色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

54 女神ってる結菜ちゃん

 今この場に、天使、あるいは女神が舞い降りていた。

「「「と、尊い……」」」

 クラスのアホ男子どもはこぞってアホ面を引っ提げている。

 それはなぜかと言うと……

「へ、変じゃないかな?」

「何を言っているの、結菜ちゃん。超かわいいよ~!」

「そうだよ~! マジ女神ってるって感じ~!」

「写メろうよ~!」

 そう、俺の嫁たる結菜が皆から尊がられている。

 なぜなら……

「メ、メイドさんだなんて……恥ずかしい」

 そう、来たる文化祭。

 我がクラスは喫茶店をやることになった。

 そこで、結菜はメイドに扮するのだと。

 多くのクラスメイト、だけではなく他のクラスの連中からも厚いリクエストを受けて、この度メイドになったのだ。

「ミ、ミーくん、どうかな?」

 可愛い結菜が可愛く俺を見つめる。

「よし……今すぐ家に連れて帰ろう。そのままベッドインして……」

「アホか、お前は!」

 バシィ!

「痛い……恵一、何をするんだ!」

「お前こそ何をするつもりだよ、メイド姿の結菜ちゃんを連れて帰って」

「だから、ベッドインだって……あいた!」

「結菜ちゃ~ん、おたくのエロ旦那が盛ってますよ~!」

「おのれ、恵一め~!」

 またクラス内が騒がしくなる。

「――全く、騒々しいクラスね」

 その時、鋭い声が響き渡った。

 クラスの全員が振り向くと、そこにはいかにも高飛車な女が立っていた。

「お、お前は……」

「ふっふっふ、美しく誇り高い私を前に、恐れ慄いているようね」

「……誰だっけ?」

 ズザー!と。

 何か偉そうな女は見事なまでのズッコケを見せた。

「周防院《すおういん》ひばりよ! 何で覚えていないのよ!?」

「えっと……マジで誰だっけ?」

「体育祭の騎馬戦であなた方バカ夫婦と戦ったでしょうが!」

「あー、はいはい。思い出したよ。で、何の用?」

「ふん、私が用があるのはあなたのお嫁さんの方よ」

「え、結菜に?」

 そして、周防院はズカズカと教室内に入って来る。

「えっと……周防院さん?」

「出たわね、谷川結菜……って、何よその格好は?」

「あ、これは学園祭にクラスで喫茶店をやるから。そのメイド姿なの」

「ふ、ふぅ~ん……ちょ、ちょっとだけ、可愛いじゃない」

「え、本当に? ありがとう」

「け、けども! 私の方がもっともっと可愛いから!」

 周防院は叫ぶ。

「で、結局お前は何がしたいんだ?」

 俺が肩をすくめて言う。

「う、うるさいわね。そうよ、谷川結菜!」

「あ、はい」

「あなた、学園祭のミスコンに出なさい。そして、この私と勝負よ!」

 周防院はビシッと結菜を指差す。

「いや、それは時間の無駄だろ」

「何でよ!」

「だって、どう考えても結菜が勝つだろうし。なあ、みんな?」

「「「うん、うん」」」

「くっ、おのれ~!」

 周防院は悔しそうに地団駄を踏む。

「しょ、勝負はやってみないと分からないじゃない! 谷川結菜、勝負よ!」

「えっと……でも、ミスコンってステージでみんなの前に立つんだよね? 恥ずかしいな……」

「何よ、今さら生娘ぶっちゃって! どうせあなたは、そのムカツク旦那といつも……いつも……」

 途端に、周防院は口ごもる。

「周防院さん?」

「……ええい! 何でもないわよ! とにかく、私はミスコンで必ずあなたに勝つから!」

 勝手に言うだけ言って、周防院は去って行った。

「……結菜も面倒な女に目を付けられたなぁ」

 俺はやれやれと肩をすくめた。



      ◇



「はぁ~、今日は何か疲れたなぁ。あのアホ女のせいで」

 自宅に戻ると、俺はため息を漏らした。

「ミーくん、もうすぐお夕飯ができるよ」

 キッチンから結菜が声をかけてくれる。

「うん」

 俺は結菜を見た。

 確かに、あのメイド姿は破壊力が抜群だったけど……

 普段から見ている、このエプロン姿が何よりも可愛らしい。

 小さくまとめたポニテも似合っていて可愛いし。

「ミーくん、どうしたの?」

「あ、いや。俺の嫁は可愛いな~って思って」

「やだ、そんな……照れちゃう」

 それから、俺は結菜が作った料理を運ぶのを手伝った。

「それじゃ、いただきます」

「召し上がれ♡」

 結菜は微笑んで言う。

 俺はまっさきにハンバーグに食らいつく。

「うん、美味い!」

「うふふ、ミーくんが肉食系だ」

「まあな。じゃあ、次はこの唐揚げを……」

「あ、待って」

「ん?」

 すると、結菜が自分の箸で唐揚げを掴む。

「ミーくん。はい、あーん♡」

「あーん」

 パクッとな。

「……うん。また一段と美味しくなるな」

「嬉しい♡」

 俺は微笑み結菜の可愛い顔から、視線を下にスライドさせた。

 ぷるるん♪

 可愛らしくも、立派なお乳が俺のことを誘っているような気がした。

「ん? どうしたの?」

 可愛らしく小首をかしげる結菜のおっぱいの俺は触れた。

「あっ……」

 モミモミ、と。

「んッ……ミ、ミーくん……ダメ……お食事中だよ?」

「ごめん。こっちもすごく美味しそうだったから」

「も、もう、エッチなんだから♡」

「結菜、箸休めにデザートをいただいても良い?」

「お、おっぱいのこと?」

「うん」

 俺が頷くと、結菜は頬を赤らめながら軽く唸り、

「……ちょ、ちょっとだけだよ?」

「分かった」

 そして……

「あッ、やッ、はッ……いや~ん♡」

 ごはんも結菜も、美味しくいただきました。







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