問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』
6-261 質問2
『その者が、どこかにその存在を隠してしまっていたのです』
隠していた場所とその存在について、ハルナは思い当たるところがある。
オスロガルムとの一件が終わった後に、現れた人物について思い浮かべた。
「それって、あのスーツ姿のひとですか?」
『スーツ姿かどうかはわかりませんが、その者で間違いありません……』
「判らないのに……どうしてわかるのですか?おかしくないですか!?」
矛盾する創造者の言葉に対し、苛立ちながらエレーナは問い返す。
後方にいるラファエルが、エレーナの態度に気を悪くしているのではないかと、ハルナは目線を後ろに送る。
その理由は、エレーナやステイビルが一番この世界で最上位の地位にいると考えていた神々の存在。
創造者とは、その名の通りにラファエルたちを生み出した存在。
その存在を侮辱するような物言いをするエレーナに対し、何らかの感情を抱いていないか心配になっていた。
だが、その心配も無用で、ラファエルはただただこの状況を見守っているだけだった。
全てにおいて、創造者に対して任せているのだろうとハルナは感じた。
『エレーナ……あなたの言うこともわかります。ですが、それはあなたがこの世界の”仕組み”を知らないだけです。そのことについて、私はあなたに思うことは何もありません。そのようなことは知らなくて当然ですので……』
「……!?」
『あえて説明をするのであれば、我々だけがこの世界の中でそう言った行動ができるということです。エレーナ、あなたが疑問に感じている答えは、これだけですよ』
エレーナは創造者の説明に、言葉を飲み込んだ。その反動で、自分の無知と思慮の浅さをさらけ出してしまったことに恥じている。
だが、創造者はそんなエレーナの態度について、何も思うことがないというのは本当のことだった。
創造者はそのことを気に留めず、話の続きを語り始めた。
『それは置いておいて……先ほどのお話なのですが、もう一人の創造者が関わっていると考えて間違いありません。その理由は先ほどお伝えした通り、私たち以外の者には不可能な対応だからですよ』
「ということは……そのスーツ姿の男の人が、もう一つの世界を創ったってことですか?」
『そうですね……ハルナ。あなたの言う通りだと思います』
その答えを聞き、さらにステイビルは事前に用意していた質問を投げかける。
「……では、別な質問をさせていただきたい。我々はオスロガルムを倒すことで、この世界の崩壊が始まると聞いておりました。ですので、力を持つハルナに対してラファエル様もご協力いただいておりました。その結果、オスロガルムが倒れた後でも世界の崩壊は免れたようですが、ハルナは違う世界に飛ばされてしまっていた。そのような状況についてはどのようにお考えなのですか?」
『まず、オスロガルム……あなた方がそう呼んでいる存在は、この世界に存在してはいけないものでした。ですが、その存在がこの世界をどうにかする方法は、本来ありませんでした』
「本来?それはどのような意味でしょうか?」
『それは……ハルナのお仲間であったサヤと言う存在によって変化が起きてしまったのです』
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