パンダさん金科玉条

小早川義夫

パンダさんの純情詩集

ボクもワタシも君にだって、きっとあった青春時代!
嗚呼、熱き血潮!燃える想い!
友情、努力、勝利!
夢と希望に満ちあふれ何だってできると信じてた。

今宵はパンダさんの胸の奥にしまってある懐かしい風景、
セピア色に彩られた甘酸っぱいラブストーリーをお届けしよう。

今でこそ超絶メタボのパンダさんだが、
かつては”竹林にパンダあり!”と自称した程だ。
そんなパンダさんが恋をした!
幼馴染のパンダ嬢!
可愛くて優しくて白黒ハッキリしてて、皆のアイドルなんだ。
でもパンダさん、引っ込み思案がワザワイして告白できない。
パンダ嬢の周囲にはいつもトリマキがいっぱい。
パンダさんは離れて指をくわえて眺めるだけだ。
狂おしいまでの思慕にパンダさん、悶々とす。モンモンモンモン・・・

そうして発情期がやってきた!
これだ!パンダ嬢に求愛する最初で最後のチャンス!
パンダさんも重い腰を上げ、争奪戦に参加!
オスどもは一斉に群がった。
ここでパンダさんのマジカルパワーが爆発!
トンチと落とし穴で、並みいるライバルを蹴散らし、遂に決勝戦に進出!
ラスボスは・・・海外からワザワザ参戦のグリズリーくん!
(盛り上がりのところ恐縮だが、解説。大熊猫神話では、パンダはシロクマ神とクロクマ神のあいだに生まれた。ので、同族であれば別種でもウエルカム。)

決勝は三本勝負でおこなわれた。

第一試合 大食い競争
パンダさんは快調なスタートダッシュ!笹の葉を食べる、食べる、食べる!
片やグリズリーくん、トナカイの肉をリクエストするも却下され呆気なくgive up!

第二試合 ブランコ乗り
トラックのタイヤ製ブランコに長く揺られていた方が勝ちルール。
お腹いっぱいのパンダさん、気持ち悪くなって秒でリタイヤ!

第三試合 すもう
一勝一敗、タイで迎えた最終戦!泣いても笑ってもこれっきり!
力と力、意地と意地ののぶつかり合いだ。
パンダ嬢を得るのはどちらか!手に汗にぎるクライマックス!
・・・でもさぁ、相手は猛獣だぜ?
ニンゲンを襲って食っちゃうグリズリー、
ニンゲンに愛嬌ふりまくだけのパンダ、
案の定、パンダさんはコテンパンに・・・ヤラれた。
(パンダさんが海外の同族を異常に敵視するのはこの時のトラウマなのです。)

ところが奇跡がおこった!
「パンダ嬢争奪戦」の審判は他ならぬパンダ嬢!
なんんとまぁ、彼女はパンダさんを選んでしまったのです。
ええっ?!なぜ?どうして?
間違えた?魔が差した?ウケを狙った?ダメなパンダさんに同情した?
パンダ嬢にも理由は判りません。
乙女心は摩訶不思議!フクザツだけど安直なの。
パンダさんパンダ嬢、ナレソメの一席!めでたし、めでたし。

月日は流れ、パンダさんはパン屋さん。
おかみさんとなったパンダ嬢は果たして幸せでしょうか?
昼寝する彼女の横顔は何も語ってくれません・・・

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