少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

130話 生きている不思議。

お供えと言われたので、一度洞窟の横に置いて手を合わせてみる。


「ソラヤ、帰ってきた。」
「そりゃ、帰ってくるでしょう。ただいま。」
「ただいま?」


あれ?ただいまが通じない。
どこの世界でも知っているものだと思っていたよ。
えっと確かこんな意味だったか?


「帰ってきたよって挨拶だよ。」
「そうなんだ。ソラヤ、ただいま!」
「ただいまは帰ってきた人が言う言葉で、迎える人はおかえりって言うんだよ。」
「ん〜?ただいまにおかえりで、おかえりにただいま??」
「そうそう、そんな感じ。」
「分かった〜」


合ってるか不安だが、伝わればいいんだ。
それより貰った果物食べるとしよう。
ちがうか、お供えものなんだっけ。


「いただきます。」
「いただきます?」


僕の真似をして、手を合わせて同じ言葉を言う。
よく意味は分かってないようだけど。


見た目はみかんのような物をまず手に取った。
これ、皮剥くのか?


「これはこうして食べるの。あーむ。」


そのまま普通にかぶりつくメイク。
へ〜みかんに見えるけど、そのままなんだ。


「なら僕もあーむ……に、苦いね。」
「でも、中は甘いから丁度いい。」


これ絶対皮剥くやつだよね?
これ気にしないの天使だからか?


その後、剥いて食べてみたけど、普通に美味しかった。
人間と魔族だと食文化も違うもんかね。


「あーむ。もぐもぐ。」
「……ここをこうして、あ、剥けるな。」


あれもそのまま?
見た目はバナナなんだけど…いつもの様に皮を剥いて食べてみた。


「あーむ。もぐもぐ。」
「これはそのままでもいけそうだ。あむ。ん、うまい。」


見た目りんご、これは別にそのままでもいける。




そんなこんなで果物を食べきった僕ら。
当たり前のように食べていたけど、これも自然の恵み。


「ごちそうさまでした。」
「ん?ごちそうさまでした!」


僕の真似をして、目を合わせて大きい声で挨拶。
意味は分かっているか分からないけど、これはこれでいいと思う。






さて次は金策だな、まずは一緒にパーティ組んで。


「さて、この辺の敵を倒しつつLvを上げて、旅の資金を貯めます。」
「うん!」
「メイクパーティって組むけどいい?」
「ん?いいよ〜。」


えっと、ここをこーして…これで。


「わわ、なんか見える。これは?」
「多分パーティの誘いのかな。いいならYES、嫌ならNO。」
「いい…よっと。えい!」
「ありがとう。今後の作戦立てたいから、スキルとかステータス見てもいい?」
「ん?何か見るの?分からないけど、別に何をみても良いよ。」
「分かった。」


慣れた手つきでパーティの画面を開く。




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


ステータス アイテム▶︎プロフィール パーティ
―メイク Lv1
年齢/18
職業/神子
スキル/グロウエッグ、錬金Lv10、練成Lv10、鍛治Lv10、彫金Lv10、調合Lv10、採取Lv10、無限倉庫、???


称号/片翼の天使、忌子、錬金術師、錬成術師、付与師、調合師、職人、神の依代


▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ
―HP 25/25・MP 15/15・SP 10/10
―STR/1・DEX/10・VIT/10・AGI/10・INT/10・MND/10・LUK/2
―Lvアップボーナス/0ポイント




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 




お、おぅ。
これは中々痺れる状況だな。


「今までメイクは、ずっとこの辺りにいたの?」
「多分。気がついたらここにいた。」


気がついたら?僕と同じ感じなのか?それとも…。


「戦闘って今までした事ある?」
「ないよ。」
「ないのか。Lv50とかの魔物がいるのに、よく生きてたね…。」
「それは私も思う。いろんな所で寝ちゃうのに。」
「寝ちゃうって?」
「魔物に出会ったりすると、気がつくと寝てるの。」


ん?魔物と出会って寝る?
それって気絶か何かじゃ…でも気絶とかしたら、多分だけど食べられると思う。


「夢なのかな?」
「私もそう思ったの。でも、魔物が目の前にたくさん倒されてたりするから。」
「ん〜誰かが助けてくれてる?」
「分からない。」
「これからもそうとは限らないし、メイクも少し戦う練習しようか。」
「うん。頑張る!」


不思議な事は気になるけど、きっと今考えても分からない。
気持ちは切り替えて、今できる事をやろう。


Lv1か…懐かしいな。
そんな事を考えて、僕はもう一度ステータスを見直した。



「少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く