問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』
6-297 それぞれの要求
「それじゃ……サヤちゃん。どうなるの?」
ハルナは心配そうな顔をして、サヤに問いかけた。
自分自身が確認された時から不安になっていたが、サヤは既に背中に背負う剣と繋がっていたという。
能力が向上したいるとかそういうことではなく、そのデメリットがどのような者であるかが、ハルナには判断がつかなかった。
きっと盾の創造者に聞いたとしても、はぐらかされてしまいそうな気がしていた。
ハルナは正直なところ、ハルナはラファエルたちと同じように、盾の創造者のことを信用できないでいた。
「どうもこうもないよ。つながったとしても、死にはしないらしいからね……一応は」
ハルナはサヤからのスッキリとしないその返答に、モヤモヤした気持ちを全力でぶつけていく。
「……なにか隠してない?じゃなければ、私がこの盾とつながってないか聞いた時は、私のこと心配してくれてた感じだったじゃない!?」
ハルナのの言葉にサヤは一瞬目を見開き、すぐに元の表情に戻した。
そして、見つめてくるハルナの視線を避けるために目を閉じて首を横に振って溜息を吐いた。
「ったく、アンタはさぁ……まぁいいけど。もし、その盾とつながっていないなら、それをこっちに寄こした方がいいよ」
「……なんで?」
「アンタが今知らなくていいんだよ。こっちは切羽詰まってんだから、さっさと渡せばいいんだよ!!」
二人のやり取りを聞いていた盾の創造者は、この機会を逃さないようにと、ハルナに対して提案をする。
『ハルナ、どうやらサヤは、あの剣に支配されているようです。一刻も早く手を打たなければ、あなたのサヤは手遅れになってしまいます。私と手を組みましょう、そうすれば私の力でサヤを助けて差し上げますよ?』
(支配されてるんですか?だとしたら、このサヤちゃんはサヤちゃんじゃないってことですか?)
『……その可能性が高いでしょう』
(さっきのサヤちゃんの話しだと、一度つながったら解除できないようなことを言っていたのは?)
『それも、きっと騙されているのでしょう。つながることに対しての不利益は、あなたにとってもないはずです』
(でも……)
「――ハルナ!!!!」
ハルナが盾の創造者とのやり取りをしていた途中で、サヤが再びその時間に割り込んでくる。
その勢いは、先ほどの切羽詰まったという言葉通り鬼気迫るものがあり、こんな至近距離でも長い槍を振り回してきた。
「――ひやぁっ!?」
ハルナはサヤからの奇襲に対し、急いで地面を蹴って席を立つと同時に後方へ風の力を利用して移動した。それと合わせて、薙ぎ払う槍の軌道の早い位置に石と氷を合わせた壁を創り出し、その攻撃を遅らせることによって何ひとつダメージを受ける事もなく逃げ出すことができた。
「ちょっと!?何するのよ!!」
「アンタいま、その盾と話しをしてただろ!?そいつの言うことに耳を貸すんじゃないよ!!」
頭の中に直接話しかけられているため、耳を貸すという言葉を不思議に感じながらも、サヤの言葉と気迫にハルナは再びサヤからの攻撃に集中した。
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