本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
支配人の大切なお客様です。【3】
ロイヤルスイートルームと呼ばれる部屋は最上階に3室、スイートルームはその下に5室完備している。現在、ロイヤルスイートのみが、各部屋に専属バトラーがついている。
チェックイン時の荷物の荷解きや頼まれたお使い、ルームサービスの手配など、お客様の御要望により動かなければならない。
私はロイヤルスイートの専属バトラーになる事は中々ない。主にエグゼクティブフロア担当のバトラーだ。各部屋からの頼まれ事を順に対処していくのが主な仕事。
月間の公休シフトの他に週間のタイムスケジュールシフトがある。俗に週間シフトと呼ばれているのだが、そのシフトはバトラーの責任者にあたる高見沢さんが作成している。
一颯さんがバトラーを勤めると知ってから、早くも二週間が立った。クリスマスを含む日程の週間シフトを作成している高見沢さんの背後に立ち、直談判する。
「確かにね…クリスマスだから全室埋まってるけど、あんたは専属シフトにいれないよ!駄目だってば!」
「あの時は大変ご迷惑をお掛けしてしまいましたけど…、もう大丈夫ですからロイヤルスイートの専属シフトにして欲しいです」
意見を述べるが却下された。一颯さんがバトラーになるのなら私も一緒に過ごしたい。公私混同も良いとこだが一条様も気になるし少しでも一緒に居たい。
「……はぁ。そこまで言うならサブで入れとくから、各部屋のルームサービスとか手伝いしてよ。他にもエグゼクティブフロアのラウンジとかにもヘルプ行くかもしれないから、それで良かったら…」
「何でも頑張ります!」
高見沢さんは大きな溜息をつきながらも私の事をシフトにいれてくれた。イブもクリスマス当日もロイヤルスイートのヘルプも込みのシフトになった。
クリスマスが終わったら一颯さんとイチャイチャするもん。それが例え、年末年始が過ぎてクリスマスとお正月が一緒のお祝いだとしても構わない。忙しかった分、一緒に過ごしたい。
───更に時は過ぎてクリスマスイブ当日。本日は一条様が御来店する日。どんなお客様なのかが気になり朝からソワソワしてしまった。
一目見ようと思い立った。チェックインの予定時間が近付いて来た為、エグゼクティブフロアのフロント付近で待機している。
エグゼクティブフロアにお泊まりの方は直通エレベーターで向かって頂き、専用フロントがある。
その他、エグゼクティブフロアにお泊まりの方の専用のラウンジやレストランなどが完備されている。
エグゼクティブフロアのフロントに支配人が居るのは珍しくはない。私もその隣に並ばせてもらった。
「一条様を見に来たのか?」
「………支配人をバトラーとして御指名だなんて興味がありまして」
「まぁ、色んなお客様がいると言う事を知る良い機会だから一緒に待ちなさい」
支配人のお許しが出たのでバトラーとしての仕事が舞い込む迄は一緒に待機する。余計な事は話せないけれど隣に居るだけでも幸せを感じてしまう。
程よくしてエグゼクティブフロア直通のエレベーターが開いた。中からは気品に溢れた女性とボディガード風の男性が降りてきて、真っ先に支配人の元に向かった。
「こんにちは、一颯。久しぶりね」
「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。ようこそお越し下さいました。お元気そうで何よりです。先日はベルギー直送のチョコレートを送って下さり、有難うございます」
「容易い事よ。それより二日間宜しく頼むわね」
「素敵な二日間になりますように努力致します」
エレベーターを降りてくるなり、一颯さんの元へ向かったので一条様だと確信した。一颯さん以外の誰にも目は向けずに真っ先に話しかけ、しかも会話は英語。一颯さんも英語で対応していて格好良くて惚れ惚れしながら聞いていた。
私には目をくれずにフロントでチェックインをし、最上階のロイヤルスイートルームへと向かった。向かう前に顔を出した高見沢さんとはフランス語?(英語ではなく、高見沢さんがフランス語を話せると言っていたのでそうかな?と思う…)で会話をし、ハグをしていた。
一条様を見届けてその日の業務に戻るとフロントからルームサービスの依頼があった。
「アフターヌーンティーのご依頼があったから、ロイヤル1に運んで下さい」
「かしこまりました」
アフターヌーンティーのセットの準備が整い次第、私が客室まで運ぶ事になった。ロイヤル1とは、従業員同士の客室の名称。ロイヤルスイートルームは3室あり、内装と配置がそれぞれ違う。ロイヤル1の正式名称はロイヤルスイートプリンセスルームだ。勿論、ロイヤル2と3も正式名称はある。
アフターヌーンティーセット、ダージリンの紅茶、ティーセット4つ……。4つ?一条様のお部屋に違うお客様がいらっしゃるのかな?
