勇者?いいえ、聖・魔剣使いです。〈 聖・魔剣使いの英雄談〉

カザミドリ

幕間.神の光?(クロエ視点)

「抜かりましたね、まさか、魔王の手がここまで来ていたなんて……」

私達は、諜報活動のため王都付近の村を廻っていた、三つ目の村で、異変は起きた。

最初、村に入った時は、何ら変わらない、普通の村の様子だった。村長に話を聞きに村の奥に入ると、突然異変が起きた。

村人の体から、蟲が皮膚を破り出てきた、恐らく魔王に寄生虫を仕込まれていたのだろう。

異変に対し、直ぐに反応できなかった部下を庇い、私も脚を負傷する始末、今は森の中に身を潜めているが、追い付かれるのも、時間の問題ですね。

「隊長、ごめんなさい、私のせいで…」

「仕方ありません、この事態は、誰も予想していなかったのですから」

「隊長!蟲が迫って来ています!」

「……決断せねばなりませんね、リイエ、貴女は隠してある馬車を使い、急ぎ王城に戻り、この事を伝えなさい!」

「は、はい」

「残りの者は、わたくしと共に、囮となり、出きるだけ多くの蟲を道連れに自爆します」

「そ、そんな、待って下さい隊長!そこまでしなくとも……」

「いいですか、リイエ、このままでは、わたくし達まで、蟲になってしまいます、それだけは、避けなくてはなりません」

「で、でも……」

「いきなさい、リイエ!」

「う、うぅ……」

若い子を生かそうなど、私も歳を取りましたかね?

死を覚悟し、動き出そうとしたとき、死地に光が指す、この光は、天使?いや、神の光?

「大丈夫そうだな?」

光の中に居たのは、工藤様でした、あぁ工藤様、いいえ、明様は神の使いだったのですね……

その後、明様は私達の傷を治癒の力で、治して下さいました、あぁなんと慈悲深い。


馬車で、王城まで帰り、私はひとつの決意をしました、王都の防衛が終わったら、この身も心も、明様に捧げましょう。

あぁ、明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様…明様

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