無敵のフルフェイス
114話 強靭な体に最強な槍。
ゾンとの戦いが終わって、次はアマンの番となったんだけど。
「動かない方が良いって言われたが、俺はいつまでこうしてればいい?」
アマンが不動の構え……仁王立ちで待つ。
「威圧感は半端ないわね。」
「アマンカッコいいっす!」
「はいはい。」
レブルの言う通り、金色のフルアーマーが槍を地面に突き立てて仁王立ち。威圧感半端ないっす。あ、ラストラのうつった。
「暇だな……何かやる事ないか?」
『それであれば動く練習でもしますか?ただ、歩くのは難易度が高いので……手に持った槍を持ち上げて、地面にまた戻すのはどうでしょうか?もの凄くゆっくりで!ですよ?』
「それなら出来そうだな。ちょっくらやってみるか。」
そしてアマンがゆっくりを意識して、槍を持ち上げる。
「動いたぞ!?」
「来るのか!お前、早く行けよ!」
「俺がか!?そう言うお前が行けよ!」
何やら向こうは誰が行くかで揉めているようだ。誰が出ても同じ結果なんだから、早くして欲しいものだ。
―スゥ……
「おは!?この槍軽いな。」
『アマンの筋力が上がっていますので、普段の力でやると軽く感じるでしょうね。』
「そうだな。こりゃ歩いたり走ったりしたゾンが、ああなるのも納得だな。」
「分かってくれるかアマン。」
「あれは本当にビックリしたっす。」
体験したゾンとラストラは、アマンの言葉に何かを思い出したかのように身震いする。
「んで、これを地面に刺すんだよな。」
『刺すではなく、下げるので……』
「っほ。」
―ッス、タァァァン!
アマンが地面に槍を下げた時。甲高い音が響いた。
―ズズズ……
振動が遅れて足に響くと……
―グラァァ!!
「おっと。少し揺れたね。」
『だからゆっくりと言ったでしょう……』
「すまん。これでもゆっくりしたつもりなんだが?」
ゆっくり槍を下ろしただけで、地響きが起こるものだろうか?
「お、おい!今の揺れは!」
「地龍様のお怒りか!?」
「まさかあの金色の騎士は、地龍様の遣い?」
「「「ヒィィ!?」」」
そう言えば揺れが地龍と関係してるんだっけか。軽い地響きを起こしたアマンを、地龍の使いだとちらほら聞こえてくる。
「何言ってるんだ。俺は地龍の使いじゃないぞ。普通の商人だ。」
「いやいや!商人が金色の鎧着て、槍を下ろして地響きするかよ!」
「ごもっともだな。でも実際前に居るんだし。何があろうと俺は、地龍の遣いじゃないぞ。」
「な、な、なんだよ。驚かせやがって。」
「そっちが勝手にビビっただけだろ。」
気持ちを持ち直したと思いきや、それでも向かってこない。これは別の策を考えるか。
「アイさん。防具硬化の魔法お願いしていいかな?」
『畏まりました。ダイヤモンドアーマー……リンク。』
「ん?また何かしたのか?」
「そこの3人。面倒だから3人でかかって来なよ。あ、面倒は余計か。」
「おい、全部声に出てんぞシノブ。」
「っは!俺達も舐められたもんだな。」
「そうだぜ。1人に3人なんて……」
「それで行こう!行け2人とも!」
「「んあ!?」」
断る雰囲気を出しておいて、最後の1人がプライドを捨てて提案に乗ってくれた。
「魔導師の俺に先行させるのか?」
「あーくそ!どうなっても知らんぞ!」
「恨むならお前のリーダーを恨むんだな。」
剣を抜き、2人の男がアマンに向かって走り出す。
「てか剣士が2人でって!シノブ!?」
「大丈夫だから。僕とアイさんを信じて。」
今のアマンはフルアーマーだから、この魔法をかけたらきっと……
「くらいやがれ!」
「うらぁぁ!」
―ガキン!ガキン!
「「へ?」」
「やっぱり並の剣くらいは問題ないよね。」
「ビビった。どうなったんだ?」
『アマンに当たった剣が2つとも折れました。』
「折れたのか!この鎧凄えな。」
『防具もですが、さらに魔法で強化をしたので。』
「さすがシノブの相棒だな。頼りになるぜ。」
『わ、私は忍様に言われた事を実行したまでです。』
「どもってるぞ。アイさんも照れんだな。」
『……。』
うんうん。アイさんがみんなと仲良くなる事はいい事だ。最近は仲間に対しても、色々な表情を……見れないけど。感情を表現してくれる。
「……来れ炎、飛礫と成りて……」
「魔法?あれ何か対策したっけか。」
『アマン!槍で迎撃です!合図をしたら思いっきり振り下ろしてください!忍様!』
「アマンの攻撃を相殺すればいいんだよね?」
『はい!さすが忍様!』
「俺には指示をくれ!なんかくるぞ!」
魔導師らしき人の杖がアマンに向く。その先に火が集まり一つの球になる。
「くらえ!ファイヤーボール!」
―ボォウ!
