色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

26 ヤリ手のビッチに陥落しちゃう!?

「湊人くん、あたしの胸を揉んで♡」

すっかり小悪魔ビッチの本性を露わにした小鳥遊が言う。

「いや、そんな訳には行かないだろ」

「何で? 嫁がいない今が絶好の浮気チャーンス、だよ?」

「だから、俺は浮気なんてするつもりはない。結菜のことだけを愛しているんだ」

俺はハッキリと言う。

「ふぅん、カッコイイじゃん。さすがはあたしの惚れた男だ♡」

小鳥遊は舌をちろりとする。

「よし、分かった。湊人くんはあたしに手を出すつもりは無いんだね?」

「ああ、そうだ」

「そっか、仕方ない……」

小鳥遊はなぜか口元で不敵に微笑む。

そして、俺の方ににじり寄って来た。

指先でつつ、と俺の体の胸から腹にかけての中心をなぞる。

少しだけゾクゾクとした。

「……あたしの方から食べちゃおうかな♡」

「おい、やめろ」

俺は小鳥遊の手を軽く弾くが、それでもまたスルリと伸びて来る。

頬に触れられて、小鳥遊の顔がぎゅっと近付く。

俺はキスをされるのかと思い動揺するが、唇から遠ざかって耳をかぷっとされた。

「あむあむ……う~ん、湊人くんのお耳おいし~い♡」

小鳥遊は勝手に俺の耳の味を堪能しやがる。

「もう片方の耳も……う~ん、香ばしい♡」

「何でだよ」

俺は軽くツッコむ。

「ねえ、今どんな気持ち? 愛する嫁以外に体を弄ばれて、どんな気持ち?」

「凄く罪悪感でいっぱいだよ。もし、お前が女じゃなければ、軽くぶっ飛ばしている所だ」

「やん、怖い。女に生まれて良かった~♡」

小鳥遊はそのまま舌を出して俺の首筋に這わせる。

「うっ……お前、他の男にもこんなことをしているのか?」

「さて、どうでしょうか?」

小鳥遊は俺をからかうようにはぐらかし、尚も首を舐める。

さすがに止めようと軽く押しのけた。

しかし、

「あんっ♡」

迂闊にも、小鳥遊の胸に触れてしまう。

「あ、すまん」

「はぁ、はぁ……やっと、あたしのおっぱいを揉んでくれる気になったの?」

「いや、だから揉まないって」

「貧乳だから? 湊人くんは巨乳にしか興味がないの? 差別だ~」

「そう言う問題じゃなくて、俺は結菜だけなの。結菜のおっぱいにしか興味がないんだ」

「ふぅ~ん?」

小鳥遊は目を細めて俺を見つめる。

おもむろに、はだけた制服の襟を引っ張った。

「チラ♡」

また胸チラを見せつけて来る。

「な、何だよ?」

「確かに、巨乳は大きな武器。世の男もたいがいは巨乳好き。けどね、貧乳にだって、魅力はあるんだよ? 例えば、このいじらしさとか」

小鳥遊は連続で胸チラをしながら言う。

確かに、サイズこそ小さいが、小鳥遊の胸はきれいだ。

うっすらとした膨らみ。

その合間に走るほんのわずかな谷間の線。

見ていると、何だか応援してやりたくなるような、そんないじらしさがあることは事実だ。

しかも、こいつはビッチなせいか、その見せ方がとても上手い。

絶妙に局部を見せない辺りも、悔しいが逆にエロスを感じてしまう。

「ねえ、もっとあたしのちっぱいに触れたくなったでしょ?」

「ち、ちっぱい……いやいや、そんなことはない」

「けど、さっきからあたしの胸、ガン見しているよ?」

「これは違う……俺には結菜だけなんだ」

俺は頑なに拒絶する。

対する小鳥遊はニヤリとしながらさらに迫って来た。

「あたし、さっきから熱いの……湊人くんの熱い視線のせいだよ?」

「バ、バカなことを言うんじゃない。早くちゃんと着直せ」

「うん。湊人くんが揉んでくれたらね♡」

「だから、それは無理だって」

「とか言って、本当は我慢の限界っしょ? 大丈夫、結菜たんには内緒にしてあげるから」

小鳥遊は本当に悪魔のように囁いて来る。

正直、そんなこいつが少しばかり魅力的だと思っていることは事実だ。

結菜とは全然タイプが違うけど、だからこそ……クソ、俺はこのままビッチの誘惑に屈してしまうのか?

