少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
80話 7対7の模擬戦①
7対7の模擬戦と言う名の戦いが、始まろうとしていた。
と言っても、細かいルールは決めていない。
ゲームみたいにHP何%以上減らないとかの安全はない。
これ、まずかったか?
向こうが武器を構えた段階で、それに気がついた僕。
いつも以上にに気を使わないと。
特に僕とシーとクロイとお母さんは1撃も貰えない。
向こうも乗り気だし、何かその辺の考えでもあるのかな?
「先手必勝です。七、四。前へ!」
「師匠参ります!」
「ふふ。僕の速さについてこれるかなー」
考えるより動くしかないか。
「お父さん、シー、ナイトは左。僕が右に行く、ローゼは僕がぶつかるまで後ろに、後左のフォローして。クロイはお母さんよろしく。」
「お任せを。」
「「さぁ踊りましょう!我々、拳の姉妹がお相手しましょう!」」
「さっきの本当に考えていたのか…あ、了解だソラヤ。」
「ほほ。カッコいいじゃないですか。」
「死ななきゃ治せるから、適度に頑張って〜」
一旦は皆んなに指示は出したけど、この2人しか来てないから動きを見ておかないと。
シーとナイトの決め台詞は、一旦置いておこう。
「ゴウさんの守りは見てますので、真正面からは…」
「ヒート…ショット。」
―ッボ、ゴォォ!
「うわぁ!あっぶな。ナイトさん魔法使えたの!?」
「使えないとは言ってないわよ。」
ナイトはクロイの猛特訓の末に、拳の魔法を飛ばせる様になっている。
魔物討伐の時は使っていなかったから、拳のみの格闘スタイルとエッジが勘違いをしていた。
一瞬反応が遅れたが、横に躱し当たらなかった。
「油断しましたが当たらなければ!」
「あら?脚を止めても良いのかしら?」
「!!」
「盾が待つとは決まっていないぞ。」
―ガキン!
避けて脚を止めた事で、走っていたお父さんはエッジの前まで来ていた。
盾を突き出し無理やり刀で防がせる。
「セブン!後ろに飛べ!!」
「っく。」
―ビュゥゥン!!
「ふふ。飛べはダメだよ。空中じゃ避けられないよ?」
―ドゴッ、バギィィ……ドン、ドザァァァ。
盾の陰から飛び出したシーは左手を突き出した。
それに気がついていた、レイランさんは咄嗟にエッジに指示を出す。
すぐさま反応出来るエッジは正直凄い。
シーの一撃を後ろに飛ぶ事で回避した。
そして地面に着地する前に、シーの右手がガラ空きな体に入る。
「っぐ、グフゥ!」
「セブン!大丈夫…では無いか。」
「油断しました。一撃でこれとは…。」
「私の指示ミスだ。すまん。」
「いえ、俺も始めから間違えてましたから。」
お?エッジは気がついたかな?
ナイトがわざと右寄りに魔法を放った事を。
お父さんがわざわざ声を出し、自分に注目を集めてシーを隠していた事を。
左から攻撃して、全ては本命の右ストレートの布石であった事を…。
「俺はまだまだ経験不足です。」
「そこで見てください。私が勝利で貴方の次に繋ぎましょう。」
「はは、レイさんカッケーっす。」
初手はまずまず。
ちなみにだけど、魔法を右に無理に避けたり、斬り伏せた場合はローゼに捕まっていただろう。
7対7とは言え、こっちは接近戦出来る人が少ないから数は減らしておきたい。
「っせ!っは!せい!」
「よっ、っは、っと。」
さて、こっちもなんとかしないとか。
双剣の4番目の人…ダブルさん。
距離を詰めては連撃、そして距離を少しだけ取るのヒット&ウェイ戦法だ。
相手の動きを知る為に、僕は始めに何個か試している。
双剣は知る限りでは、手数の多い攻撃もしくは投擲してくるか。
僕は剣を投擲するか確認の為に、数個石を弾いてみた。
それは避けられ、刀で弾かれた。
そして更に加速して、首元狙い一本の剣が振るわれる。
僕が武器を持たないからって、あからさまだし。
屈んで躱した僕の顔の目の前に、もう一本の剣で追撃をしてくる。
―ギィン!
