色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった

三葉空

3 すでに夫婦

「え、マジで!?」

一応、俺の親友である恵一が驚愕しながら聞き返す。

ちなみに、場所は屋上だ。

「お前、結菜ちゃんと同居してんのか!?」

「ああ。とは言え、家が隣同士で、昔からよくお互いの家を行き来していたから、そこまで実感は無いんだけどな」

「いやいや、とりあえずもいで良いか?」

「何をだよ?」

「ナニをだよ」

「お前は訳が分からない男だな」

「湊人、歯を食いしばれ」

恵一が笑顔で拳を握るのでどうどうといなす。

「でさ、この事を他のみんなにも言おうと思うんだ」

「お前は自殺願望の持ち主か?」

「え? だって、結菜がそうして欲しいって言ったし」

「まあ確かに、お前と結菜ちゃんがそんな仲になったとしったら、他の連中も今までみたいに結菜ちゃんにちょっかいを出すことは無くなるかもしれないけど……お前が死ぬぞ?」

「やっぱりそうかな?」

「とりあえず、今は親友である俺だけにしておけ」

「分かった。さすが、頼りになるな」

「急に持ち上げるなよ、気持ち悪い」

「ひどいな」

「で、ちょっと聞くけど。具体的には結菜ちゃんと一つ屋根の下でどんな風にイチャコラしてんの?」

「いや、毎朝あいつが作ったみそ汁を飲んでいるだけだよ。まあ、昼メシはあいつの弁当だし、夜もあいつのごはんだけど」

「食ってばかりじゃねえか。もっとエロい話を聞かせろよ」

「ああ、俺の背中を流したいって言ったな」

「ゴハッ!?」

ふいに恵一が吐血した。

「大丈夫か?」

「お、お前……で、結菜ちゃんに背中を流してもらったのか?」

「いや、やっぱり恥ずかしいからって結菜がやめたよ」

「ホッ……そうだぞ、まだ早い。そんな夫婦みたいなことは本当に結婚してからやれば良い」

「結婚か……俺は本当に結菜と結婚するのかな?」

「何だよ、不満でもあるのか?」

「いや、無いよ。あいつの作るメシは本当に美味いからな」

「本当にメシの話ばかりだな。結菜ちゃんのことを可愛いとかおっぱいデカいとか思わないのかよ?」

「そうだな……幼馴染のひいき目が入っているかもしれないけど、世界で一番可愛いかな」

「ウザ」

「何でだよ」

「あーあ、俺も可愛くて巨乳の幼なじみが欲しい人生だった~!」

恵一が青空に向って叫ぶ。

「なあ、湊人よ」

「何だ?」

「相談料として、俺だけにこっそりと結菜ちゃんのエッチな生写真を撮って来てくれ」

「断る」

「じゃあ、ブラのサイズで良いから」

「お前は最低だな」

「うるせえ!」

その時、屋上の扉が開く。

「ミーくん」

噂をすれば、結菜がやって来た。

「結菜、どうした?」

「あの、お弁当を一緒に食べたいなって……あ、もう佐藤くんと食べちゃった?」

「いや、まだだよ。一緒に食べよう」

「うん」

結菜は笑顔で頷く。

「あ、良かったら佐藤くんも一緒に食べる?」

「え、マジで?」

「結菜、やめておけ。こいつはお前のことをエロい目で見ているから」

「ちょっ、おまっ……結菜ちゃんの俺に対する好感度が下がるだろうが!」

「安心しろ。元からそこまで高くない」

「ふざけんな! そんなことないよね、結菜ちゃん?」

「えっと……ごめんなさい」

「何で笑顔で言うの!?」

「恵一」

「え?」

「うるさい」

「あ、ごめん……」

「じゃあ、結菜。二人で静かな場所に行こうか」

「へっ? ふ、二人で静かな場所に……?」

結菜が軽く動揺する。

「おいおい、エロいのはどっちだよ? まさか、学校で彼女とエッチなことをしちゃうのかぁ!?」

「いや、しないし。そもそも、結菜は彼女じゃないから」

「えっ……」

結菜の瞳が弾けて少しだけ悲しげになる。

「おい、お前……」

「結菜は俺の嫁……だろ?」

俺が言うと、曇りそうだった結菜の表情が一気にパァっと晴れ上がる。

「うん、そうだよ♡」

「そうだ、結菜。恵一のアドバイスで、やっぱり俺とお前の関係はまだみんなに言わない方が良いって」

「そっか。ミーくんの親友の佐藤くんが言うならそうしようか」

「良かったな、恵一。結菜の中でお前の評価が上がったよ」

「あざっす!……じゃねえよ! 死ね、クソリア充バカップルがぁ!」

結局、恵一はうるさかった。






          

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