色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

46 エクスカリバー

楽しかった夏休みも終わり、新学期。

「よう、湊人」

「おう、恵一」

「おはよう、恵一くん」

「うん、おはよう、結菜ちゃん」

笑顔で言った恵一は、

「君たちは何でそんなにくっついているのですか?」

「ん?」

今、結菜が俺に腕にぎゅっと抱き付いていた。

「結菜、またおっぱい大きくなっちゃんじゃないか?」

「気付いた? ミーくんが毎日、いっぱい可愛がってくれるからだよ?」

「コラコラ」

アハハハハ、と俺たちは笑い合う。

「君たち、ここは家じゃなくて学校ですよ? よくもまあ、そんなに堂々とイチャつけるね」

恵一は笑顔のまま言う。

「まあ、俺と結菜は夫婦だからな」

「やだもう、ミーくんってば♡」

ピキッ。

「おい、野郎ども! この幸せ色ボケ野郎を一緒に成敗してくれ!」

恵一の一声で、それまで静かだったクラスの男子どもが雄叫びを上げる。

「な、何だ、お前ら!?」

「あ、結菜ちゃんはちょっと端っこに行っていてね」

「へっ?」

「さてと……み~な~と~く~ん。あ~そびましょ~う?」

恵一がニヤつきながら、背後の危険な男子集団を率いて来る。

「俺たち童貞」

「夏休みも童貞」

「今も童貞」

「サンハイ」

「「「童貞!」」」

「いや、知らないよ」

俺が言うと、奴らはコオオオオオォ、とムンクみたいな顔になる。

「野郎ども! 二度とエッチできないようにもいじまえ!」

「「「うおおおおおおおおおおおおおぉ!」」」

「やめてええええええええええええぇ!」

結菜が叫ぶ。

「全く、面倒な連中だなぁ」

俺はボリボリと後頭部を掻く。

そして、殺到して来たアホ男子どもに、

「せいっ!」

拳を叩き込む。

「「「ぐはあああああああああああぁ!」」」

奴らは一斉に吹き飛んだ。

「ひ、怯むなぁ!」

恵一に指揮のもと、また野郎どもが迫って来る。

俺は両手、両足を駆使して奴らを蹴散らす。

「「「ぐはああああああああああぁ!」」」

そして、とうとう……

「お、おい、湊人。そのデカブツは……」

「恵一、お前は親友だから、俺のエクスカリバーで仕留めてやる」

「や、やめろ! それだけはやめてくれ!」

「ちなみに、これで何度も結菜は昇っているぜ?」

「ミ、ミーくんってば♡」

「ちくしょうううううううううううぅ! もいでやるうううううううううううぅ!」

恵一は涙で無茶な特攻をして来た。

俺は奴の動きを落ち着いて見極め――切り捨てる。

「グハッ……!?」

俺の背後で、恵一がバタッと倒れる。

「ふっ、どうだ? 俺のエクスカリバーの威力は」

「いや、エクスカリバーじゃねえし……ガク」

恵一は死んだ。

「ミーくん、大丈夫?」

「ああ、結菜。無事だよ」

「ミーくんのエクスカリバーも無事?」

「アハハハハ! 全く、結菜はエッチな子だなぁ」

「だ、だって~!」

俺と結菜がイチャついていると、

「いや~、話には聞いていたけど、湊人くんのそれってマジでデカいんだね」

クラスの女子が言う。

「ズボン越しでもすごい」

「あたしの彼氏の10倍はあるんだけど」

「やだ、あんたもう~」

何かこちらはこちらで別の盛り上がりを見せている。

いや、盛り上がっているのは俺の聖剣の方か。

これ以上、晒しているのはよく無いな。

鞘に収めなければ。

すん。

「あっ……ミーくんのエクスカリバーが」

「結菜、俺も日々成長しているんだ。時と場合に応じて、ちゃんとしまえるようになったんだよ?」

「ミーくん、素敵♡」

「ハハハ」

俺と結菜は笑い合う。

「うわ~、マジでバカップルだ」

「でも、可愛いね~」

「お幸せに~」

女子たちは祝福してくれる。

一方、屍とかした男子たちは……

「「「……ううううううぅ」」」

何かひたすらに泣いているので、そっとしておこうと思った。

「……あっ、ていうか。湊人のエクスに触れたってことは、俺も間接的に結菜ちゃんと……むふふ」

「おっと、足が滑った」

むぎゅっ。

「……は、はほほふははひへ(か、顔を踏まないで)」

俺はアホの恵一の顔を踏みつつ、ふと小鳥遊と視線が合う。

小鳥遊は少し頬を赤らめて、何やら手を下の方に伸ばしかけている。

「どうした、小鳥遊?」

「へっ? いや、何でもないよ!」

慌ててそう言った彼女は、サッと両手を後ろに隠す。

「ミーくん、恵一くんが死んじゃうよ?」

「いや、でもこいつは結菜で嫌らしいことを考えたからなぁ」

「私は気にしていないから」

「分かった」

俺は恵一から足を離す。

「ぷはっ……湊人、見損なったぞ。お前は友達想いの奴だと思っていたのに」

「最初に戦争を仕掛けて来たのは恵一の方だろうが。俺こそガッカリだよ」

「何だよ、結菜ちゃんと夫婦仲になる前に、俺に色々と相談したくせに」

「まあ、それは感謝している」

「じゃあ、俺にも結菜ちゃんばりに可愛い女子を紹介してくれ~!」

「う~ん……自分で見つけろ」

「クソが!」

新学期早々、にぎやかなクラスだった。






          

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