アイテムから出したのは銃。
銃の素材は鉄なので剣を受けるくらいは出来る。
本来ならこんな使い方しないんだろうけど。銃剣って訳じゃないし。
ここからもう一度追撃をしようとするダブルさん。
僕は更に屈み、足払いをする。
上には飛ばず、後ろに下がられた。
いい感してるな、上に飛べば終われたのに…。
「危ない危ない。その笑みからすると、僕飛んでたら撃たれてた?」
「凄い戦闘の感です。距離を開けたくないから飛ぶか耐えるかと思ってました。」
「僕も驚いたよ。銃をそんな使い方する人見た事ないもん。」
楽しそうに話すダブルさん。
銃を出したのに距離を詰めてこない。
それじゃ、1発かましますか。
「さて、向こうも1人倒したみたいだし。」
「みたいだね。」
「次の相手もこっちに来てるから、もう少し減らしておきたいんだ…。」
ダブルさんの後ろにはまだ5人もいる…。
―ガチャ、ズゥゥゥン!
「おっと!リロードからの発射早いね。でも狙いがまだまだかな。まぁ構えてからだと僕は避けられるけど。」
「……っふ。」
「その笑みは…」
―ドン、キラッ、ドォォン!!
「な!爆発ぅ!」
「……。」
聖魔弾を後ろの木に当て吹き飛ばす。
そして、気配と音を消し相手まで近づく。
―カチャ、ボォォン!
「っきゃ!!」
「……きゃ?」
真下に滑り込んだ僕は、仮面に向けてエッジにやった空弾を撃った。
その際出た声が……っきゃって言った?え?女の子なの?僕って言ってたよ?
地面に倒れ頭を譲り起き上がるダブルさん。
後ろからは倒れてくる木。
「クラクラするぅ…。」
「あのままじゃ、木に潰されるな…しょうがない。」
「え?」
―ドシィィン!
倒れてくる木を避けられそうにない。
僕はダブルさんを抱え、その場を離脱する。
「え?え?」
「ごめんね。ちょっと威力強すぎたかも。」
「あ、いえ、大丈夫です。」
爆破した木が倒れてくるのを全員で見ていたらしく、戦闘は止まっていたので、離れた所にある馬車に連れてダブルさんを降ろす。
「ここなら戦闘も見えると思う。無理はせず休んでてね。」
「は、はい。」
「じゃ、再開しますか。」
「あの!」
「ん?」
「ありがとう…。」
「いえいえ、どういたしまして。」
「!!!」
お礼を言われたので、どういたしましてって言ったけど、元は僕のせいなんだよな。
「カッコいい…。」
「ブルームは良いとして、あれはもしや…。」
「惚れたわね…お姉さんはブルームを応援するわよ。」
「空ちゃんは罪作りね。」
「何か言った?」
「「「なんでもない。」」」
ローゼとナイトとお母さんがハモる。
僕何かしただろうか?あ、もしかして聖魔弾怒られる?
覚悟をしてローゼの元に戻る。
「これで2人減らせたな。後は向こうがどう出てくるかだな。」
「あれ?怒られない?」
「ん?あー聖魔弾か。別に被害がないなら構わんよ。」
「そうか……。」
「言っとくが、動かん向こうの陣形に撃ち込むのは却下だぞ?」
「最近ローゼに心眼のスキルがあるのでは?って思うところがある。」
「ソラヤが読みやすいだけだ。」
気になった時にローゼのスキル欄を見るが、心を読むみたいなスキルはない。
僕は読まれやすいのか?
