無敵のフルフェイス
105話 結局はシンプルな戦い方
魔法をガンガン使ってみて分かった事がある。結局はガチの殴り合いになると。
―ブン!ブン!
「大人しく殴られやがれ!」
「嫌だよ。君のそれ、魔力じゃ防げないやつだし。」
「それが……どうした!」
―ブン!
試しに殴られてみるのも有りかもしれないけど。魔力で強化した分もなくなるし、避けられるのに避けないのは違うと思うし。
「ちょこまかと!」
「違う違う、君が大雑把なだけだよ。無駄が多いんだよ。」
「冷静に分析してるんじゃねぇ!」
―ブン!
「おっと。今のは少し良かったよ。」
「っく!偉そうに!!」
「ははは。」
スピードタイプと一発逆転のパワータイプ。フェイントを入れたり高度な技術は何故か使ってこない。器用にこなすタイプじゃない、町の喧嘩って感じだ。
♦︎
派手な魔法がばんばん使っていた忍さん。今度は少し大人しい戦い方になった。
「暇よね。」
「そうね。私達もアマン達の所に行きましょうよ。」
「アマン達は……」
混み合う店内の1番奥の窓際。アマン達が4人で食事をしていた。
「ここに居たのね。それは何?」
「んぐ……飯だ。」
「ご飯ねぇ……その横にある泡の出ている飲み物は何なのかしら?」
「これか?酒だ。レブルも飲むか?」
「外は暗くなってきているけど、夜中なのよ?」
「そう言えばそうだったな。まぁたまにはいいだろう。」
そう言ってアマンはお酒を飲む。
「そんな事よりコレ。外していいのかしら?」
エストがコンコンと頭を叩く。そう言われてみれば、ここに居る4人は素顔でいる。視界も凄くクリアに見えるし、コレ自体軽かったから気にならなかった。
「周りを見てみてろ。」
「周りをって……みんな飲んでるわね。」
「エスト、そこじゃない。見た目で俺達と何が違う?」
「別に変わらないわね。」
「だろう?外しても問題ないし、何より食事が出来ない。」
「そうだけど。いいのかしら?」
エストが私に聞いてくる。見た目では分からないってなるなら問題ないと思うけど。そう言えば忍さんは食事の時どうしていたかしら…………
―カシャ。
顔の所にある何かを上に上げてみる。
「そんな事が出来るんだな。そう言えばシノブもそうしてたっけか……まぁいいか。」
「そうだな。エストも何か飲むか?」
「そうね。甘い系のあるかしら?」
「果実酒もあるっすよ。それにこの食事が合うんです。」
「私もいただこうかしら。レブルは?」
「私はいいわ。夜中に飲み食いは太るだけだし。」
「「…………。」」
何より忍さんが戦っているのに、食事とかはあり得ないわ。だって2人の戦いは続いているし。それにもう結果は出るでしょう。
♦︎
だんだん動きが鈍ってきた。さすがに体力も切れてくるだろう。
「そろそろ疲れてきた?拳が鈍いよ。」
「お前はどんな体力してるんだよ……」
「まぁ補助はしているし、部活は陸上部でバイトもしてきたからね。」
「ぶかつ、バイトってなんの事だ?」
「あー走り込みとか力仕事かな。」
「俺だって仕事はしているんだぞ。」
バイクを自分で起こしたり、支えたりするって父さんから聞きていた。その為に筋トレも兼ねて力仕事をしてきたし、風を感じないか?なんて誘い文句で陸上部なんかもやってたな。懐かしい。
「ぜぇーぜぇー」
「僕としてはもう終わりでいいかなって。力差は分かったでしょ?」
「くっそ!むかつく野郎だな……でも俺はまだ一度も倒れてねぇ……」
魔法で倒せない相手をどうすればいいか分からず、とりあえず回避をしてきた訳だけど。
倒すねぇ……
―ガシ!
