色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

8 俺の嫁がキスにドハマりしている件

まどろみの中で、頬に柔らかく温かい感触がした。

「…………ん?」

うっすらと目を開けると、きれいで愛らしい顔があった。

それは神様の愛情を多分に受けて生まれたであろうと想像させる顔立ちな……

俺の幼馴染だった。

「ミーくん、おはよう♡」

俺の両頬に触れながら言う。

「……ゆ、結菜か」

「ねえねえ、おはようのチューしても良い?」

「え?」

「嫌かな?」

「そ、そんなことはないけど……」

「じゃあ、するね」

結菜は髪を耳に掛けて、目を閉じて、ちゅっとした。

「……寝起きで口汚くないか?」

「平気だよ」

朝から結菜の笑顔が眩い。

けれども、同時に優しく包み込んでくれるような癒しを感じて。

「もうひと眠りしても良い?」

「遅刻しちゃうよ?」

「俺も仮病を使おうかな」

「じゃあ、私も」

「いや、ダメだろ」

俺は起き上がる。

「もう、みそ汁は出来ているよ♡」

「そうか。よく出来た幼馴染……」

俺が言いかけると、結菜はぷくっと頬を膨らます。

「……最高の嫁さんだな」

「えへへ♡」

結菜は微笑み、

「ご褒美のチューして?」

「お前、チューにハマったのか?」

「うん。ずっと、ミーくんとチューしていたい」

クソ、何だこの可愛い生き物は。

「ま、また今度な」

「分かった」

結菜は少し残念そうに口を尖らせながらベッドから下りる。

俺と一緒に部屋を出た。

「あ、おはよう」

すると、日向と出くわす。

「おやおや? 二人きりの部屋で何をしていたのかな~?」

「ウザい奴だな」

「あ~、そんなこと言っていると、お口もぐよ?」

「ダメ、日向ちゃん。ミーくんとキスが出来なくなっちゃう!」

結菜が割とマジな感じで懇願した。

「じょ、冗談だから。もう、お兄ちゃん。幼馴染をデレさせすぎでしょ」

「……すみません」

とりあえず、俺は謝っておいた。







昼休み。

俺はいつものように結菜と二人で弁当を食べていた。

「少し暑くなって来たね」

「もうすぐ、初夏だからな」

「GWもすぐだね」

「ああ、何をしようか」

「私はミーくんと一緒なら、何でも良いの♡」

「そ、そうか」

俺は弁当のおかずを箸で掴もうとするが、

「ダーメ♡」

そう言って、結菜が自分の箸で俺におかずを食べさせる。

「あ、はい」

ちなみに、終始こんな感じだ。

俺は自分で食べさせてもらえない。

「そうだ、良いこと考えた」

「どうした?」

結菜は卵焼きを取って食べる……のかと思いきや、

卵焼きを咥えた状態で俺の方を見て、スッと目を閉じた。

「えっ?」

こ、これは、もしや……

「……ひーふん、ひふひへ?(ミーくん、キスして?)」

マ、マジか……

こんな状態でキスをしたら、お互いに窒息死してしまうぞ。

しかし、今の結菜はキスが大好きっ子。

下手に断れば、心を傷付けてしまうかもしれない。

それに男として、夫として(まだ仮な感じだけど)、嫁を喜ばせてやりたい。

俺はゴクリと息を呑み、結菜が咥える卵焼きの端を咥えた。

卵焼きはそれほど大きいサイズじゃないから、もうお互いの唇が触れ合う寸前だ。

俺はしばらく、この状態で止まっておこうかな、とぬるいことを考えていたけど。

結菜は少しずつ卵焼きを飲み込んで近付いて来た。

そして、お互いの唇が触れ合う。

卵焼きの甘い味付けも相まって、そのキスはとても甘く感じる。

「んっ……ふっ……ミーくん……おいひいよ……キス」

こういった恋愛経験に乏しい俺は、結菜のイケナイ声と姿に鼻血が出そうだった。

俺が知らない間に、こんなエッチな子に育っていたなんて……ていうか、さっきから大きく育った胸も当たっているし。

「ミーふん……しゅき……らいしゅき……」

し、幸せだ~……いやいや、浸っている場合じゃない。

ここは学校だ。周りに人がいない場所を選んだとはいえ。

もし、こんな姿を目撃されたら……

『校内でふしだらな男女関係!? 幼馴染同士の卑猥な接吻!!』

なんて記事を新聞部に書かれてしまうかもしれない。

そうなったら、色々とまずい。

俺は良いけど、結菜の立場は守ってやらないと。

だから、今すぐにこのエッチ過ぎるキスタイムを終了させなければ!

俺は結菜の華奢な肩をなるべく優しく押して離す。

「……あん、ミーくん。もう終わりなの?」

「……こ、これ以上はダメだよ。誰かに見られたら、お前の立場が危うい」

「そんなのどうでも良いもん。ミーくんとキスすることが私の至上命題なの」

「そ、そこまで俺とのキスを……」

何だか感動する~……じゃなくて!

「ゆ、結菜。あまりエッチ過ぎる子は感心しないぞ」

「ガーン!」

結菜が分かりやすくショックを受けた。

「……うぅ。ミーくんに嫌われた」

「そ、そんなことは無いから! ぶっちゃけ、清楚で可憐だと思っていた幼馴染の結菜がこんなにエッチな子になって興奮しているし!」

「え、本当に?」

「ああ。だから、家に帰ったら好きなだけエッチなことをさせてやる。ああ、もちろん日向とか親の目を盗んでな。最悪、まあ見つかったとしても、身内だからそこまで追い込まれる事態にはならないはずだ。メッチャ恥ずかしいけど。ただ、学校では大人しくしておこう。な?」

「うん、分かった。じゃあ、どこまでなら許してくれる?」

「えっと……」

「キスはどうしてもダメ?」

「か、軽くなら……ソフトに」

「こんな感じ?」

結菜がちゅっとした。

「……じょ、上手ですね」

「えへへ♡」

何だかんだ、俺の幼馴染な嫁がクソ可愛いことに改めて気が付きました。






          

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