読まれないようにするスキルとか無いかなって思う。
ともかくこれで5対7になった。
有利になっているが、向こうにはあのおじさん…ブロックさんがいる。
遠距離攻撃に警戒もしないといけないし、次はどんな手で来るかな。
ワクワクした気持ちで僕は待ち構える事にした。
と言っても、細かいルールは決めていない。
ゲームみたいにHP何%以上減らないとかの安全はない。
これ、まずかったか?
向こうが武器を構えた段階で、それに気がついた僕。
いつも以上にに気を使わないと。
特に僕とシーとクロイとお母さんは1撃も貰えない。
向こうも乗り気だし、何かその辺の考えでもあるのかな?
「先手必勝です。七、四。前へ!」
「師匠参ります!」
「ふふ。僕の速さについてこれるかなー」
考えるより動くしかないか。
「お父さん、シー、ナイトは左。僕が右に行く、ローゼは僕がぶつかるまで後ろに、後左のフォローして。クロイはお母さんよろしく。」
「お任せを。」
「「さぁ踊りましょう!我々、拳の姉妹がお相手しましょう!」」
「さっきの本当に考えていたのか…あ、了解だソラヤ。」
「ほほ。カッコいいじゃないですか。」
「死ななきゃ治せるから、適度に頑張って〜」
一旦は皆んなに指示は出したけど、この2人しか来てないから動きを見ておかないと。
シーとナイトの決め台詞は、一旦置いておこう。
「ゴウさんの守りは見てますので、真正面からは…」
「ヒート…ショット。」
―ッボ、ゴォォ!
「うわぁ!あっぶな。ナイトさん魔法使えたの!?」
「使えないとは言ってないわよ。」
ナイトはクロイの猛特訓の末に、拳の魔法を飛ばせる様になっている。
魔物討伐の時は使っていなかったから、拳のみの格闘スタイルとエッジが勘違いをしていた。
一瞬反応が遅れたが、横に躱し当たらなかった。
「油断しましたが当たらなければ!」
「あら?脚を止めても良いのかしら?」
「!!」
「盾が待つとは決まっていないぞ。」
―ガキン!
避けて脚を止めた事で、走っていたお父さんはエッジの前まで来ていた。
盾を突き出し無理やり刀で防がせる。
「セブン!後ろに飛べ!!」
「っく。」
―ビュゥゥン!!
「ふふ。飛べはダメだよ。空中じゃ避けられないよ?」
―ドゴッ、バギィィ……ドン、ドザァァァ。
盾の陰から飛び出したシーは左手を突き出した。
それに気がついていた、レイランさんは咄嗟にエッジに指示を出す。
すぐさま反応出来るエッジは正直凄い。
シーの一撃を後ろに飛ぶ事で回避した。
そして地面に着地する前に、シーの右手がガラ空きな体に入る。
「っぐ、グフゥ!」
「セブン!大丈夫…では無いか。」
「油断しました。一撃でこれとは…。」
「私の指示ミスだ。すまん。」
「いえ、俺も始めから間違えてましたから。」
お?エッジは気がついたかな?
ナイトがわざと右寄りに魔法を放った事を。
お父さんがわざわざ声を出し、自分に注目を集めてシーを隠していた事を。
左から攻撃して、全ては本命の右ストレートの布石であった事を…。
「俺はまだまだ経験不足です。」
「そこで見てください。私が勝利で貴方の次に繋ぎましょう。」
「はは、レイさんカッケーっす。」
初手はまずまず。
ちなみにだけど、魔法を右に無理に避けたり、斬り伏せた場合はローゼに捕まっていただろう。
7対7とは言え、こっちは接近戦出来る人が少ないから数は減らしておきたい。
「っせ!っは!せい!」
「よっ、っは、っと。」
さて、こっちもなんとかしないとか。
双剣の4番目の人…ダブルさん。
距離を詰めては連撃、そして距離を少しだけ取るのヒット&ウェイ戦法だ。
相手の動きを知る為に、僕は始めに何個か試している。
双剣は知る限りでは、手数の多い攻撃もしくは投擲してくるか。
僕は剣を投擲するか確認の為に、数個石を弾いてみた。
それは避けられ、刀で弾かれた。
そして更に加速して、首元狙い一本の剣が振るわれる。
僕が武器を持たないからって、あからさまだし。
屈んで躱した僕の顔の目の前に、もう一本の剣で追撃をしてくる。
―ギィン!
