少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

10話 フラグって怖いね…。

出発前。この家の周りは、ゴブリンしか居ないのでは?
そんな考えを皆んなと話し、僕達は家の門を出て真っ直ぐ進んでみる事にした。


ゴブリンLv10を倒しつつ、進む事1時間くらい。


オークLv10に遭遇。


「空ちゃん、これは?」
「んー豚の獣人かな?」
「犬よりは食べやすいかな…。」
「え?食べるの?」
「もしもの時は…。」
「も、もう少し進んでみますか。」


さらに進む事…


「ねぇ、空ちゃん?獣人って他に…」
「栄ネェ、ストップ!その先を言ってはいけない。」
「なんで?」
「フラグって言葉がこの世にはあるんだけど。」
「フラグって?」
「あるワードが現実になるって言う、恐ろしい現象だよ。」
「それって……。」
「豚が来たから、次は牛とかの獣人かな?とか話すと…って、あ。」


『ブモゥ?』
「「「…。」」」
「やっちまった!!!」


牛の獣人、ミノタウルスが現れました。




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《ミノタウルスLv10を倒した。25(100)の経験値を得た。》


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「フラグって怖いね。」
「すいませんでした。」
「空様のせいではありません!次はきっと…あぁ、えっと。」
「ほほ。この手の話はやめましょう。」
「そうだね!よし、このまま進もう!」


フラグの恐怖に打ち勝つために、ミノタウルスを狩り続ける。
戦闘もだいぶ楽になり、石や魔法での牽制。
最終的なトドメは、僕が担当している。


「ほほ。水弾ウォーター!」
「くらえ!セイ、ハ!」
治癒ヒール!」
「よいしょっと。」




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《ミノタウルスLv10を倒した。25(100)の経験値を得た。》
―ソラヤはLv7→Lv8になった。5ポイント獲得。
―ソラヤはスキル【投擲Lv5】【蹴撃Lv2】【拳撃Lv2】になった。


―ゴウはLv7→Lv8になった。5ポイント獲得。
―ゴウはスキル【蹴撃Lv2】【観察眼Lv2】【拳撃Lv2】になった。


―クロイはLv7→Lv8になった。5ポイント獲得。
―クロイはスキル【観察眼Lv4】なった。
―クロイは魔法【水魔法Lv2】になった。


―エイリはLv7→Lv8になった。5ポイント獲得。
―エリイはスキル【観察眼Lv2】になった。
―エリイは魔法【治癒Lv2】になった。


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Lvが上がったタイミングでスキルが上がった。
単独で上がる時もあるけど、Lvアップ時に何かボーナスでもあるのかな?
一緒に上がる事が多くなってきた。
そのついでに魔法も上がってるし。
僕は魔法が使えないから分からないけど、Lvが上がるとどうなるんだろう?


「表示はLv2になっていますが、どうなんでしょう?撃ってみますか?」
「あーじゃ、そこの木に向かって撃ってみて。」
「ほほ。では、水弾ウォーター!」


―ザボーン、パァァン!


「弾けたね。」
「そうですな。MP消費も変わらず5で、威力アップと言ったところでしょうか。」
「へ〜。それでLv10とか、どうなるんだろうね。」
「どうでしょう。神のみぞ知る、で御座いますね。」


ちなみに栄ネェにも、治癒ヒールを使ってもらった。
黒ジィの輝きが増した…気がする。


「いまいち。なんか弾けたりしないね。」
「いやいや、回復で弾けても困るよ。きっと範囲が上がるとか、治る速度が上がるとかじゃないかな?」
「ふ〜ん。まぁ良くなってるなら、それでいいか。」
「そうだね。」






…3時間ほど進んできたけど。今のところ、獣人ラッシュは変わらない。
少し開けた所に出たので、お昼休憩を少しはさむ事にした。
水と火が使えるようになり、食事問題はいい方向に向かっている。
今日のメニューは…なんと!塩おにぎり!
米がこんなに美味しいとは…僕らはそのおにぎりを味わって食べる。




そして小腹も満たされ、再び森を進もうとして…。
草陰から突然飛び出した影。


『ブモ?』
「「「「猪きた!!!!」」」」
『ブモ!?』


あまりにも興奮した僕らから、背を向けて逃げる猪。


「空ちゃん!」
「任せて!僕のスピードと、運から逃れられるものか!」


栄ネェから手頃な石を受け取り、逃げる猪を追う。
少しスピードに不安があったので、さっきLvアップしたので、AGI41→46にポイントを振る。


―ビュン!


