無敵のフルフェイス
121話 地に伏せる大剣?
レブルは剣を抜いたのを見て、地龍は嬉しそうに尻尾を振るう。
「炎の剣か。珍しい物を持っておるな。」
「随分余裕そうね。」
「ふっ。どこからでもかかってくるが良い。」
「そんな余裕で後悔しても知らないわよ。」
レブルが飛び出して前脚を狙い思い切り振りかぶる。
―ボォウ、ガキィィン!
「硬い!」
「へ?今攻撃したのか?」
「む。その言い方、トゲがあるわね。」
「すまん。そんなつもりではなく、些か速すぎんか?」
レブルは地龍の硬さに、地龍はレブルの速さに驚く。それにしてもレブルの剣が弾かれるのか。
「貴方は行かないの?」
「ん?出遅れちゃったけど行こうかな。でも硬いんでしょ……水の剣通るかな?」
レブルの剣にしか反応していない所を見るに、水もなんて事ないんだろうな。とは言え、このまま観察しているわけにもいかない。
「それじゃ僕も行こうか。」
「来い。結果は同じだろうがな。」
―ヒュン……ザブゥ、ギン!
「やっぱり弾くね。」
「な?さっきの娘よりも速いだと!?」
「忍でも斬れないなんて、どんだけ硬いのよ。」
「軽く振っただけだけど、水じゃ手応えなかったな。」
―ザクッ!
「アースオペレーション。地の剣。」
「副属性持ちだと?」
「驚くわよね。でも彼はこっちが本職よ。」
別に本職とかないんだけど。まぁ物を作るのは楽しいけど。
「この剣の強度が分からないけど。テントと同じくらいで試してみよう。」
「私も負けないわ。一撃で刃が通らなくても、やり方はあるはず。」
「ふむ。自分達の剣に自信があるのだな。良かろう。我は動かん。存分に試されよ!」
地龍が自信満々に発言する。
「速さについていけないから、守りに徹するだけでしょ。」
「ルビーは黙っておれ。」
「こほん。さぁ来い!人の子よ!」
仕切り直しで地龍が叫ぶ。面白いやり取りはあったが、放っておいていこう。
「すぅ……はぁ!」
―ボォウ!ギンギンギン!
レブルが先行して同じ箇所に正確に斬り込む。弾かれて手も痺れるだろうに、それをうまく受け流し連撃を繰り出す。
「はっは。何度やっても一緒じゃ。」
余裕そうな地龍だが。側から見れば一方的にやられているだけって言う。
おっと、僕も見てないで戦わないと。
―ジャリ……ダァァン!
気合を入れて地面を踏み込む。さっきは移動して腕の力だけで斬った。でも今回は地の剣だし、斬るより叩き折るイメージで……
「はぁ!」
―ダァァン、ゴン!
脚に触れたが斬れそうにない。しかしそれが始めから目的ではない。ここで……
「振り抜く!」
「ちょ、なん!?」
地龍の脚が持ち上がり、それを思い切り払う。
―ドスゥゥゥン!!!
脚を取られた地龍は前のめりに倒れる。
「ぷはははは!だっさぁ〜」
「むぅ!笑うでない!」
「やっぱり忍は規格外ね。」
「ただの力押しだけど。」
「あはは。龍に力押しだって!やっぱり連れてきて正解ね。」
ロビーには大好評だが、転ばされた地龍は怒っている。この後が闘い辛くなるかもしれない。
「もう容赦はせん!全力で迎え撃つ!ダイヤロック!!」
―ビキビキ……ガキン!
地龍の外装が黒く染まり、何かが割れたような大きな音がした。
「全力で迎え撃つって、負け惜しみにしか聞こえないわよ。」
「煩いぞ!この形態になれば押し負けることなんぞない!」
「雰囲気がガラッと変わったね。こりゃ硬そうだ。」
「ちょっと斬ってみるわ。」
「貴方達は前向きね〜無理だと思うけど応援はするわ。」
軽口で応援するロビーに、レブルが先に斬り込む。
―ボォウ!
「全力で……やぁ!」
―ギィィィィン!
「っう!手が痺れる。」
「だはは。そうであろう!そうであろう!」
レブルの全力に全く動じない地龍。嬉しそうに笑う。
―ブクゥ……
「水玉!」
「だはは、ごふぅ!?」
大きな口を開けて笑う地龍の口に水玉を撃ち込む。盛大にむせ込み苦しそうである。
「これは効いたかな?」
「あはは!あ〜面白い!」
「ごほっ、なんて事をしてくれるのだ!」
「だって外側が硬いなら、内側は大丈夫かなって考えるでしょ?」
「それはそうだが。一瞬でそれを思いついたとしてだが、普通実行しないだろう?」
「ダメ?」
「ダメと言われると……うーむ。戦いの最中だしな。」
考える地龍だったが、ダメじゃないなら遠慮無くいこう。
―ブクゥ。
「それ。」
―ビシャン!
