少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

131話 凄い才能。

さてパーティ組んだけど、Lv1のメイクにいきなり戦闘は怖い。
スキルも見た感じ戦闘系は一個もない。
グロウエッグはどんなスキルだろうか……ん?


「経験値上昇ってやばいな。」
「何がやばい?やばいって?」
「すっごい!って事。これあればいけるかな。」
「分かんないけど、それなら良かった。」


【グロウエッグ】戦闘経験値上昇。
パーティを組むと経験値は均等に分配されるみたいだから、このスキルがLvはなんとかなりそう。


他には…生産系がほぼ10ってどんだけ作ればこれだけ行くのか。
その横にあった無限倉庫も、生産者の為にあるようなスキルだった。


【無限倉庫】持ち物の制限がない。


至ってシンプルな説明だけど、この世界でアイテムをいくらでも持てるのは凄い。
と言うか、生産に関してのチートもいい所だ。
こんな凄い能力あるのに、忌子ってだけで追いやられるのはどうなんだ?
この世界の人達は絶対損をしていると思う。


いやでも、もしかしてこのスキルがあるからそんな噂を流すって事も…。
このスキルが公になれば、きっと利用しようとする人もいるんじゃ?


「メイク。自分のスキルは他の人に教えたりしちゃいけないよ。」
「うん?分かった!」
「本当に?」
「うん?ソラヤに聞く!」
「あーまぁそれでいいや。」


相談してくれ流のであれば、後は僕が気をつければいいだけだ。
そんな訳で、早速Lv上げしよう。
洞窟から少し出たところで、周りを見渡す。


「流石はジルの結界。近くには何も寄り付かないね。」
「ジル凄い。」
「あまり歩かないで魔物見つけたいんだけど…ん、あの鳥でいいか。」
「とり〜?見えないよ。」
「まぁちょっと遠いいし、普通の武器じゃ届かないけど。」


―ガチャ。


この風魔弾なら届く。
魔力は200で行けるかな。


「すぅ…はっ。」


―ズゥゥン………




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《ウェイストランド・ウォッチバード Lv51を倒した。765(1,530)の経験値を得た。》
―メイクはLv1→Lv3になった。15ポイント獲得。


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おや?一発で倒せた。
いやいや、それより経験値だよ。
確かこのLvを倒してこれくらい貰ったよな…でも一人で倒したのと変わらないくらい貰えている。
これがグロウエッグのスキルか?


「なんか知らない人から話しかけられた?」
「それはシステムだよ。」
「システム?何それ?」
「何って…そう言えばシステムって何だろうね。」
「ソラヤも分からないの?」


ゲームの世界では常識的なシステムメッセージだけど。
よく考えると、これなんだろう?
世界を管理している何か?神様か何かだって、勝手に納得していたけど。


「ソラヤが分からないなら、不思議な何かなんだね。」
「ん〜そうだね。深く考えてもいなかったよ。」


気にしてもしょうがないけど、このシステムについてはどこかで考える方がいい気がする。
ただ、一人で考えても分からないし、クロイ達と合流してからでもいいだろう。


「まぁいいか。この調子で10まで上げちゃお。」
「私は何もしてないけど?」
「そうだな……。」


ただ待ってるだけだと、確かにつまらない。
今のメイクに出来る事だと。


「そうだ!それならこの弾丸複製できる?」
「分からないけど。元のがあれば?」
「まぁまだ少し余裕もあるし、失敗してもいいから作ってくれると凄く助かる。」
「うん!頑張る!」


洞窟の中に入って、弾丸を眺めるメイク。
さて、僕は僕の出来る事をしようか。






…。


……。


………。




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《ウェイストランド・ウォッチバード Lv51を倒した。765(1,530)の経験値を得た。》
―メイクはLv9→Lv10になった。10ポイント獲得。
―ソラヤはLv23→Lv24になった。5ポイント獲得。


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よし、目標のLv10きた!
なんかついでに僕もLv2程上がっている。


「ソラヤ〜見て〜!」
「ん?どうかした?」


後ろでずっと大人しかったメイクが、声をかけてきた。


「もしかして出来……た……。」
「うん!」


メイクの足元には弾丸の山。


「あ、ごめん。空の弾丸まみれだね。」
「空?違うよ。ソラヤが使ったやつそのまま使って作ったの。」
「作った??」


地面に転がった銃弾を拾う。
確かに撃った後の銃弾ってよりは、新品にも見えるけど。


「これ全部そうなの?」
「うん。ソラヤが撃つの止めるまで同じことしてた。」


同じ事を繰り返して?てか、成功率100%??まじか。


「ちょっと試し撃ちしてもいい?」
「いいよ。」


―ガチャ。


装填した感じは風魔弾そのもの。
いつも使ってたから分かる。
足りない魔力を薬を飲んで回復する。


うっぷ、飲みすぎてお腹タプタプ。


じゃ、狙いは同じやつで。
スコープを除き、この距離なら魔力は18かな。


―ズゥゥン!




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《ウェイストランド・ウォッチバード Lv51を倒した。765(1,530)の経験値を得た。》


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何匹倒したか分からない鳥を撃ち落とす。
何度も同じ敵を狙っていたから、魔力の距離も微調整できた。


「凄い…性能もそのまま。いや、むしろ少しいい気がする?」
「えへへ。作る事は好きなんだ。」
「さすがメイクだね。」
「へへ。」


少し照れた感じのメイク。
長い前髪で隠しているのが勿体ない。


「ちょっとごめんね。」
「ふへ?」


長い前髪を上げてみた。
どんな顔しているのか、興味があったって事もあるけど。


「うん、こうした方が可愛いよ。」
「可愛い?私が??」
「うん。僕はそう思うよ。」
「可愛いって、あの可愛い?」
「どの可愛いか分からないけど。女の子っぽい?なんて言うのかよく分からないや。」
「んーん。ありがとう。」


髪を上げたままのメイクの顔はなぜか赤くなっているように見えた。


「もしかして、物を作って疲れたかな?」
「え?そんな事はないけど?」
「そう?無理はしないんだよ?」
「うん。分かった。」


手に当たるメイクの顔は、やっぱりどこか暖かく感じる。





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