準備が整い、運びながらふと疑問に思った。
チェックイン時の荷物の荷解きや頼まれたお使い、ルームサービスの手配など、お客様の御要望により動かなければならない。
私はロイヤルスイートの専属バトラーになる事は中々ない。主にエグゼクティブフロア担当のバトラーだ。各部屋からの頼まれ事を順に対処していくのが主な仕事。
月間の公休シフトの他に週間のタイムスケジュールシフトがある。俗に週間シフトと呼ばれているのだが、そのシフトはバトラーの責任者にあたる高見沢さんが作成している。
一颯さんがバトラーを勤めると知ってから、早くも二週間が立った。クリスマスを含む日程の週間シフトを作成している高見沢さんの背後に立ち、直談判する。
「確かにね…クリスマスだから全室埋まってるけど、あんたは専属シフトにいれないよ!駄目だってば!」
「あの時は大変ご迷惑をお掛けしてしまいましたけど…、もう大丈夫ですからロイヤルスイートの専属シフトにして欲しいです」
意見を述べるが却下された。一颯さんがバトラーになるのなら私も一緒に過ごしたい。公私混同も良いとこだが一条様も気になるし少しでも一緒に居たい。
「……はぁ。そこまで言うならサブで入れとくから、各部屋のルームサービスとか手伝いしてよ。他にもエグゼクティブフロアのラウンジとかにもヘルプ行くかもしれないから、それで良かったら…」
「何でも頑張ります!」
高見沢さんは大きな溜息をつきながらも私の事をシフトにいれてくれた。イブもクリスマス当日もロイヤルスイートのヘルプも込みのシフトになった。
クリスマスが終わったら一颯さんとイチャイチャするもん。それが例え、年末年始が過ぎてクリスマスとお正月が一緒のお祝いだとしても構わない。忙しかった分、一緒に過ごしたい。
───更に時は過ぎてクリスマスイブ当日。本日は一条様が御来店する日。どんなお客様なのかが気になり朝からソワソワしてしまった。
一目見ようと思い立った。チェックインの予定時間が近付いて来た為、エグゼクティブフロアのフロント付近で待機している。
エグゼクティブフロアにお泊まりの方は直通エレベーターで向かって頂き、専用フロントがある。
その他、エグゼクティブフロアにお泊まりの方の専用のラウンジやレストランなどが完備されている。
エグゼクティブフロアのフロントに支配人が居るのは珍しくはない。私もその隣に並ばせてもらった。
「一条様を見に来たのか?」
「………支配人をバトラーとして御指名だなんて興味がありまして」
「まぁ、色んなお客様がいると言う事を知る良い機会だから一緒に待ちなさい」
支配人のお許しが出たのでバトラーとしての仕事が舞い込む迄は一緒に待機する。余計な事は話せないけれど隣に居るだけでも幸せを感じてしまう。
程よくしてエグゼクティブフロア直通のエレベーターが開いた。中からは気品に溢れた女性とボディガード風の男性が降りてきて、真っ先に支配人の元に向かった。
「こんにちは、一颯。久しぶりね」
「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。ようこそお越し下さいました。お元気そうで何よりです。先日はベルギー直送のチョコレートを送って下さり、有難うございます」
「容易い事よ。それより二日間宜しく頼むわね」
「素敵な二日間になりますように努力致します」
エレベーターを降りてくるなり、一颯さんの元へ向かったので一条様だと確信した。一颯さん以外の誰にも目は向けずに真っ先に話しかけ、しかも会話は英語。一颯さんも英語で対応していて格好良くて惚れ惚れしながら聞いていた。
私には目をくれずにフロントでチェックインをし、最上階のロイヤルスイートルームへと向かった。向かう前に顔を出した高見沢さんとはフランス語?(英語ではなく、高見沢さんがフランス語を話せると言っていたのでそうかな?と思う…)で会話をし、ハグをしていた。
一条様を見届けてその日の業務に戻るとフロントからルームサービスの依頼があった。
「アフターヌーンティーのご依頼があったから、ロイヤル1に運んで下さい」
「かしこまりました」
アフターヌーンティーのセットの準備が整い次第、私が客室まで運ぶ事になった。ロイヤル1とは、従業員同士の客室の名称。ロイヤルスイートルームは3室あり、内装と配置がそれぞれ違う。ロイヤル1の正式名称はロイヤルスイートプリンセスルームだ。勿論、ロイヤル2と3も正式名称はある。
アフターヌーンティーセット、ダージリンの紅茶、ティーセット4つ……。4つ?一条様のお部屋に違うお客様がいらっしゃるのかな?
準備が整い、運びながらふと疑問に思った。
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