問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』
6-301 崩壊との関係性
――剣の創造者は、この世界を何とか保ちたいと考えていた
そのために剣の創造者は、キャスメルの身体を使ってサヤと接触し、世界の崩壊の鍵となる人間のうちの一人を味方につけたのだ。
剣の創造者はガレムを通じて、サヤと接触を図った。その目的は、この世界を守ることだった。
断わられた場合にはサヤを消すことも考えたが、そうなることもなく無事に交渉が成立した。
ハルナが元いた世界に戻る前、ステイビルの周りでは再び戦闘が起きていた。
ガレムが反乱を起こし、その騒動を利用してサヤはミレイを攫ってキャスメル側へと寝返っていた。
あの時のミレイは、サヤとガレムが逃げる際の人質として考えていたが、剣の創造者の話しではそうではなかった。
実はミレイも、特別強い精霊の力を持って生まれていた。
エレーナとアルベルトの子……ミレイは精霊と契約する必要がなく、自身の体内にある元素だけで自在にその力を操ることができた。その力は人間という生物の中でこの世界で初めて、ラファエルなどの神と同じ力を発揮できる新しい形態の人類が誕生した。
しかし、その能力は誰にも知られることなく、力を失うこととなる。
サヤがミレイを攫ったのは、その力が理由だった。
拳の創造者が説明するには、この力もまた世界を崩壊させるための力となりえる力とのことだった。
ミレイが体内に持つ元素の量は、ハルナ程ではないが最終的に成長して青年期になれば、ミレイもラファエルたちに近い元素の量が保有できるとのことだった。
そのことに世界の崩壊の危険を感じた剣の創造者は、ミレイの持つ元素の量を奪うことにした。
「ちょっと待ってください!?ミレイちゃんの力が、どうして世界の崩壊と関係が!?」
「先ほども伝えた通り、世界を崩壊させるには莫大な量の力が必要となる。ラファエルやミレイの量では一気に崩壊させるには足りないが、この世界に亀裂をいれて徐々に崩壊させていくだけの力はあるのだ」
「では……どうして、ラファエルさんたちではだめなんですか?ミレイちゃんじゃないといけない理由はないと思いますけど」
「我々に……そう。お主たちが言う”神”という存在では、我々が直接手を下すことができないからだ」
その言葉に、ハルナはオスロガルムとの対決の際に、盾やモイスたちを不思議な力が働いて攻撃が避けられていることを思い出した。
「そういえば、オスロガルムさんと戦った時。モイスさんの攻撃が当たらなかったのは……」
「そういうことだ。なぜかは知らないが、この世界ではそういうことになっている」
「だから剣と盾の創造者だと、直接的な攻撃ができない?」
「そうだ。だからこそ、お互いがつながりを持ち、その法則を回避する必要がある。だが、お主の場合は、まだつながってないのならば、その状況でいてくれていた方が世界が崩壊されずに助かるのだが」
ハルナの頭の中に、色々な情報が流れてきてその整理がつかずに混乱をしていた。
言ってしまえば、いま剣の創造者が告げたことが、本当のことなのかどうかもハルナには判断がつかない。
ただ、盾の創造者がずっと黙っていることから、ある程度間違っていないことを言っているのではないかとハルナは盾に悟られない程度に考えていた。
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