少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

49話 魔導を極める者。

皆んなが戻ってきて、買えなかった武器と行ってない魔法屋に行く事になった。


まずは魔法屋の店主に会いに家まで行った。


「ローゼさんだ〜ばっちゃんなら、店に行ったよ。今日は何かお客が来そうだとか行って。」
「ばっちゃんは相変わらず読めないな。」
「え?何?預言者なの?」
「そういう訳では無いが、昔から勘が鋭いというか。」




店に行くと明かりが…見えないけどやってるのか?




「ばっちゃん。いるか?」
「おぉ。ローゼちゃん。久しぶりねぇ〜。今日も店は無事開けてるわ。」
「元気そうで何よりだよ。」


「ほほぅ。ここが魔法屋…。」
「むむ!お主…魔導師じゃな。」
「分かるのですか?」
「私も魔導を少し噛んでるからのぉ。」




まぁクロイは見た目、魔導師ぽくしたからなぁ〜
普通の格好だったら、見て分かんないだろう。




「坊や。見た目で分かるだろうって思ったじゃろう?」
「うわぁ!バレた。」
「ほっほ。信じられんかも知れんが、私は人に流れる魔力が見えるのでねぇ。」
「そうなんだ。それは凄いね。」
「おや?坊やは私の言う事信じるのか?」
「信じるけど?だって嘘をつく人には見えないし。」
「ほっほ。素直な子だのぉ。」




素直とか言われてもな〜もっと信じられない様なスキル持ってるし。
魔道士かどうか、魔力が見える人がいたって不思議では無い。
それより、今日は客が来そうだとか、僕の考えてる事がバレた方に驚いている。
何でだろう?それもスキルなのかな?
魔法屋の店主は、僕と目が合うとニヤリと笑う。怖いな。




「今日は、何か用があったんじゃ無いか?」
「ほほ。そうでした。魔法屋に来たことがないので、どんなものかと。」
「今の時代魔法屋も珍しく無いぞ。魔法薬から魔導書、魔法の武器や装備なんでもあるぞ。」
「魔導書はどの様なもので?」
「魔法のイロハを書いた本さ。読めば素質さえあれば使えるだろうて。」
「因みにお幾らで?」
「教科書みたいなもんだ。銀貨1枚でいい。」


「あれ、意外に安いな。」
「そりゃそうさ。この手の物は、昔から複製されてるからのぉ。」
「複製ね〜別に中身の価値を考えると、もっと高くてもいいはずなのに。」


思ったより安いな。銀貨1枚なら買っちゃおう。


「魔導書って何冊あるの?」
「何冊とは?在庫は5冊あるが、全部同じものじゃぞ?」
「あれ?そう言うのって、属性ごととか、上下巻ってあるんじゃ?」
「ないない。魔導書はあくまで、歩み始めた者の為じゃ。上位魔法や古代魔法は、王都の図書館管理なんじゃよ。」
「それじゃ、これ一つで全属性使える様になるの?」
「たっはっは。それよりは無いな。人には魔力の性質があるんじゃ。大体のものは1つじゃ、いても2つじゃろう。」




あれ?そうなるとクロイは、これ買っても覚えない?
まぁいいや。クロイ本好きだし、魔法のヒントや説明にも使えるでしょう。




「じゃ、1冊下さい。」
「ほほ?ソラヤいいのか?買っても、もう魔法増えないかも知れんぞ。」
「いいよ。そもそも本好きでしょ?読んでみなよ。」
「えぇ。ありがとうございます。それでは………。」
「いや、別に今ここで読めとは…まぁいいか。」


貰ってすぐ椅子に座り、読み始めたクロイ。
喜んでもらえたみたいで何よりだ。


「もう増えんとは、そこの坊やは今いくつ魔法が使えるのじゃ?」
「今は火と水の2つだよ。」
「火と水とは、随分珍しい組み合わせじゃ。それだけでも十分通じるだろうて。」


「…ふむ。成る程。」
「どうかしたクロイ?」
「いえ、この書籍を書いた方はすごいなと……風よ…。」


―ビュゥー…




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


―クロイは魔法【風魔法Lv1】を覚えた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


「ちっさい竜巻?これって風?さらっと覚えたね。」
「ですな。家の中なので極力抑えてますが。」
「な!3つ目の属性じゃと!」
「土は外でないとですな。雷は…指から指に…。」


―パチッ!




