婚約破棄された悪役令嬢が聖女になってもおかしくはないでしょう?~えーと?誰が聖女に間違いないんでしたっけ?にやにや~
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「エリザベス・カトリーナ!お前とは今日限りで婚約破棄だ!」
それは聖女が決まる一週間前のこの国恒例の神様に感謝を捧げるパーティーでのこと。この場で似つかわしくない話題に動揺が走ります。
「殿下、この場でその発言は似つかわしくありません。それに婚約は陛下が不在の今、話し合いにもならないでしょう」
冷静に冷静にと動揺を抑えながら私は対処しようとしました。政略結婚と言われればそれまでですが、この時の私はまだ純粋に殿下に好意があっただけにその言葉に傷つかずにはいられなかったのです。
殿下の隣に佇むひとりの令嬢にもしかしてと思う気持ちとそれでもと抵抗したがる私の想い。しかし、それは殿下によって打ち砕かれていきます。
「わかっているだろう。この国の王になるには聖女の存在が必要不可欠。婚約はこの国の王子である俺に委ねられている。よってお前が聖女のはずがないのだから婚約破棄は当然。リアンのように心優しき美しいものが聖女に間違いないだろうからな。何より神の声を聞いたと言うのが何よりの証拠」
そう、この国だけの絶対的決まり。それは聖女が神に近い存在として絶対的王者であるということ。ただ、聖女が王族に嫁ぐ場合に限り聖女の権限を結婚相手の王族に譲ることになるという不思議な決まりがある。これは王族に特別な血があるから許されるのだとか。
王族に嫁がない場合は聖女は生涯王より上の身分として君臨する所謂女王。聖女は聖女が亡くなることで新たに誕生する日が教会によって発表される。先日亡くなったのは陛下の妻であるリサイア様。リサイア様こそが聖女様でもあった。
恐らく殿下は自分がまだ結婚してないだけに確実な王としてなりたい気持ちが勝ったのかもしれない。悲しいことだと思う。私が聖女じゃなくても愛してくれると信じていたからこその悲しみ。
リサイア様が亡くなる三日前に殿下を頼まれたのに、それができなくなる悔しさ。
でもそれより辛かったのは……
「それにお前はリアンをいじめただろう。そんなものを王妃にできるか!」
「いじめ……た?そんなことしておりません!」
やってもない罪を責められたこと。リアン様の存在は知っていた。けれどそれだけ。きっと殿下は聖女のこと以上にリアン様にも惹かれているのでしょう。だから前から仲良くされていた……知っていた、知っていたわ。
けれど、きっと平民から貴族入りして慣れない彼女に優しくしてるだけだと………っなんでこうなったのかしら?
気がつけば否定をしてなんで信じてくれないのと、誰も助けてくれないその場で私は衛兵たちによって捕まり抵抗虚しく檻に入れられた。
「聖女認定式だけは出してやる。それがお前の最後の日の出となるだろう。終わり次第お前みたいな女は死刑だ」
「殿下、違います。お願い……信じて………っ」
「父上には私から話せばわかってくれるだろう」
「殿下……待って!でんかあぁぁーっ!」
とまぁこんな感じで私は心が………
「嘘も大概にしとけ」
「ちょっとうるさいわよ」
邪魔が入ったけど続けますわね?
それは聖女が決まる一週間前のこの国恒例の神様に感謝を捧げるパーティーでのこと。この場で似つかわしくない話題に動揺が走ります。
「殿下、この場でその発言は似つかわしくありません。それに婚約は陛下が不在の今、話し合いにもならないでしょう」
冷静に冷静にと動揺を抑えながら私は対処しようとしました。政略結婚と言われればそれまでですが、この時の私はまだ純粋に殿下に好意があっただけにその言葉に傷つかずにはいられなかったのです。
殿下の隣に佇むひとりの令嬢にもしかしてと思う気持ちとそれでもと抵抗したがる私の想い。しかし、それは殿下によって打ち砕かれていきます。
「わかっているだろう。この国の王になるには聖女の存在が必要不可欠。婚約はこの国の王子である俺に委ねられている。よってお前が聖女のはずがないのだから婚約破棄は当然。リアンのように心優しき美しいものが聖女に間違いないだろうからな。何より神の声を聞いたと言うのが何よりの証拠」
そう、この国だけの絶対的決まり。それは聖女が神に近い存在として絶対的王者であるということ。ただ、聖女が王族に嫁ぐ場合に限り聖女の権限を結婚相手の王族に譲ることになるという不思議な決まりがある。これは王族に特別な血があるから許されるのだとか。
王族に嫁がない場合は聖女は生涯王より上の身分として君臨する所謂女王。聖女は聖女が亡くなることで新たに誕生する日が教会によって発表される。先日亡くなったのは陛下の妻であるリサイア様。リサイア様こそが聖女様でもあった。
恐らく殿下は自分がまだ結婚してないだけに確実な王としてなりたい気持ちが勝ったのかもしれない。悲しいことだと思う。私が聖女じゃなくても愛してくれると信じていたからこその悲しみ。
リサイア様が亡くなる三日前に殿下を頼まれたのに、それができなくなる悔しさ。
でもそれより辛かったのは……
「それにお前はリアンをいじめただろう。そんなものを王妃にできるか!」
「いじめ……た?そんなことしておりません!」
やってもない罪を責められたこと。リアン様の存在は知っていた。けれどそれだけ。きっと殿下は聖女のこと以上にリアン様にも惹かれているのでしょう。だから前から仲良くされていた……知っていた、知っていたわ。
けれど、きっと平民から貴族入りして慣れない彼女に優しくしてるだけだと………っなんでこうなったのかしら?
気がつけば否定をしてなんで信じてくれないのと、誰も助けてくれないその場で私は衛兵たちによって捕まり抵抗虚しく檻に入れられた。
「聖女認定式だけは出してやる。それがお前の最後の日の出となるだろう。終わり次第お前みたいな女は死刑だ」
「殿下、違います。お願い……信じて………っ」
「父上には私から話せばわかってくれるだろう」
「殿下……待って!でんかあぁぁーっ!」
とまぁこんな感じで私は心が………
「嘘も大概にしとけ」
「ちょっとうるさいわよ」
邪魔が入ったけど続けますわね?
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