少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
145話 気にするから恥じらうのだ。
わいわい向こうで話していて、僕らは放置されている。僕は何事も無い様に無表情を貫いて……。
「では僕達はこれで……。」
「すまんな。つい話し込んじまった。で、誰からやる?俺はそのトカゲ……龍とやりてぇ。」
『ホゥ。主ハ死ニタイノカ?』
トカゲ呼ばわりを隠し切れていない相手に対して、再び怒りを露わにする龍さん。
「ちょ、ちょっと!物騒なのはダメだよ!」
「大丈夫だって。俺は死なない。」
「いやいや、その自身どこから来るのさ。」
明らかフラグっぽい事を発言する人を止める若と呼ばれる少年。あの人の事は知らないけど、龍目の前にして死なない自身は僕には無い。
「ごめんなさい!龍さん!悪気があるわけじゃ無いんです。ソルは少しおバカなだけなんです。」
「若……。」
「あ、ごめんなさい!えっと〜あ〜とにかくです!戦うのは許せても、殺し合いは認めません!」
「若、大丈夫だぜ。俺は死な…「黙る!」……は、はい。」
なんだか必死な少年。言う時は言うらしい。
『其方ガ言ウノデアレバ……ソラヤ、ドウスル?』
「え?僕が決めるの?」
『其方ラモ、戦イハ避ケラレン。ナラバ、コノ案ハ受ケルベキカト思ッテナ。』
「僕も戦うの?」
「「「もちろんです。」」」
少年以外の3人が声を揃えて答える。なぜこうなった?あれか?何事も無い様に僕が考えたからか?声に出してないのに、フラグが成立したと言うのか?
「戦わないって選択肢は?」
「無いな。」
「無いです。」
「ありませんな。」
3人とも即否定。魔族ってこんなに戦闘狂なの?
「始めは龍様と戦うだけの予定でしたが、あの攻撃をしたのが貴方なら是非とも戦ってみたい。」
「そうだぜ。強い奴前にして戦わないなんて、魔族としてありえねぇ。」
「いや、僕人間だし……。」
「ほぅ。人族であるのにあの強さ……ますます興味が出てきましたね。」
余計な事を言ったから、相手をさらにやる気を出させてしまった。もう逃げられない?
「なら、さっきの条件にもう一つお願いしてもいいかな?」
「内容による。」
「メイクは……彼女は戦闘に参加させたく無いんだ。」
「ソラヤ?」
「天使族で片翼とあれば強いはずだが、違うのか?」
「彼女はまだあまり戦闘経験なくて。物を作る方が得意なんだよ。」
「ん〜どうする?」
魔族の4人が話し合いをする。これでなんとかメイクを外せれば……死ななくても怪我をさせたく無いし。
『……。』
龍さんも僕を見て意図を理解してくれたか、何も言わないでいてくれる。メイクは別に戦闘好きな訳じゃ無いから、僕の意見を聞いてくれると思う。
「まぁしょうがないな。生産職や回復師とタイマンしてもしょうがない。」
「ありがとうございます。それじゃお願いします。」
何とかメイクを戦わせないで済んだみたいだ。
「じゃ、早速やろうぜ!トカ…龍は俺がやる。」
―ビキ!
トカゲと言いそうになり、言い直したが龍さんには聞こえてしまったらしい。
『……舐メタ事ヲ言ウ。ソラヤ、始メハ私ガ相手デ構ワンカ?』
「龍さんがそれでいいなら。」
『感謝スル。』
全身から何かが漏れ出している?魔力か闘気か何かだろうか?一応だけど相手を殺さないって再度話しておかないと。
『ソウ言エバ、ソンナ決マリガアッタナ。』
「わ、忘れた無いでね!」
『……コノ姿デハ、加減モ難シイ。』
「はは!俺は構わないぜ!」
「だから、ソル自信はどこから来るのさ。」
考え込む龍に、やる気満々な魔族の人。ソルと呼ばれているけど名前かな?あの少年も色々と大変そうだな。
『仕方ガナイ。アレヲ使ウカ。』
「あれ?」
『見テオレ……ハァァァ!!』
―ボォォン!!
突然見ていろっと言った龍さんが、気合いを入れると辺りが煙に包まれる。
『これなら良いだろう?』
低く響いた龍の喋り方より、聞き取りやすく高い声で……高い声?