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


―クロイは魔法【雷魔法Lv1】を覚えた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 




「お。雷もいけたね。てか属性いくつあるの?」
「この魔導書には7つとありますね。火、水、風、雷、土に光と闇。」
「4つ目…。」
「土は後でいいけど、光は出来んじゃない?」
「ここに書いてる感じですと、危ないと思うので、外でしてみようかと。」
「な、な、なんと言う事じゃ…。」


「ばっちゃんどうした?」
「私の想像以上で…こんなたまげたのは久々じゃ。」
「ここで見るものも武器もまだ見たいね。後でいいかな?」
「武器持つにも、どの属性を重視するかで変わるぞ。」
「そうなのか。なら外で試してみようよ。」
「ほほ。わたくしも気になるので試してみたいですね。」




そんな訳で店を皆んなで出た。


「土魔法って地面どうにかなりそうだけど、いいかな?ローゼ。」
「別にいいんじゃないか。始めなんだし少し盛り上がるくらいだろう?」
「ローゼさん。クロイのスキル侮ってはいけませんよ。」
「クロイさん、ゴー!」
「あ、ちょっとシー。」
「壁を!」


―ドゴォォォォン!!!


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


―クロイは魔法【土魔法Lv1】を覚えた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 




「うわぁ…クロイ。容赦無いな。」
「おや?外なので少し開放的になりました。」
「土もか…魔導を全て極めると言うのか?」


店主が、どんどんテンションが下がっていく。
違うか?下がっていると言うよりは、ついていけてないかも。


「光は危なさそうなので、空に撃ってみよますね。」
「なんじゃ、出来る前提なんじゃな……。」
「ほほ。こう言うのは、自身を持ってやるんですよ。頭にイメージして…発射!」


―キラッ…ビュー……。




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


―クロイは魔法【光魔法Lv1】を覚えた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 




「出たね。なんか凄いかっこいいなそれ。」
「光だと!?」
「このまま闇も、いっちゃいましょう……ダーク!」


―………。


「おや?これだけ出来ないのでしょうか?」
「いや、何か変な感じがするけど……クロイ、どんなイメージで使った?」
「ダークに関しては、闇で夜をイメージしました。」
「随分規模のでかいイメージだね。そうだ。MPどんだけ減った?」
「今は100くらいしか残って無いな。」
「あれ?結構減ってるな。」


ダークは闇で夜をイメージしたって事は空に……なんか違和感が。
さっきお昼食べたばかりだから、こんなに暗くなるのはおかしい。


「あっちは明るいけど、ここの周りだけ暗いな。」
「な!この魔力は!早くこれを解きな!」
「何か問題があるの?」
「魔力の流れがおかしのじゃ。これは…何か来るぞ!」
「え?」


―ゴゴッ……ズズ、ズン。


「うわっ。何か手が出てきた。」
「ダークって何か召喚系なのでしょうか?」
「…お主ら冷静すぎじゃろ。」


「栄理。下がれ。」
「あら、カッコいい事言うわね。」
「茶化すな。危ないだろ。」
「ふふ。は〜い、あなた。」


「このパーティは、ソラヤだけかと思ったけど、全員落ち着きすぎだな。」
「そうだね。手だけしか出てきてない、今が攻撃チャンスなのにね。」
「お、おう。ブルームさんはドライだな。」
「そうかな?」


黒い雲の切れ目から手が出てきいる。
かなり大きい様な気がするけど敵かな?
お母さんにこそっとスキルで見てもらったけど、手だけだと分からないらしい。


「ソラヤ、どう思います?」
「まだ手だけだから何とも。お母さんも見えないって言ってるし。僕もスキル反応しない。」
「敵味方問わず、攻撃しますか?光魔法なら届きそうですぞ。」
「それって酷くない?呼んだのクロイでしょう?」
「まぁそうですが。」


よく分からないけど、悪い感じはしない。
あれが何かは分からないけど、こちらから先制を取るつもりはない。
しばらくはここで、様子見する事にした。



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品