「目ぇぇぇぇ!?」
「あは……って笑えないわ。」
「容赦ないわね忍……」
「やっぱりダメかな?」
考え事をしていた地龍に、遠慮無く攻撃しただけなんだけどな。
「ほら。視覚を奪うのって有効じゃん?」
「別に動かないんだから、しなくても良かったんじゃ?」
「そうか!」
「そうかではない!殺す気か!?」
「え?そのつもりで戦ってるんじゃないの?」
「ぐぬぬ。」
唸る地龍だったが、レブルの言う通り視覚を奪う必要はなかったかもしれない。しょうがないから小細工なしで攻撃するか。
「もう少し大きくしてみるか。アースオペレーション。」
―ドス、バキバキバキ!
「よいしょっと。」
―タン!
「む。何かしてくるつもりか!むぐ!」
さっきの攻撃を警戒してか、目を瞑り口を固く閉ざす地龍。もうさっきみたいな事はしないつもりだけど、ちょうどいいからこのまま動かないでもらおう。
「あんなの持ち上げるって、あんなに跳ぶってなんなの!?」
「忍だから。」
「むぐ〜(こわぁ)」
地龍が何か言っている気がするが、口を閉ざしているので分からない。まぁ純粋な攻撃な訳だし、今度は怒られないでしょう。
自分の身長の3倍はある地の剣を抱え跳び上がる。
「おまけで魔法もかけとこう。グラビィティ!」
―ズン!
剣が重くなる。そして地龍の頭目掛けて振り落とす。
―ゴォォン!
「へぶぅ!?」
振り落とした剣は問題なく地龍の頭に当たる。しかし斬る事は出来そうにもない。そして重力に任せた結果は……
―ズガァァァァァン!!!
地龍の頭を地面に沈めた。
「ぐがぁ!?」
「やっぱり斬れないね。まぁ地の剣は斬るイメージで作ってないけど。」
「うわぁ……あんなの死ぬわ。てか剣?大槌の間違いじゃ?」
「確かに忍のは斬るって言うより、叩くって感じね。」
ロビーとレブルがそれぞれの意見を言ってくる。
「確かにこの大きさじゃ剣とも呼べないかな。まぁなんでもいいや。」
地面に顔を埋めた地龍は起き上がる事なく、ドス黒かった外皮も元の色に戻っていた。
「炎の剣か。珍しい物を持っておるな。」
「随分余裕そうね。」
「ふっ。どこからでもかかってくるが良い。」
「そんな余裕で後悔しても知らないわよ。」
レブルが飛び出して前脚を狙い思い切り振りかぶる。
―ボォウ、ガキィィン!
「硬い!」
「へ?今攻撃したのか?」
「む。その言い方、トゲがあるわね。」
「すまん。そんなつもりではなく、些か速すぎんか?」
レブルは地龍の硬さに、地龍はレブルの速さに驚く。それにしてもレブルの剣が弾かれるのか。
「貴方は行かないの?」
「ん?出遅れちゃったけど行こうかな。でも硬いんでしょ……水の剣通るかな?」
レブルの剣にしか反応していない所を見るに、水もなんて事ないんだろうな。とは言え、このまま観察しているわけにもいかない。
「それじゃ僕も行こうか。」
「来い。結果は同じだろうがな。」
―ヒュン……ザブゥ、ギン!
「やっぱり弾くね。」
「な?さっきの娘よりも速いだと!?」
「忍でも斬れないなんて、どんだけ硬いのよ。」
「軽く振っただけだけど、水じゃ手応えなかったな。」
―ザクッ!
「アースオペレーション。地の剣。」
「副属性持ちだと?」
「驚くわよね。でも彼はこっちが本職よ。」
別に本職とかないんだけど。まぁ物を作るのは楽しいけど。
「この剣の強度が分からないけど。テントと同じくらいで試してみよう。」
「私も負けないわ。一撃で刃が通らなくても、やり方はあるはず。」
「ふむ。自分達の剣に自信があるのだな。良かろう。我は動かん。存分に試されよ!」
地龍が自信満々に発言する。
「速さについていけないから、守りに徹するだけでしょ。」
「ルビーは黙っておれ。」
「こほん。さぁ来い!人の子よ!」
仕切り直しで地龍が叫ぶ。面白いやり取りはあったが、放っておいていこう。
「すぅ……はぁ!」
―ボォウ!ギンギンギン!
レブルが先行して同じ箇所に正確に斬り込む。弾かれて手も痺れるだろうに、それをうまく受け流し連撃を繰り出す。
「はっは。何度やっても一緒じゃ。」
余裕そうな地龍だが。側から見れば一方的にやられているだけって言う。
おっと、僕も見てないで戦わないと。
―ジャリ……ダァァン!