煙が晴れていき、そこに現れたのは。
―バサ。
「何で隠すのメイク?」
「見ちゃいけません。」
「バトじぃ。見えないよ?」
「はっは。若も見てはいけません。」
声から察するに、何か見てはいけないものがそこにはあるらしい。メイクの翼を避ければ見れるが、ダメと言われたものは無理に見る気はない。でもどうなったか気になる。
「見ないのは良いんだけど。今どうなっているの?」
「簡単に言うと、龍さんが人間になった。」
「人化?それは凄いけど。見ちゃいけない程の何かがあるの?」
「……服着てないの。」
「……おぅ。」
察した。そこにはきっと僕と向こうの少年が見ちゃいけない何かがあるという事。
「龍さん。何で服とか着てないの?」
『龍の時も我は裸ぞ?』
「そりゃそうだけどさ〜」
『気にするから恥じるのだ。気にしなければ良い。待たせたな、早速戦おうか。』
「……頼む。服を着てくれ。」
『威勢のいい割りにうぶよの。』
「ほっといてくれ。」
メイクが自分のアイテムから着れそうな服を渡す。そして隠された翼が退けられて出てきたのは、青く膝後ろまである長い髪。黒をベースにした袖なしワンピース。
『胸が少しきついが、伸びる素材か?まぁ戦うのに支障はないな。』
「っぐ。私だってそんなに小さくないのに……。」
目の前にいる人はどこからどう見ても、女の人の顔つきに声も少し高い。メイクが胸を気にするくらい、龍さんは大きい。別にそんなのどうでもいいと思うのは、僕が男だからだろう。
「龍さんって女の人?」
『あぁ。行ってなかったか?まぁどっちでも良いじゃないか。』
「ん〜まいっか。」
「おい、もう服着たか?」
『あぁ。しかし戦う相手を前に目を瞑るとか、戦士としてどうかと思うぞ?』
「っぐ。」
確かにな。まぁ今は殺し合いをする訳じゃないから、あの人みたいな態度でも良いのかもしれないけどね。
「あー仕切り直しだ!ん……まずは名乗っておこう。俺は魔王軍兵士長のソル・ビルマ!」
『……名は無い。最古の龍種が1人とだけ言っておこう。』
「無いのか。んー。」
最古の龍種って、もしかしてジルの知り合いかな?龍種の1人か……龍って数え方は人?でも今は人か。
どうでも良いことを頭で考えていると。
「ソラヤが付けちゃえば?私も付けてくれた訳だし。」
『ソラヤ。我に名をくれ。なんか閉まらん。』
「え?突然だな。僕で良いの?」
『構わん。私はお主らを背に乗せるくらい気に入っている。』
突然言われてもなぁ。名前ね……皆んなの視線が僕に集まる。うわぁプレッシャー。
「では僕達はこれで……。」
「すまんな。つい話し込んじまった。で、誰からやる?俺はそのトカゲ……龍とやりてぇ。」
『ホゥ。主ハ死ニタイノカ?』
トカゲ呼ばわりを隠し切れていない相手に対して、再び怒りを露わにする龍さん。
「ちょ、ちょっと!物騒なのはダメだよ!」
「大丈夫だって。俺は死なない。」
「いやいや、その自身どこから来るのさ。」
明らかフラグっぽい事を発言する人を止める若と呼ばれる少年。あの人の事は知らないけど、龍目の前にして死なない自身は僕には無い。
「ごめんなさい!龍さん!悪気があるわけじゃ無いんです。ソルは少しおバカなだけなんです。」
「若……。」
「あ、ごめんなさい!えっと〜あ〜とにかくです!戦うのは許せても、殺し合いは認めません!」
「若、大丈夫だぜ。俺は死な…「黙る!」……は、はい。」
なんだか必死な少年。言う時は言うらしい。
『其方ガ言ウノデアレバ……ソラヤ、ドウスル?』
「え?僕が決めるの?」
『其方ラモ、戦イハ避ケラレン。ナラバ、コノ案ハ受ケルベキカト思ッテナ。』
「僕も戦うの?」
「「「もちろんです。」」」
少年以外の3人が声を揃えて答える。なぜこうなった?あれか?何事も無い様に僕が考えたからか?声に出してないのに、フラグが成立したと言うのか?
「戦わないって選択肢は?」
「無いな。」
「無いです。」
「ありませんな。」
3人とも即否定。魔族ってこんなに戦闘狂なの?
「始めは龍様と戦うだけの予定でしたが、あの攻撃をしたのが貴方なら是非とも戦ってみたい。」
「そうだぜ。強い奴前にして戦わないなんて、魔族としてありえねぇ。」
「いや、僕人間だし……。」
「ほぅ。人族であるのにあの強さ……ますます興味が出てきましたね。」
余計な事を言ったから、相手をさらにやる気を出させてしまった。もう逃げられない?