「なんか出たーーー!」
『アマン。この軌道で……今です!』
「あいよ!」
―ブゥン!バシュ!!
―ヒュン。
「それ。」
―ビュゥン!
アマンの攻撃で魔法も斬れて、風の真空波まで撃てるなんて凄いね。
「へ?」
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。」
男達に怪我はないようだ。
「僕が受けて消さなくても、貴方達ならあんな風くらいなんとかしたかも知れませんが。」
「いえ、感謝します。あんな風くらいできっと俺は真っ二つでしたよ。」
「またまたご冗談を。」
さっきまで噛み付いてきた人とは思えない。力を示すだけでこうも変わるものだろうか?
「それじゃ2人の実力は認めて貰えるのかな?」
「それはもう……先程は生意気な事を言ってすいませんでした。ほら、お前らも。」
「「すいませんでした!!」」
どうやら丸く治ったようだ。
―グラァァ……
「ん?この揺れ?」
「俺を見るなよシノブ。ないのしちゃいないぜ。」
「それじゃこの揺れは?」
―グラァァ……ボコ。
地面が少し盛り上がっている。何か下から出てくるな。
―ゴゴゴ……ズダァァン!
「なんだこれ。でっかいミミズ?」
「ジャイアントワームだ!!」
「地龍様の御使いが!?」
地龍の遣い?まぁミミズは土を綺麗にしてくれるって、何処かで聞いた事あるし。
「それにしてもでかいね。それに何処かで見た事あるような。」
「忍、あの時よ。生き埋めにされそうになった時。」
「あぁそう言えば見た事あったね。」
「何を呑気に話しているんだ!コイツが町の真ん中で暴れた日には町が無くなっちまう。」
「いや待て!もしかすると御使い様に呼ばれて来たのかもしれないぞ。」
町の全員がアマンを見る。仁王立ちに戻っている。
「だから遣いじゃないって……」
―ズズ……
ジャイアントワームがアマンに向かって行く。おや?アマンが呼んだりしたのかな?そんな魔法は使って無かったけど。
―ギィィィィィ!ドカ!
「どわぁ!?」
―ヒュゥ……ズガァァン!
見事に吹き飛ばされた。
「アマン!!」
ラストラが吹き飛ばされたアマンに駆け寄る。
「これはアマンが呼んだわけじゃなさそうだ。」
「それはそうでしょう。どうするの忍?」
「そうだな……ここは僕とレブルでやろう。みんなはあの魔法に慣れる練習が必要だろうし。」
「分かったわ。私達も実力をお披露しましょうか。」
剣を抜き、炎の翼を広げるレブル。
「まぁ目立つにはもってこいか。レブルが火なら、僕は水かな。水玉。」
―ブクゥ……ザザザザ!
「集え。」
―ザパァ!
僕はジャイアントワームの前にレブルと並んで立つ。
「動かない方が良いって言われたが、俺はいつまでこうしてればいい?」
アマンが不動の構え……仁王立ちで待つ。
「威圧感は半端ないわね。」
「アマンカッコいいっす!」
「はいはい。」
レブルの言う通り、金色のフルアーマーが槍を地面に突き立てて仁王立ち。威圧感半端ないっす。あ、ラストラのうつった。
「暇だな……何かやる事ないか?」
『それであれば動く練習でもしますか?ただ、歩くのは難易度が高いので……手に持った槍を持ち上げて、地面にまた戻すのはどうでしょうか?もの凄くゆっくりで!ですよ?』
「それなら出来そうだな。ちょっくらやってみるか。」
そしてアマンがゆっくりを意識して、槍を持ち上げる。
「動いたぞ!?」
「来るのか!お前、早く行けよ!」
「俺がか!?そう言うお前が行けよ!」
何やら向こうは誰が行くかで揉めているようだ。誰が出ても同じ結果なんだから、早くして欲しいものだ。
―スゥ……
「おは!?この槍軽いな。」
『アマンの筋力が上がっていますので、普段の力でやると軽く感じるでしょうね。』
「そうだな。こりゃ歩いたり走ったりしたゾンが、ああなるのも納得だな。」
「分かってくれるかアマン。」
「あれは本当にビックリしたっす。」
体験したゾンとラストラは、アマンの言葉に何かを思い出したかのように身震いする。
「んで、これを地面に刺すんだよな。」
『刺すではなく、下げるので……』
「っほ。」
―ッス、タァァァン!
アマンが地面に槍を下げた時。甲高い音が響いた。
―ズズズ……
振動が遅れて足に響くと……
―グラァァ!!
「おっと。少し揺れたね。」
『だからゆっくりと言ったでしょう……』
「すまん。これでもゆっくりしたつもりなんだが?」
ゆっくり槍を下ろしただけで、地響きが起こるものだろうか?