「あぁ?」
「せーの!!!」
「うお!?」
倒す。それって倒れればいいって事で、思いっきり投げてみた。
―ヒュゥ……ドカァァン!ドカァァン!
しまった。誰も居ないから、あの建物に結界張ってなかったわ。
「あの人が解除しちゃうからいいか。見えなくなったけど、あの人大丈夫かな?」
『魔力反応はないので……』
「それって死んじゃったの!?」
『いえ。そういう訳ではなく。探索する魔力も消されてしまい、個人を特定するのに干渉が出来ないだけです。』
「そういう事か。」
『はい。消された場所で特定をしますので、動けば生死は確認が出来ます。』
魔力を消されてもアイさんは、別の視点で解決策を考えてくれる。彼自身に触れる前に魔力が消されているから、不自然に魔力が消えた場所は彼のいる所と。
「忍さん終わったかしら?」
「うん。倒れてないって言うから、軽く投げてみた。」
「軽くね……住宅2つくらい先まで突き抜けてるけど?」
「どうしてだろうね?」
『彼に触れた部分は魔力が消えていますが、それ以外の部分は消されいませんので。』
「なるほどね。忍さんは腕の力だけで投げる訳じゃないし。」
『そういう事です。』
ふーん、そうか。
「それじゃ、そろそろ帰りましょう。」
「でも彼が。」
「放っておけばいいのよ。」
「建物壊すくらいだし、彼は魔力がないから怪我したり……」
「それなら身内に任せましょう。マスターさん。」
「はい!」
レブルの横にマスターと呼ばれていた男の人が居た。
「見てきなさい。」
「え?僕ですか?別に身内で……」
「いいから行きなさい。」
「はいぃ!!」
全速力で走るマスター。
「じゃ一度帰りましょう。」
「帰る?」
「ここで宿を取るくらいなら、帰って寝る方が安いし安心出来ると思うのよ。」
「確かにそうだね。」
「それに酔っ払いが多いから、絡まれるのもごめんだわ。」
「ははは。」
みんなの所に戻る。
「はははは!」
「あははは!」
「アマンもラストラも楽しそうだね。」
「全くこの2人は……」
帰るのはしばらく後になりそうだ。
―ブン!ブン!
「大人しく殴られやがれ!」
「嫌だよ。君のそれ、魔力じゃ防げないやつだし。」
「それが……どうした!」
―ブン!
試しに殴られてみるのも有りかもしれないけど。魔力で強化した分もなくなるし、避けられるのに避けないのは違うと思うし。
「ちょこまかと!」
「違う違う、君が大雑把なだけだよ。無駄が多いんだよ。」
「冷静に分析してるんじゃねぇ!」
―ブン!
「おっと。今のは少し良かったよ。」
「っく!偉そうに!!」
「ははは。」
スピードタイプと一発逆転のパワータイプ。フェイントを入れたり高度な技術は何故か使ってこない。器用にこなすタイプじゃない、町の喧嘩って感じだ。
♦︎
派手な魔法がばんばん使っていた忍さん。今度は少し大人しい戦い方になった。
「暇よね。」
「そうね。私達もアマン達の所に行きましょうよ。」
「アマン達は……」
混み合う店内の1番奥の窓際。アマン達が4人で食事をしていた。
「ここに居たのね。それは何?」
「んぐ……飯だ。」
「ご飯ねぇ……その横にある泡の出ている飲み物は何なのかしら?」
「これか?酒だ。レブルも飲むか?」
「外は暗くなってきているけど、夜中なのよ?」
「そう言えばそうだったな。まぁたまにはいいだろう。」
そう言ってアマンはお酒を飲む。
「そんな事よりコレ。外していいのかしら?」
エストがコンコンと頭を叩く。そう言われてみれば、ここに居る4人は素顔でいる。視界も凄くクリアに見えるし、コレ自体軽かったから気にならなかった。
「周りを見てみてろ。」
「周りをって……みんな飲んでるわね。」
「エスト、そこじゃない。見た目で俺達と何が違う?」
「別に変わらないわね。」