「なら、さっきの条件にもう一つお願いしてもいいかな?」
「内容による。」
「メイクは……彼女は戦闘に参加させたく無いんだ。」
「ソラヤ?」
「天使族で片翼とあれば強いはずだが、違うのか?」
「彼女はまだあまり戦闘経験なくて。物を作る方が得意なんだよ。」
「ん〜どうする?」
魔族の4人が話し合いをする。これでなんとかメイクを外せれば……死ななくても怪我をさせたく無いし。
『……。』
龍さんも僕を見て意図を理解してくれたか、何も言わないでいてくれる。メイクは別に戦闘好きな訳じゃ無いから、僕の意見を聞いてくれると思う。
「まぁしょうがないな。生産職や回復師とタイマンしてもしょうがない。」
「ありがとうございます。それじゃお願いします。」
何とかメイクを戦わせないで済んだみたいだ。
「じゃ、早速やろうぜ!トカ…龍は俺がやる。」
―ビキ!
トカゲと言いそうになり、言い直したが龍さんには聞こえてしまったらしい。
『……舐メタ事ヲ言ウ。ソラヤ、始メハ私ガ相手デ構ワンカ?』
「龍さんがそれでいいなら。」
『感謝スル。』
全身から何かが漏れ出している?魔力か闘気か何かだろうか?一応だけど相手を殺さないって再度話しておかないと。
『ソウ言エバ、ソンナ決マリガアッタナ。』
「わ、忘れた無いでね!」
『……コノ姿デハ、加減モ難シイ。』
「はは!俺は構わないぜ!」
「だから、ソル自信はどこから来るのさ。」
考え込む龍に、やる気満々な魔族の人。ソルと呼ばれているけど名前かな?あの少年も色々と大変そうだな。
『仕方ガナイ。アレヲ使ウカ。』
「あれ?」
『見テオレ……ハァァァ!!』
―ボォォン!!
突然見ていろっと言った龍さんが、気合いを入れると辺りが煙に包まれる。
『これなら良いだろう?』
低く響いた龍の喋り方より、聞き取りやすく高い声で……高い声?
煙が晴れていき、そこに現れたのは。
―バサ。
「何で隠すのメイク?」
「見ちゃいけません。」
「バトじぃ。見えないよ?」
「はっは。若も見てはいけません。」
声から察するに、何か見てはいけないものがそこにはあるらしい。メイクの翼を避ければ見れるが、ダメと言われたものは無理に見る気はない。でもどうなったか気になる。
「見ないのは良いんだけど。今どうなっているの?」
「簡単に言うと、龍さんが人間になった。」
「人化?それは凄いけど。見ちゃいけない程の何かがあるの?」
「……服着てないの。」
「……おぅ。」
察した。そこにはきっと僕と向こうの少年が見ちゃいけない何かがあるという事。
「龍さん。何で服とか着てないの?」
『龍の時も我は裸ぞ?』
「そりゃそうだけどさ〜」
『気にするから恥じるのだ。気にしなければ良い。待たせたな、早速戦おうか。』
「……頼む。服を着てくれ。」
『威勢のいい割りにうぶよの。』
「ほっといてくれ。」
メイクが自分のアイテムから着れそうな服を渡す。そして隠された翼が退けられて出てきたのは、青く膝後ろまである長い髪。黒をベースにした袖なしワンピース。
『胸が少しきついが、伸びる素材か?まぁ戦うのに支障はないな。』
「っぐ。私だってそんなに小さくないのに……。」
目の前にいる人はどこからどう見ても、女の人の顔つきに声も少し高い。メイクが胸を気にするくらい、龍さんは大きい。別にそんなのどうでもいいと思うのは、僕が男だからだろう。
「龍さんって女の人?」
『あぁ。行ってなかったか?まぁどっちでも良いじゃないか。』
「ん〜まいっか。」
「おい、もう服着たか?」
『あぁ。しかし戦う相手を前に目を瞑るとか、戦士としてどうかと思うぞ?』
「っぐ。」
確かにな。まぁ今は殺し合いをする訳じゃないから、あの人みたいな態度でも良いのかもしれないけどね。
「あー仕切り直しだ!ん……まずは名乗っておこう。俺は魔王軍兵士長のソル・ビルマ!」
『……名は無い。最古の龍種が1人とだけ言っておこう。』
「無いのか。んー。」
最古の龍種って、もしかしてジルの知り合いかな?龍種の1人か……龍って数え方は人?でも今は人か。
どうでも良いことを頭で考えていると。
「ソラヤが付けちゃえば?私も付けてくれた訳だし。」
『ソラヤ。我に名をくれ。なんか閉まらん。』
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