「お、おい!今の揺れは!」
「地龍様のお怒りか!?」
「まさかあの金色の騎士は、地龍様の遣い?」
「「「ヒィィ!?」」」
そう言えば揺れが地龍と関係してるんだっけか。軽い地響きを起こしたアマンを、地龍の使いだとちらほら聞こえてくる。
「何言ってるんだ。俺は地龍の使いじゃないぞ。普通の商人だ。」
「いやいや!商人が金色の鎧着て、槍を下ろして地響きするかよ!」
「ごもっともだな。でも実際前に居るんだし。何があろうと俺は、地龍の遣いじゃないぞ。」
「な、な、なんだよ。驚かせやがって。」
「そっちが勝手にビビっただけだろ。」
気持ちを持ち直したと思いきや、それでも向かってこない。これは別の策を考えるか。
「アイさん。防具硬化の魔法お願いしていいかな?」
『畏まりました。ダイヤモンドアーマー……リンク。』
「ん?また何かしたのか?」
「そこの3人。面倒だから3人でかかって来なよ。あ、面倒は余計か。」
「おい、全部声に出てんぞシノブ。」
「っは!俺達も舐められたもんだな。」
「そうだぜ。1人に3人なんて……」
「それで行こう!行け2人とも!」
「「んあ!?」」
断る雰囲気を出しておいて、最後の1人がプライドを捨てて提案に乗ってくれた。
「魔導師の俺に先行させるのか?」
「あーくそ!どうなっても知らんぞ!」
「恨むならお前のリーダーを恨むんだな。」
剣を抜き、2人の男がアマンに向かって走り出す。
「てか剣士が2人でって!シノブ!?」
「大丈夫だから。僕とアイさんを信じて。」
今のアマンはフルアーマーだから、この魔法をかけたらきっと……
「くらいやがれ!」
「うらぁぁ!」
―ガキン!ガキン!
「「へ?」」
「やっぱり並の剣くらいは問題ないよね。」
「ビビった。どうなったんだ?」
『アマンに当たった剣が2つとも折れました。』
「折れたのか!この鎧凄えな。」
『防具もですが、さらに魔法で強化をしたので。』
「さすがシノブの相棒だな。頼りになるぜ。」
『わ、私は忍様に言われた事を実行したまでです。』
「どもってるぞ。アイさんも照れんだな。」
『……。』
うんうん。アイさんがみんなと仲良くなる事はいい事だ。最近は仲間に対しても、色々な表情を……見れないけど。感情を表現してくれる。
「……来れ炎、飛礫と成りて……」
「魔法?あれ何か対策したっけか。」
『アマン!槍で迎撃です!合図をしたら思いっきり振り下ろしてください!忍様!』
「アマンの攻撃を相殺すればいいんだよね?」
『はい!さすが忍様!』
「俺には指示をくれ!なんかくるぞ!」
魔導師らしき人の杖がアマンに向く。その先に火が集まり一つの球になる。
「くらえ!ファイヤーボール!」
―ボォウ!
「なんか出たーーー!」
『アマン。この軌道で……今です!』
「あいよ!」
―ブゥン!バシュ!!
―ヒュン。
「それ。」
―ビュゥン!
アマンの攻撃で魔法も斬れて、風の真空波まで撃てるなんて凄いね。
「へ?」
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。」
男達に怪我はないようだ。
「僕が受けて消さなくても、貴方達ならあんな風くらいなんとかしたかも知れませんが。」
「いえ、感謝します。あんな風くらいできっと俺は真っ二つでしたよ。」
「またまたご冗談を。」
さっきまで噛み付いてきた人とは思えない。力を示すだけでこうも変わるものだろうか?
「それじゃ2人の実力は認めて貰えるのかな?」
「それはもう……先程は生意気な事を言ってすいませんでした。ほら、お前らも。」
「「すいませんでした!!」」
どうやら丸く治ったようだ。
―グラァァ……
「ん?この揺れ?」
「俺を見るなよシノブ。ないのしちゃいないぜ。」
「それじゃこの揺れは?」
―グラァァ……ボコ。
地面が少し盛り上がっている。何か下から出てくるな。
―ゴゴゴ……ズダァァン!
「なんだこれ。でっかいミミズ?」
「ジャイアントワームだ!!」
「地龍様の御使いが!?」
地龍の遣い?まぁミミズは土を綺麗にしてくれるって、何処かで聞いた事あるし。
「それにしてもでかいね。それに何処かで見た事あるような。」
「忍、あの時よ。生き埋めにされそうになった時。」
「あぁそう言えば見た事あったね。」
「何を呑気に話しているんだ!コイツが町の真ん中で暴れた日には町が無くなっちまう。」
「いや待て!もしかすると御使い様に呼ばれて来たのかもしれないぞ。」
町の全員がアマンを見る。仁王立ちに戻っている。
「だから遣いじゃないって……」
―ズズ……
ジャイアントワームがアマンに向かって行く。おや?アマンが呼んだりしたのかな?そんな魔法は使って無かったけど。
―ギィィィィィ!ドカ!
「どわぁ!?」
―ヒュゥ……ズガァァン!
見事に吹き飛ばされた。
「アマン!!」
ラストラが吹き飛ばされたアマンに駆け寄る。
「これはアマンが呼んだわけじゃなさそうだ。」
「それはそうでしょう。どうするの忍?」
「そうだな……ここは僕とレブルでやろう。みんなはあの魔法に慣れる練習が必要だろうし。」
「分かったわ。私達も実力をお披露しましょうか。」
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