パンダさん金科玉条

小早川義夫

パンダさんの天国への階段

パンダさん、本日はおモチつきです。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
蒸したモチゴメをウスに入れ、キネでつきます。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
キネは重たいのでつくのは大変なのです。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
おモチにするには何度も何度もつかねばならない。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
パンダさん、疲れちゃった。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
おモチは美味しいのに、何でモチつきはツライんだ!
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!
苦難の先に、栄光がある!
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!

ええい、やめじゃあぁぁぁーっ!
パンダさん、とうとうブチ切れた。
まだウスには残っていますが、半分くらいはおモチできてる。
これだけで十分だ、うん!ガツガツするとまた太るぞ。
一息ついてパンダさん、改めて成果をながめます。
あれだけ苦労したのに、これっぽっちかあ。
でも旨そうだ。ちょっと試食してみよう。
一番汗をかいた者が、一番に手に入れる。当然の権利だ。
まだ熱いおモチをちぎって丸めてホクホクして口に放り込みます。
その時「もうできたの?」突然、奥さんがやってきた!
んがググッ!
パンダさん、おモチをノドにつまらせて白目むいて昏倒!

パンダさんは不思議な場所へでました。
うすボンヤリしていて、フワフワするのです。
ここは一体、どこだろう?
ああ、そういえばおモチをノドにつまらせたんだった。
えぇ、ってことはボクは死んじゃうのか?!
何てこったい!
ちゃんとおモチを食べたからにすればよかった。
戸棚にかくしたオヤツ、やりかけのゲーム、マンガ最新号・・・
心残りがいっぱいです。
ああ、走馬灯が見えてきました。
生まれたばかりのパンダさんが、眠っています。あっ起きたぞ、なんか食べてる。
ヨチヨチ歩きのパンダさんが、眠っています。あっ起きたぞ、なんか食べてる。
ワンパク少年のパンダさんが、眠っています。あっ起きたぞ、なんか食べてる。
りりしい若者のパンダさんが、眠っています。あっ起きたぞ、なんか食べてる。
ショボクレ中年のパンダさんが、眠っています。あっ起きたぞ、なんか食べてる。
みんな同じじゃねえかぁっ!
パンダさんの一生は、食って寝るだけだった!
こんなんじゃ生きてても死んでも一緒だろう。
パンダさん、前向きに考えることにした。
よし、こうなったらもう天国へ行こう。
お酒はウマイし、きれいなおねえさんがいる!とヨッパライから聞いた。
そうと決まればパンダさん、ワクワクしてきました。
しかも三途の川では“大好きなひと”が迎えに来てくれるのです。
誰だろう?美少女アイドルかなぁ、アニメヒロインかも、ムフフフ・・・

「まぁた、ツマミ食いして!」
背中どやしつけられてパンダさん、ワレに返った。
何と何と、お迎えは奥さんだったのです。
パンダさん、シドロモドロで「死にかけた」と主張したものの、
サッサとおモチをつきなさい!と無慈悲に催促されてしまうのです。
パンダさん、モクモクとキネをふるいます。
ぺったん、ぺったん、ぺったんこ!

パンダさんの天国への階段!
死んで花実が咲くものか!

・・・・・・・・・・To Be Continued

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