「だろう?外しても問題ないし、何より食事が出来ない。」
「そうだけど。いいのかしら?」
エストが私に聞いてくる。見た目では分からないってなるなら問題ないと思うけど。そう言えば忍さんは食事の時どうしていたかしら…………
―カシャ。
顔の所にある何かを上に上げてみる。
「そんな事が出来るんだな。そう言えばシノブもそうしてたっけか……まぁいいか。」
「そうだな。エストも何か飲むか?」
「そうね。甘い系のあるかしら?」
「果実酒もあるっすよ。それにこの食事が合うんです。」
「私もいただこうかしら。レブルは?」
「私はいいわ。夜中に飲み食いは太るだけだし。」
「「…………。」」
何より忍さんが戦っているのに、食事とかはあり得ないわ。だって2人の戦いは続いているし。それにもう結果は出るでしょう。
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だんだん動きが鈍ってきた。さすがに体力も切れてくるだろう。
「そろそろ疲れてきた?拳が鈍いよ。」
「お前はどんな体力してるんだよ……」
「まぁ補助はしているし、部活は陸上部でバイトもしてきたからね。」
「ぶかつ、バイトってなんの事だ?」
「あー走り込みとか力仕事かな。」
「俺だって仕事はしているんだぞ。」
バイクを自分で起こしたり、支えたりするって父さんから聞きていた。その為に筋トレも兼ねて力仕事をしてきたし、風を感じないか?なんて誘い文句で陸上部なんかもやってたな。懐かしい。
「ぜぇーぜぇー」
「僕としてはもう終わりでいいかなって。力差は分かったでしょ?」
「くっそ!むかつく野郎だな……でも俺はまだ一度も倒れてねぇ……」
魔法で倒せない相手をどうすればいいか分からず、とりあえず回避をしてきた訳だけど。
倒すねぇ……
―ガシ!
「あぁ?」
「せーの!!!」
「うお!?」
倒す。それって倒れればいいって事で、思いっきり投げてみた。
―ヒュゥ……ドカァァン!ドカァァン!
しまった。誰も居ないから、あの建物に結界張ってなかったわ。
「あの人が解除しちゃうからいいか。見えなくなったけど、あの人大丈夫かな?」
『魔力反応はないので……』
「それって死んじゃったの!?」
『いえ。そういう訳ではなく。探索する魔力も消されてしまい、個人を特定するのに干渉が出来ないだけです。』
「そういう事か。」
『はい。消された場所で特定をしますので、動けば生死は確認が出来ます。』
魔力を消されてもアイさんは、別の視点で解決策を考えてくれる。彼自身に触れる前に魔力が消されているから、不自然に魔力が消えた場所は彼のいる所と。
「忍さん終わったかしら?」
「うん。倒れてないって言うから、軽く投げてみた。」
「軽くね……住宅2つくらい先まで突き抜けてるけど?」
「どうしてだろうね?」
『彼に触れた部分は魔力が消えていますが、それ以外の部分は消されいませんので。』
「なるほどね。忍さんは腕の力だけで投げる訳じゃないし。」
『そういう事です。』
ふーん、そうか。
「それじゃ、そろそろ帰りましょう。」
「でも彼が。」
「放っておけばいいのよ。」
「建物壊すくらいだし、彼は魔力がないから怪我したり……」
「それなら身内に任せましょう。マスターさん。」
「はい!」
レブルの横にマスターと呼ばれていた男の人が居た。
「見てきなさい。」
「え?僕ですか?別に身内で……」
「いいから行きなさい。」
「はいぃ!!」
全速力で走るマスター。
「じゃ一度帰りましょう。」
「帰る?」
「ここで宿を取るくらいなら、帰って寝る方が安いし安心出来ると思うのよ。」
「確かにそうだね。」
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