少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

79話 我ら仮面の騎士団!

説教で約2名が怒られる中。
他の仮面の人達が謝ってくる。


「君達には迷惑をかけました。申し訳ない。」
「いえ、僕らは別に。皆んな怪我してませんし。」
「しかし、セブンもマスターも弱くないはずだけど。よほど統率のとれたパーティなのだな。」
「パーティ増えたりはしましたが、基本は同じメンバーですからね。」
「そうか。」


僕に声をかけてきたのは、額に漢字で三と書かれた仮面の人。
エッジは七って書いてあったから、この人は偉い人なんだろうか。
それとも強さ順?


エッジとおじさんの戦闘で怪我ひとつない話をして、統率のとれたパーティと言ってくれた。
まぁ統率はとれていると思う。
役割がそれぞれであるし、未だに苦戦してないし。
てか、僕しか戦って無いけど。


「どうかしたか?」
「あーいえ……やっぱり、一ついいですか?」
「あぁどうぞ。」
「仮面の数字って何か意味があるの?」
「ん?クランに入った順番くらいだな。別に俺が三だからどうこうは無い。一とニは別だが。」


クラン『仮面の騎士団』って事で、皆んな任務中はこの仮面を着けていると教えてくれた。
一はあのおじさんで、マスターらしい。でもここに来た時、仮面無かったけど。
二はサブマスター。あそこで2人にお説教をしている人。
それ以降は、ただ加入順という事で意味は無いみたいだ。


説教を終えた二の人が戻ってきた。
おじさんとエッジは、正座していて足が痺れたか立てずにいた。


「ソラヤさん。改めまして、うちのマスターとセブンがお世話になりました。申し訳ありません。」
「いえいえ。さっきも三の人に言いましたが、僕らは誰も怪我してませんので。」
「それも聞きましたよ。あの2人相手にお一人で、しかも無傷とは素晴らしいです。」
「へ?1人?」
「そうですよ。セブンもマスターも、ソラヤさんに手も足も出ませんでした。」
「はぁーそりゃすげー」


三の人がジロジロ見てくる。なんだろうこの感じ…


「レイさん、レイさん。」
「なんです?」
「これから王都に行っても、時間外でいれたくれないよね?」
「ん…そうですね。馬を飛ばして間に合うかどうかですね。」
「それなら、ここに一緒に野営した方がいいよね?」
「見張りも多いと交代できますからね。って事なんですが、どうでしょうソラヤさん?」
「王都に入るのに時間が決まっているって知らなかったよ。ちょっとメンバーと相談してくる。」


馬車に戻り皆んなに相談する。
特に反対意見なく野営が決まった。


「大丈夫です。僕らもここで休んで明日出発します。」
「よっしゃ!!」
「ピース、何がそんなに嬉しいのですか?」
「だってレイさん。まだ寝るには早いよな?って事でソラヤ君!俺と手合わせお願いできないかな!」
「ピース…珍しく気が回ると思ったら。」
「マスターとエッジが手も足も出ないんでしょ?戦士なら戦いたいでしょう。どうかな?」
「僕は別に構いませんが、他の方も全員とかは嫌ですよ。」
「「「!!!」」」


後ろで静かに立っていた3人から、僅かに戦いたいオーラが見えた気がしたから釘を刺しておいた。


「レイさん。ピースだけずるい。僕も戦いたい。」
「私も!馬で走ってきただけなんてつまらないよ!」
「……(こくこく)」


「なんか一気に増えたね。」
「ナイトか。どうかしたの?」
「ソラヤが面白そうな事を、独り占めしてる気がしたから来た。」
「独り占めって……そうか、戦いたい人て手を挙げて!」


―バ!


「僕ら陣営は、ナイト、シー、ローゼ…って珍しいね。」
「強い戦士と戦える機会は貴重だからな。」
「まぁ僕もそのつもりだから、同じ意見かな。」


こっちは僕とナイトとシーとローゼ。
お父さんとお母さんにクロイは、夕食準備があると参加しないらしい。


「そっちの…仮面の人達は全員だね。名前は…?」
「ぬ?そう言えば名乗ってなかったな!挨拶ついでに名乗らせて貰おう!エッジ。」
「え?あれやるんすか?でも俺、仮面壊れまして…。」
「…(っす)。」
「流石っすね…はぁ。」


紹介がてら挨拶ってなったけど、仮面が壊れたからどうのって…僕が壊したんだな、ごめん。
横からすっと仮面を渡す人。
渋々仮面を着けるエッジ。


「クラン『仮面の騎士団』!第七席!刀のセブン・エッジ!いざ参る!」
「第6席…槌のシックス・スタン。壊す…。」
「クラン『仮面の騎士団』第五席!槍のファイブ・ピィアス!貫いてあ・げ・る。」
「クラン!『仮面の騎士団』第四席!双剣のフォー・ダブル!僕が相手だ、かかってこい!」
「クラン『仮面の騎士団』第三席、剣のスリー・ピース。さぁ始めましょう。」
「第二席…杖のトゥー・レイラン。終わりにしましょう…。」
「クラン!仮面の!!騎士団!!!団長!!!!大剣のワン・ボックス!!!!!俺がぶった切ってやるぜ!」


「「「「………。」」」」


後ろで戦隊モノの爆発でもありそうなあれだ。
僕らは言葉を失った…っと思っていた。


「カッコいい!ソラヤ!私達もあれやろう!」
「いいわねぇ〜こう、ぐっと盛り上がる感じがするわ。」
「ソラヤ…。」
「え?やらないよ?なんなら格闘ペアの2人で作ったら?」
「「えぇ〜……それでもいいか。」」


2人はコソコソ隠れて相談をし始めた。
ローゼはホッとした表情でいたから、やりたくない派なんだろう。
僕だってあれは嫌だ。


「ははは!気持ちいいぞ。なんならソラヤも、うちのクランにどうだ?」
「クランについて何も分からないですし、今はこのままでいいです。」
「そうか?まぁ入りたければ言ってくれ。王都に拠点があるのでな。」
「ん〜王都は行ったことないので、場所が分かりません。」
「なら、誰かに案内させよう。エッジ、しばらくソラヤ達に着いていけ。」
「あ。はい。」


しばらく着いてくるって行ってたけど、許可を貰う手間が省けたか。
正直言って、広い王都を案内無しは厳しいと思っていた。
また下手に裏路地行って絡まれるにも嫌だし。


「後の事はいいとしてだ。手合わせ始めようぜ。」
「そうですね。そちらは7人で、こっちは4人か。後3人いればな…。」


全員で野営の支度をしている3人に目がいく。


「「「ん?」」」


野営の準備は、後で皆んなでやればいいかな?
順番にするのも時間かかるし、7対7での戦闘なら連携も確認できるし。
対人戦の訓練にもなるって事で、お父さん達にも参加をして貰う事にした。


「面白い!我ら『仮面の騎士団』!全力でお相手をしよう!」
「僕らも負けるつもりはないから。」


全員は、それぞれの武器を構えてやる気満々。


僕はそこである事に気がついた。
僕ら防御が紙な子多くて、相手はほぼ武器持っている事に。
今更言い出せない感じなんだけど。


少しの不安が残る中、戦いは始まろうとしていた。



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