ。この球は当たるまで追いかけるぞ?」
「っく!」
―ザン、チリ。
さっきよりも速く避けたけどまた掠った。次の攻撃が来る前に、自分のHPを確認する。5,675/7,675って?うげ!2発掠って1,000も減るし。何かしないと必中系か、そうじゃなくても1発なら耐えられる。
ならやることは一つ!
―ガチャ、ッス。ガチャ、チャキ……。
2つの相棒に弾を込める。近距離用は腰に戻す。
「頼むよ、相棒……。」
―ズゥゥン!……パァァン!
「まずは一つ……いくぞ。」
―ズゥン!…パァァン!
「最後一発は!」
―バァァン!
「ぐぅ!!」
「ソラヤ!!」
―タン、ズザァァ。
「いったぁ……HPは……1残った。って事は必中系スキルで、1発6,000位は食らうのか。」
「冷静に分析していて良いのかな!」
はっとなり前を向くと、バトラーさんが近づいてくる。
「驚いた。あれを食らってピンピンしているとは。」
「やば。」
この人は知らない…。僕がVITもMNDも低い事を。
この人は知らない……。受け身と受け流しのスキルに我慢強いから、見た目より中身のダメージがやばい事を。
僕は知らない………。HPが0になったらどうなるか。
いや、考えないようにしているだけか。多分だけど死ぬかな。死なない為には攻撃を避けるしかない。
「っぐ、動かない。」
「あの攻撃は捕らえた相手の動きを封じるのだよ。」
バトラーさんが僕のところに来るまでとても長く感じる。スローに見えるって方が合っているかな?
困ったな。動けないから回復薬も飲めないし。反撃も回避も出来ない。
そして今の僕がHP1で、防御面のステータスを事を知らないリナや他の人達は見ているだけ。
あ、メイクがこっちに走ってきている。でもこの距離は間に合わないかな。遠目だけどメイクだけが、やばい事に気がついてくれている。
ごめんねメイク……。
「ありがとう。」
「ソラヤァァァ!!」
僕はこんな簡単に終わっちゃうのか。目を閉じてその時を待つ。
―バキ。
鈍い音が聞こえた……。
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