見出された運命の先に

イミティ

第22話


 お待ったせ致しましたァァ!!
 うむぅ、思ったよりもお色気描写が長いというかまた丸々一話そっち系の話になってしまいましたが、大丈夫、伏線的なものは残した。ただのお色気にはなっていない。

 いや、投稿予定日より三日も伸びてしまい申し訳ありません……お色気って大変でして……あ、あとですね、今回は試験的に『 』も入れてますが、そこはまぁご了承ください。

 そして、前回の続きですよ?(基本これ言う時はアレ)








 ふにっ。ふにっ。

 ふにょん。くにっ。

 ───何だろうか、凄く柔らかくて、気持ちいい感じの何かが、右手の中に収まっている。
 それも、どうも変な握り方をしている様子。鷲掴みではなく、こう、人差し指以外の四指でを握っていて、人差し指だけは、少しだけを押さえるように、そこに添えていた。

 果て、こんな変な持ち方するなど、おかしなこともあるものだ。いやいや、明らかにおかしいだろ。

 さっきまで寝ていた俺が何を掴んだらこんな持ち方をするのだろうか、と考えられるほど思考は働いていなかったので、無意識でそれを確認するために指を動かせば……。

 「───んっ 」

 なんだか甘い声が響いた。面白いなと思って動かそうとして、ふと、先程それで盛大にやらかした気がして、思いとどまる……こともなく動かしていた。
 思考は活性化し始めていたが、依然として微睡んでいたのには違いない。

 「んぁ……  と、刀哉にぃ、ダメぇ…… 」

 甘い声音で名前を呼ばれた。あぁ、今俺が抱き枕のように抱きついているのは金光なのかと遅れて気がつくが、離す気は無い。
 どうせ夜のうちに夜這いでもかけてきたのだろう。それで一緒に布団に入ったまま朝を迎えたとかそんな所で、それならこういう事態も想定しているはず。俺が遠慮する必要は無いな。

 くにくにと擬音がなりそうな指の動かし方をしたら、俺の腕の中に居た金光はビクッ、ビクッと震えた。

 「そ、そんな弄り方……しちゃ……っ 」
 
 この感じ。ということは、俺が触ってるのは多分金光の胸なんだろうな。そして人差し指を添えているのは……そのか。道理で少し硬くなっていると。

 それをそうと理解しても、特にやめることは無かった。
 むしろ理解したからこそ、これ幸いとばかりに刺激していく。

 「んぁっ……  それぇ、先っぽ、ビリビリ、きちゃうからぁ……  刀哉にぃ……本当は、起きてるんでしょ……?」

 いいえ、起きていません。俺は寝ています。これは寝相です。
 だからそのまま左手が金光の腰に降りていって、パジャマの内側に入り込んでしまうのも、全部寝相だ。

 「ひぁっ……そこ、触っちゃ……」

 どこを触っちゃダメなのか。少なくとも金光は俺の腕を掴むだけで、それ以上力は込めてこないし、抵抗もしない。

 これは同意の証だなと、パジャマを脱がしていく。

 多分俺が起きているとは確信しているだろう。まぁ、確信していなくてもいいのだが。そしたら寝相で誤魔化そう。誤魔化しついでに色々としてしまおう。

 「刀哉、にぃ…………そんな、ところ……指、入れ……っ 」

 切なげな声と、そこから直ぐに変わる犯罪色のある甘い声音。
 
 妹にしか、金光にしかこんなことは出来ないだろうな。流石にクーファには……いやどうかなぁ、もし今と同じ状況ならやってしまうかもしれない。
 大体、二人とも超がつくほどの美少女なのに、無防備にも入り込んでくるのが悪いと思うわけで、それの箍が一度外れてしまったら、俺とて自制など難しい。

 ……という言い訳に過ぎないことは分かっているが、絶対俺だけに非があるなんてことはないはず。
 ないはずなので、俺がこうしてしまうのは仕方ないことだと思おう。

 「ダメぇ……  これ、以上は……ぁっ  き、きちゃう、よ……刀哉にぃ……  」

 ダメと言いながら、一切の抵抗を示さない。俺の腕を動かそうとしたり、叩いたりなんてこともしないし、声音に嫌な感じは欠片も混じっていなかった。
 それが完全に分かっているから続けてしまうわけなのだが。少しでも分からなかったら、万が一を考えて止めてしまったりとかもあるはずなのに、完全に分かってしまうからこそ、続けていいんだなと理解出来る。出来てしまう。

