以心伝心
第三十六話 やめてくれ…
美沙はこう叫んだ。
「ナワ様!!私にはできません。」
『ナワ???』
と仁人と葵は疑問に思う。『ナワ』。それは誰なのかと。美沙はこう続けた。
「確かに私は夜上仁人が憎い!!でも、それでも!私と同じで直也を助けようとした仲間だ!!!そんな、彼の仲間を切るなど、私にはできない!!」
葵にも、仁人にもその言の意味が理解できなかった。しかし、『誰かに洗脳されている。』そのような、曖昧な裏は見えた。
しかし、仁人と葵は、美沙に話しかける事ができない。再び、その場を恐怖が支配していた。
すると、
「ぐあっ!!」
と美沙の周りに稲妻が走る。彼女の周りだけだ。苦しそうに声をあげている。仁人達は、それを見ている事しかできなかった。数秒続いた。
美沙は下を向いていた顔を上げ、こちらを見る。
「……!?」
目つきがさっきとまるで違う。目に光がない。黒いオーラのようなものも見える。
美沙の口から次に出たのは、
「殺す。」
その二文字だった。さっきの洗脳のようなもののせいだろうか……。だが、仁人と葵は感じていた。それは彼女自身の感情も入っていると。
その時、
「仁人ー!!美沙さーん!!」
という声が少し遠くからする。仁人と葵にはよく聞いていた事のある声だ。
「みーさん……。」
「由美……。」
二人はそう呟いた。
美沙は一旦引き、スッと手を前に出した。そして、目に閃光のようなものがでた。その瞬間、葵は『パタンッ』と倒れた。
「葵さん!」
仁人は倒れたまま叫ぶ。足が折れていて身動きが取れない。
「安心しろ。殺してはいない。」
美沙は何か、他の事があるとでも、いうように別の場所へと視線をかえた。そして、こう言い残した。
「これが私の復讐だ。見ていろ。」
そのまま高速で移動する。あっという間に視界から消えた。
「おい、そっちにいるのは……。」
寝ている体を、無理やり起こし、美沙が移動した方向を見る。
「っ……。」
「や、やめ……」
声もろくに出ない状態でその方向へ、手を伸ばす。その手の先にいるのは、
『由美だ。』
「やめろ!!!」
必死に叫んだ。
「くっ……!」
由美が捕まえられているのが見える。
体を掴まれ、必死に抵抗している。
そして、美沙が由美の体に手を当てた。
「裏切り者がぁー!!!!」
と仁人が叫んだ瞬間。爆発がおき、由美は跡形もなく消え去った。
「ッ!!」
由美の方に向けていた、手を下ろす仁人。
「どうしてなんだよ……。」
「どうしていつも、俺の前から大切な人が消えるんだ!!!!」
泣き叫ぶ。もう日は完全に落ちて、人も周りには誰もいない。泣き声すら誰にも聞こえない。絶望の最中。美沙がこっちにやってくる。ものすごい勢いだ。すると、美沙が手に誰かを抱えていた。美沙が仁人の前に着地し、美沙が抱えていたもの。それを見た瞬間、過去の自分が一瞬見えた。
その瞬間、周りに竜巻が起き、意識を失った。
「強制送還か……。」
恐らく、一瞬だったが過去の自分を見られた気がした。過去の自分と目があってしまった事で強制送還されてしまったのだろう。
自分の手を見る、足を触る。痛みはない。どうやら、しっかり、過去に戻ってきたらしい。
過去と現在を行き来する時に、怪我などが回復することが、今回で完全に証明された。しかし、回復できていないものが一つあった。
「みーさん……。みーさん……。」
それは、心のキズだ。
「ナワ様!!私にはできません。」
『ナワ???』
と仁人と葵は疑問に思う。『ナワ』。それは誰なのかと。美沙はこう続けた。
「確かに私は夜上仁人が憎い!!でも、それでも!私と同じで直也を助けようとした仲間だ!!!そんな、彼の仲間を切るなど、私にはできない!!」
葵にも、仁人にもその言の意味が理解できなかった。しかし、『誰かに洗脳されている。』そのような、曖昧な裏は見えた。
しかし、仁人と葵は、美沙に話しかける事ができない。再び、その場を恐怖が支配していた。
すると、
「ぐあっ!!」
と美沙の周りに稲妻が走る。彼女の周りだけだ。苦しそうに声をあげている。仁人達は、それを見ている事しかできなかった。数秒続いた。
美沙は下を向いていた顔を上げ、こちらを見る。
「……!?」
目つきがさっきとまるで違う。目に光がない。黒いオーラのようなものも見える。
美沙の口から次に出たのは、
「殺す。」
その二文字だった。さっきの洗脳のようなもののせいだろうか……。だが、仁人と葵は感じていた。それは彼女自身の感情も入っていると。
その時、
「仁人ー!!美沙さーん!!」
という声が少し遠くからする。仁人と葵にはよく聞いていた事のある声だ。
「みーさん……。」
「由美……。」
二人はそう呟いた。
美沙は一旦引き、スッと手を前に出した。そして、目に閃光のようなものがでた。その瞬間、葵は『パタンッ』と倒れた。
「葵さん!」
仁人は倒れたまま叫ぶ。足が折れていて身動きが取れない。
「安心しろ。殺してはいない。」
美沙は何か、他の事があるとでも、いうように別の場所へと視線をかえた。そして、こう言い残した。
「これが私の復讐だ。見ていろ。」
そのまま高速で移動する。あっという間に視界から消えた。
「おい、そっちにいるのは……。」
寝ている体を、無理やり起こし、美沙が移動した方向を見る。
「っ……。」
「や、やめ……」
声もろくに出ない状態でその方向へ、手を伸ばす。その手の先にいるのは、
『由美だ。』
「やめろ!!!」
必死に叫んだ。
「くっ……!」
由美が捕まえられているのが見える。
体を掴まれ、必死に抵抗している。
そして、美沙が由美の体に手を当てた。
「裏切り者がぁー!!!!」
と仁人が叫んだ瞬間。爆発がおき、由美は跡形もなく消え去った。
「ッ!!」
由美の方に向けていた、手を下ろす仁人。
「どうしてなんだよ……。」
「どうしていつも、俺の前から大切な人が消えるんだ!!!!」
泣き叫ぶ。もう日は完全に落ちて、人も周りには誰もいない。泣き声すら誰にも聞こえない。絶望の最中。美沙がこっちにやってくる。ものすごい勢いだ。すると、美沙が手に誰かを抱えていた。美沙が仁人の前に着地し、美沙が抱えていたもの。それを見た瞬間、過去の自分が一瞬見えた。
その瞬間、周りに竜巻が起き、意識を失った。
「強制送還か……。」
恐らく、一瞬だったが過去の自分を見られた気がした。過去の自分と目があってしまった事で強制送還されてしまったのだろう。
自分の手を見る、足を触る。痛みはない。どうやら、しっかり、過去に戻ってきたらしい。
過去と現在を行き来する時に、怪我などが回復することが、今回で完全に証明された。しかし、回復できていないものが一つあった。
「みーさん……。みーさん……。」
それは、心のキズだ。
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