少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

108話 交通整理で通路確保。

氷で塞がれた道を、クロイの魔法で溶かす。


「ふむ。使ったMPの差ですかね?全体的に少し小さくなったくらいですかね。」
「とりあえず、通れない事には始まらんな。」
「では、一点突破ですね。」


ノータイムで魔法を放つクロイ。


―ゴォォン!ジュゥゥゥ…バリン!!


「きゃ!?」
「ほほ。向こうは見えましたよ?」


―スパン!


「ぐふぅ。」
「ポンポン撃つなよ。びっくりするだろう。」
「も、申し訳ありません…。」


確かに目の前で、あんな火の玉出されたら驚くな。
割と本気でびっくりしたのか、クロイの頭を叩いていい音がした。。
あれ、超痛そう…。


ともあれ、人が通れるようになって良かった。
さて先に行こうか。


「そしたら行こうか。」
「師匠。さっきの蛇どこ行きました?」
「……どこだ?」
「そこの足元で凍っているのじゃない?」


エッジに聞かれすっかりわすれていた蛇の魔物を探す。
お母さんが指す先にいた。


「これでも倒せてないんだ。これってどう言う状態?」
「見てみると…HPは後少ししか無いね。凍結って表記がある。」
「そのまんまか。でもHP減らないんだね。さてこれどうする?」


このままにするか、どうにかして回収するか。
エッジ曰く、蛇は美味しいみたいだし。


「とりあえずですが、この氷はなんとかしないと。もし商人が来たら通れませんし。」
「滅多に人が来ないって言ってたけど?」
「そうなんですけど。多分ここしばらくは人が来ると思いますよ。」
「何かあるのエッジ?」
「ありますよ。レア度Aを2体討伐したパーティが、Lv上げがてら魔物退治を。」


それってどこかで……。


「僕らの事?」
「そうですよ。ここって魔物がいなければ、流通面には便利なルートなんですよ。」
「でも僕らはギルドの依頼等は受けてないから。誰も知られてないかも?」
「そりゃ無いっすね。西口の門番は話を知ってますし。あっという間に広がりますよ。」


やっぱりあの門番は噂の発信源なんだな。
後の人の為に溶かしておこうかって話。


「どうしようか?クロイの魔法?それともいっその事、爆破しちゃう?」
「ソラヤの爆破は選択肢から外そう。クロイこの氷なんとか出来るか?」
「爆破の方が早くて楽だと思うんだけどな。」
「その爆発で地形を変えたら、人が通れなくなるだろう?」
「まぁ…。」
「ほほ。そういう訳です。ここはわたくしが。」
「言っておくが、MP上限は100までだからな。」
「ほほ。分かってましたよ。」






…結局クロイの魔法で溶かしました。


「いつもこんな無茶苦茶なんですか?」
「9割な。」
「ローゼさん、レイランさんみたいっすね。」
「あの人も大変なんだな。」


少し早く歩きすぎたか?ローゼとエッジがだいぶ後ろにいた。


「ローゼ、エッジ。行くよー」
「あぁ。今行く!まぁお陰様で、充実はしているんだがな。」
「まぁ師匠達といれば、きっと楽しいでしょうね。」
「やっと進めるね。」
「そうだな。」


追いついたローゼとエッジに合わせて、僕らは歩きだす。







……


………









「おい。なんだあのふざけた魔力は。」
「私に言われましても。」
「家くらいの氷塊に、ものの1分くらいで溶かす炎。尋常じゃ無いぞ?」
「まぁあいつが噂するくらいの逸材ですし。」
「シーはあそこに居て大丈夫なのか?」
「あれだけの力があるなら、王都の部隊と一緒にいるくらい安全かと。」
「そうなのか!?」


仕事がひと段落して、休憩がてらに外に出た。
そうしたら、前にあの仮面のパーティ。
副隊長にお願いして、あとをつけて来た。


目の前でとんでもない魔法を目の当たりにして、思わず隠れてしまった。
このまま帰っても仕事が手につかないと言い訳をして、尾行は続ける。


「全く…しょうがないですね。」
「ありがとう、副隊長!」


なんだかんだ言って、彼は優しいと改めて思った。
直接は言ってないけど。









「んー…。」
「どうしたソラヤ?」
「いや、後ろに誰か……まぁ悪い感じはしないから。いいか。」


僕らの後ろからついて来る気配があったけど、きっと誰かがこの道を通りたいだけだと思い前に進む事にした。



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