 これ、多分金光もスイッチ入ってるから、までいけるんじゃないかなって思ったり。抵抗、無いだろ。きっと。

 「本当に、ダメだよ……刀哉にぃ……っ  私、これ、変になっちゃう……からぁっ 」

 俺の予想通り、抵抗はない。反射的な羞恥による反応ぐらいで、俺の事を止めようという気持ちは一切ない。結局のところ口だけの話だ。
 それを俺に悟らせてしまうから、俺がやってしまう訳で、変になってしまうなら、そのまま一気に───。

 

 ───果て、何かがおかしい。金光にこんなことをしているからか? いや、それはおかしく感じるほどのものじゃない。



 何がおかしいのか分からないが、確かな違和感が俺を包み込む。それはすぐに肥大化して、思考すらもまるで憑き物が落ちたようにクリーンになっていき……。









 「───とう、やぁ……っ」

 俺はその声で、

 現実───いつもの様に夢から現実に意識が切り替わったのだが、何故か依然として、手のひらの感触はだった。

 先程までは金光の体に触れていた。じゃあ、今は? 感触的にはほぼ同じだ。

 それはつまり、現在進行形で先程の夢の中で俺が触れていたものと同等のそれを掴んでいるわけで……。

 「………っ」

 ふにゅん───思わず開閉してしまった手が伝えてくる柔らかな感触と、それに合わせたように漏れる、水気を伴った息遣い。
 急速に活性化していく思考が確認を待たずに有罪判決を下そうとする中、目の前に長い黒髪があることに気がついて、それで俺は体勢を把握した。

 既に起きている時と同等レベルになった思考は『昨日は確か……』などと確かめることなく、目の前の人物がルリであることを認識し、更に言えば俺はルリを、夢の中と同じように抱きしめていることに気がついた。
 
 夢の中と同じだ。ということは、何だ、まさかこの右腕は、あろうことか昨晩と同じようになっているのか? 本当に?

 いやいや、いやいやいや、まさか、本当にそんなことになっているはず……。

 ……ふにふに。少し弱めに力を込めると、そんな感触が返ってくる。しかもこれ、器用にも俺は多分に触れてしまっている様子。
 あぁ、だから夢の中と同じ体勢と言えるのか……人差し指の位置も変わらない。に添えられていて、押さえるかのように、ルリの手が俺の手に触れている。

 そして左手もまた、こちらは直では無いが、察して欲しい。俺とて実際に見た訳じゃないが、右手との位置関係から考えるになのだろう。

 ───首元に、死神の鎌があてがわれているように感じた。そうして目の前にいる死刑執行人が親指を下に向けて放つ、『有罪ねギルティ』と言う言葉が……。

 「………ぁっ 」
 「っ、悪いルリ、今離れる───」

 ルリの小さな嬌声という死刑宣告と共に、俺の耳に届いた。

 だがルリが俺の腕の上にいるせいで、思うように動けなかった。ちょうどハマるような部分に居るらしく、体の位置関係からしても力が込めにくい。

 結果として言葉とは裏腹に俺はそのままになっていて、唯一左手だけは解放できたものの、それだけだ。
 ルリも俺が起きたのをそれで理解したはずだが、その場から動く気配はない。

 「……んっ……トウヤ。おは、よ……っ……」
 「あぁ、おはよう……じゃなくて、いや、あの、どいてくれないと、胸から手が放せないんだが」

 こんな状態なのにも関わらず、敢えて気にしないようにしているかのように、肩越しにルリはこちらを振り返って朝の挨拶をした。色々な意味で赤い顔と、ピクっと微かな痙攣。
 依然として、右手は彼女の小さい胸に触れたままだ。服の中に手を突っ込んでいるせいで、手首を返して離すことも出来ない。だから退いて欲しいし、じゃないとこちらも大変なのだが。
 
 「……トウヤ、夜、うなされ、てた……」
 「……そう、なのか」

 突然関係ないような話を振られて戸惑う……が、取り敢えず合わせた。わざわざ意味の無い話をするほどルリは不思議ちゃんでは無いし、その話には一応心当たりがある。
 夢自体が例え幸せなものでも、現実の俺にとってそれは毒でしかない。その差を寝ている俺が理解しているのかは知らないが、それでうなされているとなれば、わかる気もする。

