少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

45話 ギルマスとギルドマスター

固まる事数分。ローゼさんが戻ってきた。


「こ、これは何だ?」
「何とは?」
「このステータス…。」
「VIT1しかないでしょ?」
「そこもそうだが、私が言いたいのはLUKだ。」


やっぱりそこ気になるよね。
女神様も凄く驚いてたしなぁ。


「簡単に言うと、元々の100にスキルでプラス100の200なんだって。」
「200!?そんな人間がいるのか!」
「あーうん。ここに。」
「シールド・ボアの戦闘の時に、一人だけ衝撃がおかしいとは思っていたんだが。」


そんなおかしかったかなー?
当たった感覚は凄いけど、実際のダメージはシーの方が出てるはず。


「実際はSTRもDEXも高くないから、そんなダメージ無いはず。」
「なんか強いのか、弱いのか分からんステータスだな…。」
「まぁこれも使い様によってだからね〜」
「しかし、先程森に入った時、こちらのボア1匹に対してウルフ2匹倒していたよな?」
「あれは、頭狙ってるからね。流石に頭に石貫通して、生きてる様な魔物はいないと思う。」
「そ、そうだな。」


シールド・ボアは頭硬かったし、ゾンビとかおばけじゃない限り、なんとかなる気がする。
あとドラゴンもダメか。ジルも痛いとは言ってたけど、倒せる感じは全然なかった。
そうなると、もっと攻撃力ある方がいいかな…。


「うーむ…AGIも高いから、魔物の攻撃も当たらない。だからVIT上げないんだな。」
「そうそう。それに回避だけじゃなく、石の速度上げられたり出来るし。しばらくはAGIに振るつもり。」
「最後のスキルで必中系の攻撃も対処できるだろう。DEXがあればいいと思うが、武器によるしな。」
「僕に武器必要だと思う?」
「このSTRだと近接武器はない。DEX上げるなら弓やボウガン。維持費がかかるが銃ならAGIあげれば良い。」
「やっぱりそうなると銃か…。」


遠回りするつもりはないから、やっぱり銃が良さそうだ。
でもあれ揃えるのに金貨1枚って…しかも買った後の弾丸一つ銅貨1枚って言ってたよな〜。
お金投げて戦う様なもんだ。一文無しだった僕らのパーティでは、まだ手の届かないものだな。


「う〜ん。中途半端は1番ダメだから。もうしばらく石でいいか。」
「まぁ焦ることは無いだろう。ソラヤさん達は、まだまだこれからなんだから。」
「分かった。」


話もある程度終わって、僕らは宿に帰ろうと地図をしまい席を立つ。
王都への道のりは確認できた。
後は強くなるため頑張る。




「あ、ギルマス。お話終わりました?」
「あぁ。どうしたアリー?」
「先程の魔物の換金どうします?って話です。」
「そう言えば忘れてたな。」
「ウルフ2匹分で銀貨4枚です。すぐお渡し出来ますけど、どうしますか?」
「終わってるなら、払っておこう。そのまま渡して大丈夫か?」
「あ、はい。アイテム入れてるんで。」


これで銀貨5枚と銅貨4枚を持ってる事になる。
宿に泊まる分は、余裕で稼げたな。良かった。


「ねーねーソラヤ。大きいボアどうする?」
「あ。忘れてた。ローゼさん、シールド・ボアも良いですか?」
「それなら、さっきの場所に置いておいてくれ。換金には時間がかかるだろうから、明日取りにくれば良い。」
「分かりました。じゃ〜今日は宿戻って休みますね。」
「あぁ。明日からよろしく頼む。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「ローゼさん、またね!」
「早いけど、おやすみなさい。また明日ね。」
「ローゼさん、明日からよろしくお願いします。」
「ローゼ。少し疲れている様に見えます。しっかり休んだ方がよろしいかと。」
「あーうん。気遣い感謝だ。ではまたクロイ。」
「はい。また明日。おやすみローゼ。」


僕らは宿に戻って休む事にした。
戦いって気がつかないところで、精神が疲れるって言うし。











新しいパーティに入って、いったん別れた。
そう言ってもパーティに加入したから、明日も会うんだがな。
ローゼは訓練場に向かって行った。何やらスキップしてる?


「ギルマス、なんか嬉しそうですね。」
「今まで仲間とかいなかったからな………それとギルマスは俺だアリー。」
「それだけじゃ無いかもですよ。」
「それだけじゃ無いと言うのは?」
「あれ?気付きませんか?ギルマスがクロイさんを見る目に。」
「クロイ?あのローゼを呼び捨てにしてたやつか………それとギルマスは俺だアリー。」
「この辺りに、同年代の子いませんし。ソラヤさんは…ブルームさんが、いつも近くにいますからね。」
「だから何だと言うのだ?」
「はぁ…これだから男は。」


何だと言うのだ?ローゼがどうした?クロイってやつが何があるんだ?
分からん。アリーは何を言っているんだ?


「ギルマス…恋してるんです。」
「コイ?濃い何がだ?………それとギルマスは俺だアリー。」
「始めに言っておきますが、飲み物が濃いとか、魚は違うから。」
「何?他に何があると言うのだ?」
「ファー…マジで言ってるの?」
「だから何だと言うのだ。」
「だからいってるじゃん。恋だよ、愛、好きなの分かる?」
「………ローゼ!!」
「はい。ストップ。ギルマスは今仕事中です。聞きに言ったりしたら嫌われますよ?」
「嫌われ!!俺は、何をすれば良いのだ?………それとギルマスは俺だアリー。」
「何もしないんです。分かった?」
「分か…らん!」
「分かりなさい。大人でしょ?」
「俺は子供でいい!」
「それじゃ私が困るから。いいから仕事して下さいファー。」
「ろぉーぜぇー!!」




引きづられて俺は、自分の部屋に連れてこられた。
あぁ、なんか書類が山積みだけど〜


「あの〜アリーさん?」
「ファー手が止まってるよ。」
「あ、はい。」


この後ローゼと話が出来なかった。
1ヶ月くらい留守にしてただけで、仕事がこんなに貯まるなんて。
今日で終わるかな…いや、帰ってきたんだし明日でも。


「ファー?」
「はい。やってます。明日でいいやとか考えてません。」
「出来たらご褒美あげるから、頑張って。」
「なら、アリーの飯が食べたい。」
「うん。分かった。」
「ふぅ。頑張るか。」
「頑張ってね。ギルドマスター。」
「だから俺がギルドマスター…ってあってるか。」


アリーに弄ばれてる気がする。がいいか。
頑張ればアリーの飯が食える。
こんな書類の山、俺にかかれば……。




「終わらん。」
「簡単につまめるの用意したから。休憩しようか。」
「いつもすまんな。」
「いいのよ。私がしたいから。」
「そう言ってもな。そうだ、何か頼みがあったら聞くぞ。」
「ん〜考えとく。」


仕事は終わりそうにも無いが、これはこれでいい時間だ。
アリーともっと入れればいいんだが。









なんかロビーに戻る時に、部屋から楽しそうな声が聞こえてきた。


「アリーと兄さん?相変わらず仲が良いな。」


見て見ないフリをして、私は自分の部屋に戻る。


「早く明日にならないかな〜?」


疲れてはいるけど、足取りは軽い。
これだけ楽しいのは久しぶりだ。
部屋に戻ってからも、今日の事を思い出して笑う。


さーて、明日は何があるかな?



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品