パンダさん金科玉条

小早川義夫

パンダさんの大冒険~出発のバラード~

パンダさんは旅立つ。
大いなる希望を抱いて。
あふれる情熱、秘めた闘志、不屈の魂!
この一歩は小さな一歩だが、偉大な飛躍である。
もう振り向きはしない。
いざ、行かん。
愛を残して旅に出る。


ナワバリに「月よりの使者」がやってきました。
「月よりの使者」は定期的に訪れますが、まあ動物たちには関係ありません。
だけど、初代が竹林を拠点に活動していた縁で、いわゆる“聖地巡礼”!
新任のあいさつにワザワザ顔を出すのです。
今回は代表でパンダさんが接待、お赤飯でオモテナシ。
パンダさんなんか「月よりの使者」とは1ミクロンも接点がありません。
でも「月よりの使者」は妙齢のご婦人なのでKAWAIIの大好き!
パンダさんもキレイなおねえさん大好きなので会見はなごやかに進みます。

おねえさん、どこから来たの?
「月から来ました」
月って?
「お空に浮かんでるでしょう。あのお月様から来たの」
ええぇぇぇーっ?パンダさん、ビックリ仰天!
だってお月様ってあんなに小っちゃくて丸いじゃないか!
「うーんと遠くにあるから小さく見えるの。ホラ、向こうの山だって小さいでしょ」
でも、でもでもでも、丸いじゃん!
「うーんと大きくて丸いの。それはお月様だけじゃないの。
 アナタが住んでるこの場所も本当は大きくて丸いの」
ウソだっ!山あり谷あり、なんだ坂こんな坂でデコボコしてるんだぞ!
「例えばね、この道をずぅーっと、真っ直ぐ行くの。どこまでもどこまでも。
 そしたら、ぐるっと一周回ってまたここに戻って来るのよ」

パンダさんは重大な決意をした。
おねえさんのいう、”大きくて丸い”を確かめよう!
それは野生の王国始まって以来、初の真理の追及でした。
元来、動物たちの好奇心は
「エサ」
「敵」
「繁殖」
で、すべてだったのです。
”生きていくこと”以外の研究はまったくされていません。
しかしパンダさんは、この”どーでもいい”にロマンを感じたのです。

おねえさんの言う通り、
この道をずぅーっと、真っ直ぐに行こう。
ホントに”大きくて丸い”なら、
またここに戻って来るハズだ!


パンダさんは旅立つ。
大いなる希望を抱いて。
あふれる情熱、秘めた闘志、不屈の魂!
この一歩は小さな一歩だが、偉大な飛躍である。
もう振り向きはしない。
いざ、行かん。
愛を残して旅に出る。

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