パンダさん金科玉条

小早川義夫

パンダさんのIT革命

パンダさんのパン屋さんには、毎日大勢お客がやって来ます。
通学路に面しているので、夕方ともなると女子高生でいっぱい!
ところが数の割には客単価低いし、キャピキャピうるさい。
でもパンダさん、そんなとこも含めて彼女たちが大好きでした。
今日もグループがプチケーキとミルクで延々と居座っています。
それを満足げに眺めていたパンダさん、フトあることに気がついた。
彼女たちはそれぞれ手に何か持っているのです。
カマボコの板か、居酒屋の下足札のようなものでありました。
それを熱心に見つめたり、指でポチポチしたり、耳に当てたりしてる!
はて、何だろう?
気になって気になってしょうがない。今晩眠れなくなっちゃう!
勇気を出して聞いてみようかな。でもハズカシイ・・・
モジモジしてたら、ひとりの女の子とバッチリ目が合った。
「パンダさんもスマホ持ってるぅ?」
スマホ!おおっ、あれがウワサのスマホだったのか!
アニメによく出てくるが実用化されてたとは・・・
スマホは、そこにいないのとオシャベリができるスグレモノ。
だけど動物は基本無口だし、そこにいないのに用はない。
「ボクはパンダだから・・・」
「そっかー!でもあると便利だよぉ。いろいろできるし」
聞けば聞くほどスマホは魅力的でした。
オシャベリだけでなく、メールにゲーム、写真撮ったり、検索したり・・・
「持ちなよっ!そしたら友だち申請するからさぁ」
えっ、トモダチ?!
パンダさん、激しく動揺!
白昼堂々、公衆の面前で、イタイケな女子高生からダ・イ・タ・ンなお誘い!
こっこれは、断れまい。
「いつ何時、誰の挑戦でも受ける!」が信条のパンダさんである。
まして、据え膳食わぬは男の恥!
パンダさん、不退転の決意でスマホ導入を表明!

しかしっしかしですよ、難関がありました。
そうです、奥さんの存在です。
どっどどど、どうやって説得しよう・・・
動物は基本無口だし、そこにいないのに用はない。
下心ミエミエ、バレバレ、モロ!
パンダさんは慎重に策を巡らせます。奥さんの機嫌の良い時が狙い目。
激動の現代社会、パンダといえど情報収集は怠れない。
まして動物アイドルとしては避けて通れぬであろう。
現にあの“黄色いの”や“居候”は頻繁に露出している。
ばかりか、ローカルのクマとか野球チームのコアラまでがやってる!
乗るしかない、このビッグウェーブに!
熱く熱くプレゼンするパンダさんですが、
奥さんは疑惑のマナザシで冷ややかにNO!ダメ、ゼッタイ!
かっ、かくなるうえは!
「イケメンと恋愛シュミレーションのアプリもあるよ」

こうしてパンダさんは念願のスマホを手に入れた。
ああっ遂に勝ち取ったのだ!
ドキドキ、ワクワク、いざっ起動!
さあ、いよいよだ。震える指で操作、操作を・・・
?!
スマホは女子高生サイズで作られていた・・・
パンダさんの肉球がすべてを覆いつくしたのです。
お目当てのアイコンのみならず何もかも・・・

その後、スマホは奥さん専用となりました。
奥さんは器用に爪を駆使し、同時押し問題を難なくクリアしたのです。


パンダさんのIT革命!
「女はメカに弱い」なんて誰が言ったんやあぁぁぁ!

・・・・・・・・・・To Be Continued

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