気合を入れて地面を踏み込む。さっきは移動して腕の力だけで斬った。でも今回は地の剣だし、斬るより叩き折るイメージで……
「はぁ!」
―ダァァン、ゴン!
脚に触れたが斬れそうにない。しかしそれが始めから目的ではない。ここで……
「振り抜く!」
「ちょ、なん!?」
地龍の脚が持ち上がり、それを思い切り払う。
―ドスゥゥゥン!!!
脚を取られた地龍は前のめりに倒れる。
「ぷはははは!だっさぁ〜」
「むぅ!笑うでない!」
「やっぱり忍は規格外ね。」
「ただの力押しだけど。」
「あはは。龍に力押しだって!やっぱり連れてきて正解ね。」
ロビーには大好評だが、転ばされた地龍は怒っている。この後が闘い辛くなるかもしれない。
「もう容赦はせん!全力で迎え撃つ!ダイヤロック!!」
―ビキビキ……ガキン!
地龍の外装が黒く染まり、何かが割れたような大きな音がした。
「全力で迎え撃つって、負け惜しみにしか聞こえないわよ。」
「煩いぞ!この形態になれば押し負けることなんぞない!」
「雰囲気がガラッと変わったね。こりゃ硬そうだ。」
「ちょっと斬ってみるわ。」
「貴方達は前向きね〜無理だと思うけど応援はするわ。」
軽口で応援するロビーに、レブルが先に斬り込む。
―ボォウ!
「全力で……やぁ!」
―ギィィィィン!
「っう!手が痺れる。」
「だはは。そうであろう!そうであろう!」
レブルの全力に全く動じない地龍。嬉しそうに笑う。
―ブクゥ……
「水玉!」
「だはは、ごふぅ!?」
大きな口を開けて笑う地龍の口に水玉を撃ち込む。盛大にむせ込み苦しそうである。
「これは効いたかな?」
「あはは!あ〜面白い!」
「ごほっ、なんて事をしてくれるのだ!」
「だって外側が硬いなら、内側は大丈夫かなって考えるでしょ?」
「それはそうだが。一瞬でそれを思いついたとしてだが、普通実行しないだろう?」
「ダメ?」
「ダメと言われると……うーむ。戦いの最中だしな。」
考える地龍だったが、ダメじゃないなら遠慮無くいこう。
―ブクゥ。
「それ。」
―ビシャン!
「目ぇぇぇぇ!?」
「あは……って笑えないわ。」
「容赦ないわね忍……」
「やっぱりダメかな?」
考え事をしていた地龍に、遠慮無く攻撃しただけなんだけどな。
「ほら。視覚を奪うのって有効じゃん?」
「別に動かないんだから、しなくても良かったんじゃ?」
「そうか!」
「そうかではない!殺す気か!?」
「え?そのつもりで戦ってるんじゃないの?」
「ぐぬぬ。」
唸る地龍だったが、レブルの言う通り視覚を奪う必要はなかったかもしれない。しょうがないから小細工なしで攻撃するか。
「もう少し大きくしてみるか。アースオペレーション。」
―ドス、バキバキバキ!
「よいしょっと。」
―タン!
「む。何かしてくるつもりか!むぐ!」
さっきの攻撃を警戒してか、目を瞑り口を固く閉ざす地龍。もうさっきみたいな事はしないつもりだけど、ちょうどいいからこのまま動かないでもらおう。
「あんなの持ち上げるって、あんなに跳ぶってなんなの!?」
「忍だから。」
「むぐ〜(こわぁ)」
地龍が何か言っている気がするが、口を閉ざしているので分からない。まぁ純粋な攻撃な訳だし、今度は怒られないでしょう。
自分の身長の3倍はある地の剣を抱え跳び上がる。
「おまけで魔法もかけとこう。グラビィティ!」
―ズン!
剣が重くなる。そして地龍の頭目掛けて振り落とす。
―ゴォォン!
「へぶぅ!?」
振り落とした剣は問題なく地龍の頭に当たる。しかし斬る事は出来そうにもない。そして重力に任せた結果は……
―ズガァァァァァン!!!
地龍の頭を地面に沈めた。
「ぐがぁ!?」
「やっぱり斬れないね。まぁ地の剣は斬るイメージで作ってないけど。」
「うわぁ……あんなの死ぬわ。てか剣?大槌の間違いじゃ?」
「確かに忍のは斬るって言うより、叩くって感じね。」
ロビーとレブルがそれぞれの意見を言ってくる。
「確かにこの大きさじゃ剣とも呼べないかな。まぁなんでもいいや。」
地面に顔を埋めた地龍は起き上がる事なく、ドス黒かった外皮も元の色に戻っていた。
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