半ば、己の未熟さに絶望しかけた時、俺はふと視線を落とす。

そして、ある事実に気が付いた。

「さあ、湊人くん。そろそろ観念して、あたしの胸を揉みなさい。もちろん、その先もオーケーよ?」

小鳥遊が俺の首に腕を回して言う。

「……フハハ」

ふいに、俺が笑い声を漏らすと、小鳥遊が軽くビクっとした。

「えっ、湊人くん? どうしたの?」

「いや、すまん。確かに、お前は魅力的な女子だよ。それは認めよう」

「でしょ~? だったら、このまま……」

「けど、やっぱりお前じゃ無理なんだ」

「は? 何が?」

小鳥遊は少しムッとした顔で言う。

俺はそんな奴の腕を軽く解くと、おもむろに立ち上がった。

「な、何よ、そんな風に立っちゃって」

「いや、立ってねえよ」

「え? 一体何を言って……」

小鳥遊はハッとする。

「さすが、察しが良いようだな」

俺はニヤリとする。

「そ、そんな……あたしのエロ攻撃に全く反応していないの?」

小鳥遊は打ちひしがれた表情になる。

その時、玄関のドアが開く。

「ただいま~。少し遅くなっちゃった」

結菜が帰って来た。

「おかえり、結菜。お、それはマイバッグか?」

「うん、時代はエコだからね」

「さすがは俺の嫁だな」

そんな風に、何気ない会話をしているだけ。

なのに……

「……ひゃッ!?」

小鳥遊が小さく叫ぶ。

つい先ほどまで萎えていた俺のジュニアが、ビーン!と立ち上がっていたのだ。

「な、何コレ……すご」

「小鳥遊よ、分かったか?」

俺は結菜の下に歩み寄る。

そして、軽くぎゅっと抱き締めた。

「あんっ♡ ミーくん、どうしたの?」

「いや、ちょっとな」

俺は小鳥遊の方を見ながら含み笑いを浮かべる。

厚かましいが同時にさかしい奴は悟ったようだ。

「結菜たん、あたしもう帰るよ」

「え? 蘭ちゃんお夕飯、一緒に食べないの? リクエストの唐揚げ作るよ?」

「ごめんね、ちょっと用事を思い出して。また今度、結菜たんのお料理をご馳走になっても良いかな?」

「うん、分かった。いつでも待っているよ。ねえ、ミーくん?」

「ああ、そうだな」

俺も笑いながら言うと、小鳥遊は肩をすくめた。

「じゃあ、お邪魔しました」

そして、ペコリと頭を下げて外に出た。

「残念だな、蘭ちゃん。一緒にごはん食べたかったのに」

「その内、また機会があるさ」

俺は言う。

「結菜、それよりも……」

「ミーくん?」







玄関ドアを閉じると、軽くため息を漏らす。

「あーあ、何かすごい敗北感……けど、不思議と嫌な気分じゃないな」

どこか清々しい気持ちを抱きながら、そう呟く。

「……あんっ、ミーくん……」

ふいに、玄関ドアの向こうからかすかに声が聞こえてビクッとした。

「えっ、まさか……」

思わずドアに耳を押し付ける。

「……結菜、良いだろ? ほら、見てくれよ。俺もう限界なんだ」

「……ミーくん……すごい、こんなになって……」

「……じゃあ、行くよ?」

「……えっ、ちょっと待って、そんないきなり……ああぁん!」

そっと踵を返してその場を後にする。

「あ~あ、あたしも彼氏が欲しいなぁ」

とりあえず、今晩は自分で慰めることにした。






          

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