アイテムから出したのは銃。
銃の素材は鉄なので剣を受けるくらいは出来る。
本来ならこんな使い方しないんだろうけど。銃剣って訳じゃないし。
ここからもう一度追撃をしようとするダブルさん。
僕は更に屈み、足払いをする。
上には飛ばず、後ろに下がられた。
いい感してるな、上に飛べば終われたのに…。
「危ない危ない。その笑みからすると、僕飛んでたら撃たれてた?」
「凄い戦闘の感です。距離を開けたくないから飛ぶか耐えるかと思ってました。」
「僕も驚いたよ。銃をそんな使い方する人見た事ないもん。」
楽しそうに話すダブルさん。
銃を出したのに距離を詰めてこない。
それじゃ、1発かましますか。
「さて、向こうも1人倒したみたいだし。」
「みたいだね。」
「次の相手もこっちに来てるから、もう少し減らしておきたいんだ…。」
ダブルさんの後ろにはまだ5人もいる…。
―ガチャ、ズゥゥゥン!
「おっと!リロードからの発射早いね。でも狙いがまだまだかな。まぁ構えてからだと僕は避けられるけど。」
「……っふ。」
「その笑みは…」
―ドン、キラッ、ドォォン!!
「な!爆発ぅ!」
「……。」
聖魔弾を後ろの木に当て吹き飛ばす。
そして、気配と音を消し相手まで近づく。
―カチャ、ボォォン!
「っきゃ!!」
「……きゃ?」
真下に滑り込んだ僕は、仮面に向けてエッジにやった空弾を撃った。
その際出た声が……っきゃって言った?え?女の子なの?僕って言ってたよ?
地面に倒れ頭を譲り起き上がるダブルさん。
後ろからは倒れてくる木。
「クラクラするぅ…。」
「あのままじゃ、木に潰されるな…しょうがない。」
「え?」
―ドシィィン!
倒れてくる木を避けられそうにない。
僕はダブルさんを抱え、その場を離脱する。
「え?え?」
「ごめんね。ちょっと威力強すぎたかも。」
「あ、いえ、大丈夫です。」
爆破した木が倒れてくるのを全員で見ていたらしく、戦闘は止まっていたので、離れた所にある馬車に連れてダブルさんを降ろす。
「ここなら戦闘も見えると思う。無理はせず休んでてね。」
「は、はい。」
「じゃ、再開しますか。」
「あの!」
「ん?」
「ありがとう…。」
「いえいえ、どういたしまして。」
「!!!」
お礼を言われたので、どういたしましてって言ったけど、元は僕のせいなんだよな。
「カッコいい…。」
「ブルームは良いとして、あれはもしや…。」
「惚れたわね…お姉さんはブルームを応援するわよ。」
「空ちゃんは罪作りね。」
「何か言った?」
「「「なんでもない。」」」
ローゼとナイトとお母さんがハモる。
僕何かしただろうか?あ、もしかして聖魔弾怒られる?
覚悟をしてローゼの元に戻る。
「これで2人減らせたな。後は向こうがどう出てくるかだな。」
「あれ?怒られない?」
「ん?あー聖魔弾か。別に被害がないなら構わんよ。」
「そうか……。」
「言っとくが、動かん向こうの陣形に撃ち込むのは却下だぞ?」
「最近ローゼに心眼のスキルがあるのでは?って思うところがある。」
「ソラヤが読みやすいだけだ。」
気になった時にローゼのスキル欄を見るが、心を読むみたいなスキルはない。
僕は読まれやすいのか?
読まれないようにするスキルとか無いかなって思う。
ともかくこれで5対7になった。
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