 「それで、それがどうしたんだ?」
 「……手、握ったら、治まった……から」

 ルリが俺の手を握ったらそれが治まった、ということだろうか……昨夜は何だかんだ早く眠れたので覚えてなどいるはずもないが、もしそうなら、今日の寝起きが思ったよりもスッキリしていたのはルリのお陰があるのかもしれない。

 夢の内容のせいで少し悶々としている所はあるのだが……ともかく。

 「それなら、ありがとうな」
 「……ん」
 「……で、結局どうしてこうなったんだ?」

 そう、それはとてもありがたいのだ。ありがたいのだが、ルリがどいてくれない理由にはならない。俺の手は現在進行形でルリの胸に触れているし、そんな状態で、その相手と普通に話すとか実は結構ポーカーフェイスが崩れかかっているのですが。
 手を握るならまだしも、これは完全にアウトだ。

 「……手、握ってたら、トウヤ……抱きついて、来た……」
 「な、なるほど……」
 「……体、いっぱい……触ら、れた……」
 「いや……ホントにゴメンなさい」

 確かに、触っている。今も。ルリの恥ずかしそうな声は当たり前で、そこに嫌悪感が微塵も含まれていないことが奇跡に近いと言えるだろう。

 それにしても、もし夢の中と同じようなことを寝相でしていたら、多分相当やばいことをルリにしていたと思う。それこそラッキースケベ主人公が如く寝相で色々なところを触りまくっていたのだろう。
 が、ルリは責めているわけじゃないらしく、首を振る。

 「……寝相は、仕方、ないって……昨日、言った。だから……気にして、無い………っ」
 「頼む、気にしてないならそんな反応しないでくれ」

 ピクっとたまに動くのはこちらの精神に多大な負荷をかけてくるので出来ればやめて欲しい。さもなくば、色々大変なのだ。

 しかし、ルリは俺の言葉は聞き流して、「それに……」と続ける。


 「……私を、抱きしめてる、時───『』って、言ってた……」
 「…………」


 ───ルリの言葉に、思わず閉口した。

 寝言とはいえ、金光の名を呼んでしまったことに対する驚き、それをルリに聞かれてしまったことに戸惑い……なにより、寝ていたとはいえ、それはルリを、してしまったことに他ならないという、

 「……安心、してる感じ、だったから……このまま、の方が、いいかなって……思って……」
 
 朝起きた時、ルリが俺に抱かれたままだったのは、俺がそれで安心していたからだと。それだから仕方ないと受け入れてしまうルリもルリだが、今ここでそこを指摘してもどうなもならないだろう。

 酷く居た堪れない気分になってしまうのは、体に触れてしまったことよりも、ルリのことを、と勘違いしてしまったからだ。
 
 「……悪い」

 だからその一言は、先程までとは謝る対象が違っていた。
 目の前の人物に、他の人を重ね合わせてしまったことに対する謝罪。それは多分、人によっては快くないものだし、あまり良くないことでもある。

 いや、最初からそうだったのかもしれない。俺がルリを選んだ理由も、昨日一日感じていた、無意識にも距離を縮めようとしてしまうあの感じも全て、ルリを『妹』のように認識してしまっていたからなのかもしれない。

 それを特に気にしていないと首を振ることが出来るルリは、本当に寛大で、というより寛大すぎて、城の頃と比べてしまうと、まるで性格が変わったようにすら思えるほどに。

 「……別に、いい。私は、一応……トウヤの、、だから……」
 
 ……否、性格が変わったように思えたのではなく、多分ルリの方が実際に変えたのだ。
 建前である、家族という設定。それを持ち出したことこそ、ルリが俺に対しとても寛容であることの理由なのだろう。

 家族なら、色々と許せる。俺がルリに誰かを重ねていても、混同していても……こういうことをしてしまっても。
 それを自分に言い聞かせているのか、それとも、それこそルリの方が何かをのか。ルリにとって今回の件は怒ることではなく仕方ないことで、俺に非は無いと言いたいのだろうな。

 何にせよ、そうやって言ってくれるのなら、謝罪だけで済ませるのも後味が悪い。

 「分かった。そういうことなら……ありがとうな。お陰で、久しぶりに悪くない目覚めだ」
 「……ん」

 ルリが一緒に寝てくれたおかげなのだろう。本当に、いつも感じる絶望感や喪失感が、驚く程に少ない。落差は当然あるし、涙も少なからず流していたが、その程度。
 慣れたと言うより、久しぶりの人肌の温もりに癒されたとでも言おうか。

