非青春男子と超青春JK

もり フォレスト

第一話 『非青春男子と超青春JK』

 「私と青春しよ!!」

日が照り、少しずつ暑くなってきた五月中旬。悠介は、一人ライトノベル片手にいつもの道を歩いていた。昔は社交性もあり、友達も多かったのだが、今ではすっかりヲタクと化し、青春に否定的になっていた。そんな彼を後ろから大声で呼ぶ誰かが走ってきた。悠介の数少ない友達である、拓人だった。
「相変わらず、本ばっかり読んでるな〜。」
拓人は笑いながら悠介の肩を小突いた。
悠介は無愛想に
「何か悪いか?」
と聞く。拓人は雑な感じに謝ると、ふと話し始めた。
「お前も昔は周りに友達がいっぱい寄ってきてたのにな。いつの間にか一人が多くなって。」
「うるさい。俺はお前とマンガがあれば、それで良いんだよ。あぁ〜、青春の何が良いんだか。」
悠介はそう言うと、少し早足になった。
 
 拓人と別れた悠介は、席に着くや否や、またライトノベルを読み始めた。一人の空間に入り込める朝のHRが、悠介にとって一番の至福の時であった。しかし、それを邪魔するが如く、女の子が話しかけてきた。
「八本く〜ん、何読んでるの〜?」
隣の席の凪畑 千咲斗だった。黒髪ロングのナイスバディに、社交性も兼ね備えた、言わば陽キャである。更に、少し小悪魔的な性格も持ち合わせており、周りの男子からすれば、可愛いの最上級であろう。そんな彼女に対しても、悠介は無関心そうに、
「『この世の恋に真実はない』だよ。最近のドロドロ系恋愛の中でも、指五本に入るくらい面白いやつ。」
と答える。すると、千咲斗は悠介の読んでいる本を覗き込んだ。
「読んでて辛くならないの?」
「確かに辛いけど、その辛さが心に刺さって良いって感じかな。」
「ふぅ〜ん。」
一見、普通の男子高校生からすれば最高シチュエーションだろうが、悠介にとってはただの「会話」に過ぎなかった。他に彼の興味を引くものはないのだろうか。そして、千咲斗は更に話し続けた。
「本ばっかり読んでて、つまらなくないの?」
「別に、大体青春のない俺にマンガとか以外に何もないし。俺には青春の何が良いのかがよく分からんから。」
悠介の言葉を聞いた瞬間、千咲斗は唖然とした。青春を生きる千咲斗からすれば、悠介の考えはありえないからだ。千咲斗はいきなり立ち上がり、悠介の手を握る。焦る悠介。周りからの注目の視線。クラス全体に緊張が走った。次に何が起こるか分からないこの状況を悠介は恐れていた。そして、千咲斗が放った言葉は……

「私と青春しよ!!」

こうして、非青春男子と超青春JKの新たなストーリーが幕を開けた。

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