詩が書けないんです

暁烏さん。

詩が書けないんです

わたし
詩が書けないんです
もしかしたら
詩が書けないんです
ことばなんて あいまいで
うたなんて さんざんで
それでも
詩が書けないんです
ゆめは ほったらかし
やっぱり
詩が書けないんです

神様のこと
前髪のこと
いっしょに考えられないのはどうして?
答えられないままでいたら
空中分解した
だけれども
詩が書けないんです

水兵 リーベ 僕の船
分子運動だけが盛んで、
命は取り残されている
地球温暖化
核分裂
つまり
詩が書けないんです

こどくだから
てをつなぎたいの?
――あのとぼけた青色の空をごらん、雲のためでも鳥のためでもない空、自殺という言葉のためだけにゴミ捨て場になっている。

だから、
詩が書けないんだ、

「いっせいのーせ!」流星を飛ばしている真っ黒に向かってホップステップジャンプする。その奥、見えない星の引力に引きつけられてからだは軽く、そうだ、私は天使になった。お気楽な原子核、引き剥がされた正典の荘厳。もっと遠くの天国に向かって高く飛んでいこう、輪っかが砕けて雪みたいに光る、翼が燃えて手足は千切れ、首がもげる。頭足人間だから胴体はなくて、それでも私は生きている。星、天国には星がいっぱいあってそれぞれの引力でからだがばらばらになる。祝福がそこにあって、私はそれで詩を書こう

詩は朝焼けに白く焼かれて、死ぬほどきれいだったよ。

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