 そう、人肌の温もりに……無意識で動いてしまう右手が、平らながらもほんの微かに膨らみのあるそれの感触を再び伝えてきた。

 「…………それでだな、ルリ。結局どうしてこの体勢のままなんだ?」
 「……無意識に、触って、きたから……こういうの、安心、するのかと思った……違った?」
 「誤解だ」

 たまたま夢の内容がそういうのだから寝相にも影響したのであって、別にそういうことをして安心を得ているような変態ではない。が、ルリは微かに笑みを零したようだった。

 「……誤解、なら……じゃあ、これ…………?」
 「っ……!」

 そう言って動かすのは、腰。もぞもぞと、違和感を感じていたのだろうルリが動くと、それに合わせてズボン越しにが擦れるのがわかってしまって……朝起きた時から、いや、起きる前から、ずっとルリにを押し付けてしまっていたのかと、ようやく失態に気がついた。

 「……冗談。朝が、こうなっちゃうの……知ってる、から……大丈、夫……」

 男のあれこれについて理解あるルリなのだが、そうやって気遣われるのもまた……何よりルリは、腰を離そうとしてこない。俺が離しても、自分から、当たるのも構わず密着してきて。
 これはいけないと、瞬間的に判断した。

 「る、ルリ……本当に情けないし、最低な頼みなんだが、いいか?」
 「……ん、何?」
 「少しだけ、部屋から出ててもらえないか? その……

 何を、とは言わないし、言わなくてもわかってくれると信じていた。
 流石に今、これを放置することは許されないし、先程の続きの話をしていけば、それこそ色々と裏目に出てしまう気がする。現にルリは、どこか積極的で、対応に困る。

 ならこれを口実に、一度体勢を整えようという思いもあったのだが。

 幸いにしてルリは、しっかりと言葉通りの意図を汲んでくれた様子。

 ゆっくりと、ようやく退いたことで、俺の手も解放される。長時間触れていたからか、右手には感触が残っているが、今はそれが

 「…………大変、だね」
 「ルリ、今はその一言が結構辛いと察してくれると助かる」

 ルリもまた、具体的なことは聞いてこなかったが、俺がこれからどうするのかは予想が着いているのだろう。その、『私は気にしないから』とばかりの慈愛の笑みが、今はとても辛い。
 見た目小学生レベルの幼女にそんなことを気遣われるのは、非常に危険だ。何か、変な気分になる。

 何より非常に苦しいのが、一概に朝の生理現象と言えないところなのだ。

 つまり───ただ純粋に、そういう気分になってしまったから、のかもしれなくて。しかもその気分を、夢から続いているとはいえ、ルリに対して抱いてしまっているともなれば。

 ルリは動揺や困惑、羞恥などを隠すことも無く、けれど気遣って部屋の外に出てくれた。それも廊下で待機ではなく、わざわざ階下まで降りていったようだ。部屋の前に居られると落ち着かないと思ったのだろうか。

 「……確かに、誤解とは言えないな」

 そういう行為もまた、ある意味安心感を得たり、はたまたストレス解消になることは違いないし、それが生理現象というものだ。否定することこそ本来は難しい。

 だから俺がこうすることも別に何も間違ってはいないはずだし、そういう理解ある異性が近くに居てくれるのもとても助かる気はするが、その異性が見た目小学生の年齢不詳ロリ幼女って……旅を始めて初っ端からこれでは、色々な意味で先が思いやられてしまう。
 せめてそういうのは隠しておくのが男としての気遣いではないか。大っぴらに言うなど言語道断……と、自分自身に説教したい気分だった。

 それでも、もう仕方ないとため息を吐いて、俺は後悔や反省など、多分なネガティブな感情を抱きながら……に入った。





 『 』つけるだけでなんか一気に雰囲気変わりますよね……今更ながら、このお話大丈夫だよな? 前回消されてしまったやつほどでは無いので大丈夫だと思いたい。

 次回は明日投稿出来ますので。ちなみにそれで第二章は終わりですので!
 そしたら幕間を数話挟んで第三章に突入致します。ちなみにもしかしたら何となく察してるかもしれませんが、今作のお色気は結構踏み込んでいきます。

 いや、まぁ……うん、お色気苦手な人は申し訳ないですが、お色気好きな人にはきっと朗報でしょう。はい。

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