非青春男子と超青春JK

もり フォレスト

第二話 『始まった二人の青春』

 ひょんなことから、千咲斗と青春することになった悠介。六限目の授業が終わり、部活に入っていない悠介は、いつも通り一人で帰ろうとしていた。しかし、それは千咲斗によって阻まれてしまう。
「帰っちゃうの?」
「別に部活入ってる訳じゃないし、帰る以外ないだろ。」
「じゃあじゃあ、一緒に帰ろう?」
「何だよいきなり。カップルじゃあるまいし。」
「カップルじゃなくとも、女子と一緒に帰るでしょ。それとも何?私のこと意識してるの?」
「してね〜よ、バカ!大体、俺と一緒に帰ってくれる女子なんて今までいなかったんだよ!」
「その言い方からすると、女の子と一緒に帰りたかったってこと?」
千咲斗が笑いながら聞く。
「あぁ〜もう、何でもいいからさっさと帰るぞ!」
こんなくだらない話をしながら、二人は歩き始めた。学校を出てすぐに、悠介はライトノベルを読み始めた。
「ちょっと〜。何してるの?折角一緒に帰ってるのに。」
千咲斗が呆れ顔で聞く。
「別に良いだろ。お前の目的は俺と帰ること。目的は達成してるんだし、問題ないだろ。」
「問題大有りだよ!『友達と他愛もない話をしながら帰る』これも青春だよ。それに、折角こんなに可愛い女の子と一緒に帰れてるのに、興奮しないの?」
「別に。後自分で可愛いって言っちゃうんだな。」
千咲斗は少し眉をひそめるも、すぐに話題を変えた。
「ねぇねぇ、今日家行って良い?」
流石の悠介も驚きを隠せず、しおりを本に挟み忘れてしまった。
「は?」
思わず口に出てしまった。
「だ〜か〜ら、家行って良い?」
「何でまた急に?」
「だって、ここまでひねくれるには家庭環境にも問題があるかもしれないし。」
「先生かよ。」
ツッコむ悠介。それに対し千咲斗は、
「そうですよ!私はあなたの家庭教師です!」
「いや何の教科だし。」
「青春科担当です!」
「何だそれ。」
悠介の顔に笑みがこぼれる。その横顔を見て、千咲斗も笑った。
(この小さな笑顔も大切にしたい)
千咲斗はそう思った。
「良いよ。家に来ても。」
悠介がそう言うと、千咲斗はその言葉を待っていたかのように、
「やった〜☆」
と喜び、また笑顔になった。

 十五分程歩いたところに、なかなか立派な二階建ての一軒家が見えてきた。
「ここが俺の家だよ。」
コンクリートで作られた、モダンな家だった。
「家に姉さん達がいるかもしれないけど、気にしないで。」
「りょ〜かいです!」
千咲斗は大きく頷いた。
「ただいま〜。」
「あっ、お帰り〜ゆーく……
        ゆうす……
えぇ〜!?女の子!?」
千咲斗達よりも少し年上くらいの二人のお姉さんが、千咲斗を見るなり、出迎えて早々慌てて走ってきた。
「あんた悠介の彼女なの!?」
「ゆーくんのどこを好きになったの?」
         :
         :
         :
お姉さん達は一斉に質問していく。正直、千咲斗は二人が何を言っているのかほとんど聞き取ることが出来なかった。困惑する千咲斗。
「ちょっ、姉さん落ち着いて!!」
悠介が止めに入り、二人はやっと静かになった。
「この人は隣の席の凪畑で、彼女とかそんなんじゃないから!」
悠介に続き、千咲斗も挨拶をする。
「クラスメイトの凪畑 千咲斗です。今日はいきなりお邪魔しちゃってすみません。」
お姉さん達も納得した様子で、茶髪ロングのお姉さんが話し始めた。
「早とちりしちゃってごめんなさいね〜。ゆーくんが友達を連れてくるだけでも珍しいのに、女の子が来てびっくりしちゃったの。私は八本 紗都美。双子の長女よ。それでこっちは……」
「八本 真美。双子の次女よ。よろしくね。」
そう聞いた瞬間、千咲斗は二人の顔を何度も交互に見た。双子にしては、見た目、性格があまりにも違いすぎるからだ。
「全然似てないと思った?」
紗都美が尋ねる。
「え、あ、はい。双子にしては似てる部分が全くないなと思って、すみません。」
「気にしなくて良いわよ。周りにもよく言われるから。さ、こんなところで話すのもなんだし、早く上がっちゃって。」
真美がそう言うと、悠介達は靴を脱ぎ、リビングへと向かった。

「非青春男子と超青春JK」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く