色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

エピローグ

 ベールを取ると、愛らしい顔が俺を見つめていた。

「結菜、きれいだよ」

「ミーくん……嬉しい」

 そして、俺はウエディングドレス姿の結菜を抱き締め、キスをした。

 あの学園祭のステージに立った時よりも、歓声は大人し目だけど。

 それでも、十分に幸せすぎる、優しい祝福の声が飛び交う。

「お兄ちゃん、結菜ちゃん、おめでとーう!」

 妹の日向の声が響く陰で、

「湊人、もげろ~!」

「結菜ちゃんのデカ乳女ぁ~!」

 恵一と小鳥遊がアホなことを叫んでいた。

「谷川結菜のバカ~!」

 周防院よ、もうその呼び名は違うぞ。

 まあ、どれもこれも、ありがたい祝福だ。

 俺と結菜は微笑み合った。



      ◇



 俺は高校卒業後、すぐに就職した。

 銀行マンである。

 意外とよく言われるし、お前みたいな脳筋バカにそんなインテリな仕事が務まるはずはないと言われたけど。

 持ち前の体力とガッツを活かし、営業部の兵隊として芽が出た。

 入社2年目にして、色々な仕事を任せてもらっている。

 結菜もまた、大学に進学しなかった。

 結菜は本当に成績が優秀で、レベルの高い国立でも受かる学力だったから。

 色んな人が絶対に進学した方が良いと言ったけど、結菜はその道を選ばなかった。

 そして――俺だけの嫁になってくれたのだ。

「うーん、やっぱり結菜のみそ汁は美味しいなぁ」

 晩ごはんの席にて、俺はしみじみと呟く。

「うふふ。たくさんあるから、いっぱいおかわりして」

 結菜は優しく微笑んで言う。

「けど、こんな美味しいご飯を食べたら、何だか気力がモリモリ湧いてくるな~」

 俺はチラ、と結菜を見て言う。

「や、やだもう、ミーくんってば」

 結菜は俺の言わんとしていることを察して、赤らめた頬を両手で押さえる。

「よ、よーし、今日も結菜とたくさんエッチを……」

「あ、あのね、ミーくん」

「ん? どうした?」

「じ、実は、その……出来ちゃったの」

「え、美味しい料理が? もうお腹いっぱいだよ~」

「そ、そうじゃなくて……」

 結菜はお腹を押さえながら、モジモジしている。

「も、もしかして……赤ちゃん?」

 俺が言うと、結菜はコクリと頷く。

「や、やった……ついに、俺と結菜の愛の結晶が実ったんだな!」

 俺は立ち上がり、結菜を抱き締める。

「ミ、ミーくん」

「あ、ごめん。強過ぎたか?」

「ううん、平気だよ」

 結菜はニコリと微笑む。

「けど、俺は本当に嬉しいよ。愛する結菜が、俺の子供を妊娠しただなんて」

「私も、すごく嬉しい……」

 結菜はほろり、と涙をこぼす。

「結菜……」

 俺はその涙を指先で拭いてから、結菜にキスをした。

「……ミーくん」

「あっ、でも……」

「どうしたの?」

「妊娠したってことは、もうエッチは出来ないよな……今晩はおあずけか」

 俺は思わずガックリとしてしまう。

「……ミーくん、今晩だけは、良いよ」

「えっ?」

「その代わり、優しくしてね? じゃないと、赤ちゃんがビックリしちゃうから」

「ゆ、結菜……ありがとう」

「うふふ。明日からは、本番エッチが出来ない代わりに……おっぱいでしてあげるから」

「お、おっぱいで……それはそれで、興奮するな」

 とかいってる内に、ギン!

「あっ」

「も、もう、ミーくんってば♡ やっぱり、こんなに大きいと、赤ちゃんが驚いちゃう」

「じゃ、じゃあ、やっぱりやめておくか?」

「ううん。今日は私も、して欲しいから♡」

「ゆ、結菜さ~ん!」

 そして……

「あっ、あ~ん♡ ミーく~ん♡」

 やはり、結婚して夫婦になっても、俺たちはラブラブだ。



色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった。



 完







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