少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

37話 初めての依頼。

依頼を受ける為にギルドに来た。
探したけどローゼさんがいない。
居たら聞こうと思ってたのに、まぁいいか。
ゲームとかだと、掲示板に紙が貼ってあるはず……あれかな?


「ん〜読めるね。」
「ん?ソラヤ、どうかしたか?」
「いや、文字とか読めないのかと思って。」
「そう言えば気にしてませんでしたね。言葉も通じるので、同じだと思っていました。」
「クロイさんとソラヤ君で、何話してるの?」
「これ、どうやって受けるのかね?って話だよ。」


シーが近くにきたので、話を切り上げる。
混乱するだけだし、今はまだ言わなくてもいい。


「どんなのがいいか。お遣いとかアイテム納品は、時間かかりそうだね。」
「そうだね。戦えない人や、アイテムある時にやればいいのかも。」
「そしたら…これやろうか。」




【ウルフの討伐。ウルフの牙か毛皮の納品。銅貨5枚〜】




「いらっしゃい。今日は依頼かしら?…ウルフ討伐?また?」
「僕らのランクで、討伐ってこれくらいしか無いから。」
「昨日あれだけ稼いで、また稼ぐの?勤労者だねぇ〜。」
「殆ど使って無くなったから。稼がないと。」
「金貨2枚を1日で?どんだけ豪遊……そう言えば見た目が冒険者ぽいわね。」
「でしょ?まーそういう訳で。」
「本当に何も持ってなかったのね。しかも見た所、武器は後回しなんだ。」
「基本、近接格闘なので。」
「逞しいパーティね。」


ギルドで受付してくれたのは、アリーさんだった。
サクサク話が、進んでいくから助かる。


「一応説明するわね。昨日みたいな綺麗な状態なら銀貨2枚。牙回収不可で銀貨1枚。入口に置かれても困るから、納品時は誰かに声かけてちょうだい。」
「依頼書には銅貨5枚って書いてあるけど?」
「普通はバラして、牙や肉とか部位だけ持ってくるのよ。」
「丸ごと持ってくる方が楽じゃん。」
「そんな手ぶらで、冒険してる人なんて居ないわよ。」
「そうなのか。まぁ僕らは荷物分担できるからかもね。」


細かい事は気にしない。
丸ごとの方が、無駄なく回収出来るし。




今日も昨日と同じ森に入った。


『『『『グルゥ!』』』』
「いきなり4匹とは幸先いいね。お父さん、装備の分の動き変わってるから、油断しないように。」
「分かった!皆んなは俺が守る!」
「お母さんはお父さんから離れないで。回復は任せたからね。」
「いつも通りやるよ〜」
「シーもお父さんの後ろに。隙みて一撃よろしく!」
「おっ任せ〜!」
「クロイは僕と皆んなのフォローを。火は無しで。」
「ほほ。心得ている。」


僕は皆んなに一応指示を出して、動きを一人一人見ていく。
お父さんは盾と籠手を、使いうまく動けている。動きづらい事もなさそうだ。
お母さんも動きながら、器用に回復してるな。魔法って止まってするもんじゃないのか?


―ガス!ガシ、ズドォン。ドーン!




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《ウルフLv12を倒した。12(60)の経験値を得た。》


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「よし!次。」
「達人の域か?器用な連撃だな。」
「ほほ。無駄のない綺麗な動作ですね。」


お父さんの後ろから飛び出たシー。
ウルフを蹴りを入れた後、頭を掴み地面に叩き伏せ、その上から殴りつける。
そのままウルフを倒した、ログが流れるから削り切ったのだろう。


「ソラヤ、1匹離れるぞ。」
「分かった、仕留めてくる……。」


―すぅ……っさ、チュゥン。




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《ウルフLv12を倒した。12(60)の経験値を得た。》


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「ただいま。」
「相変わらず迅速だな。」
「逃すと面倒な事なるのは、過去に経験したからね。」
「ほほ。そんな事も有りましたね。」


囲まれたのを、一掃するのもいいんだけど。
万が一に、ワー・ウルフみたいなのが来たら大変だし。
まぁ今の僕らなら、1匹くらい訳ないけど。


「うらぁ!シー!」
『ギャゥン!?』
「そりゃ!」


お父さんは盾で攻撃を防ぎ、死角からウルフを蹴り上げる。
それに反応したシーが、空中で無防備なウルフに一撃。


もう1匹いたウルフにぶつけて2匹とも動きを止める。


「クロイ、終わらすよ。」
「はいよ。」




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《ウルフLv12を倒した。12(60)の経験値を得た。》
《ウルフLv12を倒した。12(60)の経験値を得た。》


