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本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~

桜井 響華

誕生日も仕事でしたが、人生最高の日になりました!【3】

白く大きめな皿に小さめなケーキやフルーツなどが上品良く盛られ、周りには生花が飾られていてHappybirthday! ERINAとチョコでデコレーションしてある。何とも華やかで可愛らしい。

「専用ラウンジにも行きたかったけど食事の後は二人で過ごしたかったから…」

「バースデープレートまでお部屋に届くなんて本物のお姫様みたいです!」

バースデープレートを食べる前に写真を撮らせてもらい、一緒に届いた紅茶を一口含んでから食べ始めた。フレンチは美味しかったのだが、お腹が満たされるよりも心が満たされた感が強く甘い物が何よりも嬉しかった。一颯さんがガトーショコラだけ食べたいと言ったのでフォークで掬い口に運んであげた。

「コレも受け取ってくれる?」

私が紅茶を飲んでいると一颯さんがジャケットのポケットから何かを取り出した。

「一生かけて幸せにします。結婚して頂けますか?」

紺色の四角の箱だった。返事をする前にポロリ、と涙が零れ落ちた。感極まってしまい返事が出来ない。

「現在は同じサービススタッフとして仕事内容も理解していて、生活リズムもさほど変わらない。けれども結婚してからは互いの仕事が変わるかもしれないし、恵里奈が専業主婦になる日が来るかもしれない。今後の予測は出来ず、それによって不憫な思いもするかもしれないが……

何があっても全力で恵里奈を守るから、これから先の人生を共に歩んで下さい」

「はい…」

ポロポロと涙を流している私の左手を取って薬指に指輪をはめてくれた。

婚約指輪はセンターにダイヤモンド、その両脇にピンクダイヤモンド、プラチナのリングの部分はひねりが加えてあり全体的に調和が取れているデザインの物。先日、一緒に見ていたブライダル情報雑誌に掲載されていて、私が「可愛い」と声を漏らしてしまったデザインと同じだった。私には勿体ない位の素敵なデザインの婚約指輪だ。

「ダイヤモンドは4月の誕生石で永遠の絆と言う意味合いもあるらしい。その隣はピンクダイヤモンド」

「……っふぇ、す、ごく、きれ…いれす…。それにコレ、こないだ一緒に…見て、た指、わ…」

「いい加減、泣き止め」

嬉しいのに涙が止まらず困り果てた一颯さんは私の額にキスを落とす。そして子供みたいにティッシュで鼻元を拭かれた。私のせいでロマンティックな雰囲気は台無しだったが、涙が止まって来て一颯さんに抱き着いた。

「だって、嬉しくて…。大好き、一颯さん!こんな私で良かったら、一生一緒に居て下さいね」

「俺は他の誰かじゃなく、お前じゃなきゃ嫌なんだ。ずっと傍に居て俺を支えて下さい」

一颯さんと目と目が合い引き寄せられたかのようにキスを交わす。深みを増していくキスに歯止めをかけられ、一颯さんにお姫様抱っこされて連れて行かれたのはバスルーム。扉を開けるとふんわりとアロマの入浴剤の良い香りと薔薇の香りが漂っていた。バトラーとして要望があれば薔薇風呂を用意するのだが、今日は用意された側だった。色とりどりの薔薇が湯船に浮かんでいて非常に綺麗。薔薇風呂を用意している時も花の効力で癒されるが入る立場としては段違いだ。

私はお風呂に入る前に婚約指輪を外し、ベッドのサイドテーブルに置いた。

実際に湯船に入ってみると非日常の空間が日頃の疲れを浄化してくれる。普段は慌ただしく仕事をしているけれど、たまには安らぎも必要だと思った。今日はお姫様的な扱いをされて人生最高の誕生日になった。

「薔薇の香りがキツイ…」

「そうですか?私は嫌いじゃないですよ」

考え事をしながら湯船に浸かっていると一颯さんが入って来た。確かに薔薇の香りは独特なので苦手な人もいるかもしれない。

一颯さんと話をしながら、ゆっくりと湯船に浸かった後はベッドのサイドテーブルに置いた婚約指輪を再び身につけてポスッとベッドに寝転がった。

天井の灯りに向けて手を伸ばしてかざす。キラキラと光輝いているダイヤモンド達。綺麗だなぁ……。

「気に入ってくれた?」

お風呂から上がった一颯さんはバスローブ姿で私の横に座った。バスローブの隙間から見える鎖骨とサラサラな前髪をかきあげる仕草が何とも言えずに艶っぽい。

「はい、とっても。一颯さん、こんなに素敵な指輪を有難う御座います。それに何気なく呟いた事を覚えててくれて嬉しいです」

私は起き上がり一颯さんの背後からギュッと抱きしめる。ペタッと背中に顔をつける。大好きが溢れていて、どんなに抱きしめても足りない。

「恵里奈が気に入った物が良いと思って選んだだけだ。そんなに喜んで貰えるなら贈りがいがあったな」

一颯さんはクスッと笑って私を見た。

「一颯さんは誕生日に欲しい物はありますか?」

目が合ったので一颯さんに欲しい物を尋ねては見たものの……抱きしめていた両腕を解かれてベッドに押し倒された。

「恵里奈以外は何もいらない」

「そ、そんな事言われても……!」

一颯さんは私を見つめた後、目を逸らして赤くなっている私をからかっているかのようにクスクスと笑っている。

「上からの眺めは俺を煽っているとしか考えられないのだが…」

私のバスローブが着崩れして下着が見えている状態だった。以前の浴衣と言い着慣れないものは直ぐに着崩れしてしまう。

「煽ってるとかじゃなくて着慣れないだけです…。下から見上げても、一颯さんだって隙間から鎖骨が見えてて充分、いやらしいですよ」

「……いやらしく思ってるって事は、恵里奈もそーゆー気分になってるって事?」

「ち、ちが、…っちょ、と、ま、…」

流されるままに一颯さんに愛された。行為の後に私が起き上がらずにベッドでグッタリしていると一颯さんは額にキスをしてバスルームへと消えた。シャワーを浴びるので輝きを眺めてから婚約指輪はケースにしまった。

一颯さんがバスルームから出ると入れ違いに入って、シャワーを浴びる。胸元につけられた、いくつかの愛の証を見ては先程の行為を思い出してしまう。ベッドに戻った後は優しく抱きしめてくれて、一颯さんの温もりの中で私は安心して直ぐに眠りについた。

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