『ブモ!?』
「うわ、早すぎた。ん〜…ここだ!!」


3メートル差はあったはずだけど、一歩踏み出して追い抜いてしまった。
驚いた感じの猪だったが、僕に向かって突進してくる。
体に当てて食べる部分が傷ついても困るな…っと脳内で考える。
考えた結果、正面から頭に向かって石を投げる。


―チュゥーン!…ドサッ。


うわ、貫通した。後ろの黒ジィ達に当たってないか?


どうやら大丈夫だったみたい。
危ない危ない、ついつい力んでしまった。


「やったね空ちゃん!これで獣人を食べなくて済みそうだね。」
「後はこれをどうやって持っていくか…。」
「ほほ。アイテム欄に収納すれば、よろしいかと。」
「そんな事出来るんだ。どうやるの?」
「近づいて収納って選べば良いのですよ。」




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《ボアを回収しますか? ▶︎yes no》


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「お、何か出た、yesつと。」




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《所持重量が足りません。30㎏/10㎏》


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「な、足りないだと!持てないのか!?」
「どう致しました?」


皆んなに所持重量が足りない事を説明した。


「空ちゃんは10㎏までって事?全然足りないね。」
「黒ジィと栄ネェは?」
「わたくしは、空矢様よりSTR低いので。先程のLvアップのポイントも、INTに振ってしまいましたし。」
「私も1桁だよ〜あ、私もMNDに振ったよ。」


この2人は選択肢が無いから、考える必要がないんだな。
そう言う僕もさっき、振り分けた考えるどさ。
そうなると豪ニィだけど…STRにって言うのも違う気がするな。


「とりあえず、解体して僕と豪ニィで収納しようか。」
「いえ、30㎏であれば俺だけで足りますよ。」


―ヒュン…


「あ、消えた。収納って便利だね。」
「そうですな。わたくしも、時計等を収納しております。」
「え〜ずるい。カバン持ってる私はなんなの?」
「ほほ。斜めがけの鞄を、持ちたいのかと思いまして。」
「持ちたいって…どこを見てる…の……。」


黒ジィと豪ニィが、栄ネェを見る。
顔を赤くして体を隠す栄ネェ。


「ちょ、ちが!違うのよ!これが動きやすいかなって!」
「いいのではないのでしょうか。斜めがけの鞄で、むね…もがっ。」
「しぃー黒様。ストップ。」
「ん?斜めがけの鞄に何があるの?」
「ほほ。空様、男のロマンで御座いますよ。」
「意味が分からないよ。」


鞄1つで何そんなに盛り上がるのか。
収納出来るなら、早めに教えて欲しかったよ。
ゴブリン達の武器とか、何個か回収できたのに。


「それより豪ニィ、所持重量って30㎏あった?」
「はい!先程のLvアップでSTRを10→15にしました。」
「えっと。良かったの?防御力上げるとか、言ってたのに。」
「はい。あくまで俺は皆んなの為にです。それにSTRは装備重量に攻撃力と、私にとって無駄にはなりませんので。」
「そうか…ありがとう豪ニィ。」
「いえ。当然の事です。」


本当に豪ニィは…家族思いだな。
そしてこの世界の事、ステータスについてよく考えるな。
始めはよく分からないって、丸投げだったのに。
基本スペックは高いんだろう。


「よし、目標は達成した!時間も丁度いいし、家に戻ろうか。」
「はーい。早く…捌き……食べたいな。」
「ほほ?栄理さん、少し怖いですぞ。」
「…さ、さぁ!行きましょう。」


行きは3時間程かかったけど、帰りは2時間くらいで家まで着いた。
豪ニィの攻撃力が上がったから、黒ジィの魔法Lvが上がったから、僕が殲滅するペースを上げたから?




それとも……両手に包丁を装備して、微笑む栄ネェに恐れをなして獣人が近づかないからか。


「どうしようかな…こうかな?……あそこは鍋の出汁に…。」


こうかな?で包丁を振り回さないで。
栄ネェは料理の事で、頭がいっぱいらしい。
ちょっと怖いけど、美味しい夕食が期待できそうだ。

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