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「2人の連携も良くなってきたね。そだ、動きづらいとかない?」
「俺は全然変わりませんね。むしろ盾があると動き易いぞ。」
「私はいつも通り。変わんないし〜」
「私もそんな動きませんから。」
「シーはどう?」
「ん!このグローブ良いね!痛くないし滑らないから、思いっきり動ける。」
「概ね、皆んな問題はないと。じゃ、回収して戻ろうか。」
「また私達で行ってくる?」
「いや、動きの確認含めてだから。皆んなで戻ろうか。」




そんな訳で、ギルドに戻ってきた。


「あれ?何か忘れ物?」
「ん?忘れてはいませんが。届けもの?」
「持ってきたよ〜ここでいいの?」
「へ?」


―どさ、どさ、どさ、どさ。


持ってきたウルフをロビーに広げるシー。
ギルドロビー内にウルフが4匹横たわる。
確かここに置くなって、言われてた気がしたんだけど。


「な、もう狩ったの!?」
「前回もこんな感じでしたでしょう?」
「そう言えば、前回も……は!」
「な、また獣臭いな。って、またか!」
「あ、ローゼさん。こんにちは。」
「あぁ。すまんが、シーさん。ここでウルフを出さないで貰えるか?」
「だめ?回収〜。」


ローゼさんが奥から出たらきた。
やっぱりロビーのど真ん中に、ウルフを置くのはマズかったみたいだ。


「アリーにはソラヤ達が同じ事しないように、言ってあったのにな。」
「…。」
「なぁ?アリー?」
「ひゃい!」
「ソラヤ達に言ったのか?個体での納品時は、昨日と同じ訓練所までと。」
「え?言ったような〜言ってないような〜そんな内容でしたっけ?」
「僕らが言われたのは、納品したら声をかけて。だけだよ。」
「だそうだが?」
「あ、そう!言おうとしたの!声をかけられて、すぐウルフが4匹出て来たからなの!?」
「まぁ確かに。言われる間もないのは、あったかも。」
「ね!ね!」


そもそもの初めに説明しておけば、良かった話なんだけどね。
シーに訓練所までウルフを持って行ってもらう。
さてさて、まだ何か言い合っているけど。


「次狩りに行くから、僕らはいなくなるけどいい?」
「あぁ、構わんぞ。次からの納品は奥に頼む。」
「了解です。」






「ただいま。」
「おかえりなさい。まさか…。」
「シー今度は奥に置いてこよう。」
「は〜い。」


訓練所にウルフ4匹を追加で置いてくる。


「いったいどんな狩り方してんだ?」
「別に大した事してないと、思うんですけどね。」
「そもそもウルフに会うにも簡単ではないだろうに。不思議だな。」
「それなら、見に来ますか?」
「見学か…それが手取り早いか。ソラヤ達がいいなら、お願いしてもいいか?」


パーティメンバーに聞いていき、皆んな特に問題は無いみたいだ。




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ソラヤがパーティに誘っています。加入しますか?
▶︎yes no


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「む。パーティか。これは入らんでいいぞ。noだ。」
「いいの?」
「知らないようだから、一つ忠告しよう。一緒に行動するからとパーティ組むのはオススメしない。」
「なんでですか?」
「パーティを組むと隠しているものが、全部見えるようになるぞ。それに獲得経験値が減る。」
「隠してるものって?」
「ステータスやスキルだ。見ようと思えば、見えるようになるんだぞ?」
「そうなんだ。知らなかった。シーの時なんて何も考えずに…。」


そうなると、シーにはステータスやスキルが全部バレていると?
だけど、女神様の話も、龍神の話も聞かれてないな。


「ん?何かついてる?」
「いや、そんな事は無いんだけど。一つだけいい?シーは僕らのステータスとか見たりした?」
「見てないよ。ステータスは私が自分で決めるんでしょ?他の見ちゃうと考えちゃうから。」
「そうか。ならいいんだ。」


見れるけど、見ないだけだったのか。
今更パーティ外す気もないから、今度色々突っ込まれる前に、教えてあげようかな。




そんな特殊な使い方を聞いたので、ローゼさんはパーティに入れずに同行してもらった。
村を出て、そして再び森の中を突き進む。



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