家出中の美女を拾ったら、僕が好きなあの子のお姉さんだった

三葉 空

45 美人姉妹と浴衣と金魚すくい

 夏といえば、水着。

 けど、それだけじゃない。

 シャララン☆

 そんな素敵な音が鳴りそなくらい、素敵な美女と美少女が僕の目の前にいる。

「ジャーン!」

「ど、どうかな?」

 灯里さんと真由美ちゃんは、浴衣姿だった。

「うん、二人とも良いね」

 二人とも花柄模様の浴衣だけど。

 灯里さんは紺色をベースに。

 真由美ちゃんは桃色をベースに。

 それぞれの個性が際立っている。

 片やエロく、片や可愛く。

「ふぅ、人が多いから暑いね~」

 灯里さんは浴衣の胸元に指先を入れ、パタパタとあおぐ。

 それによって、胸の谷間が見え隠れしていた。

 周りの男どもの視線が集まる。

「おい、あの姉ちゃんエロくね?」

「もう一人の子も可愛いし」

 やはり、この姉妹は注目の的か。

 しかし、そんな彼女たちの彼氏は、僕なのだ。

「行こうか、二人とも」

「「うん♡」」

 二人は僕の腕に抱き付く。

 周りの男たちが悔しそうに睨んでいるけど、気にしないことにする。

「じゃあ、何からしようか?」

「あたし、金魚すくいがした~い」

「灯里さん、子供かよ」

「何よ~、良いじゃな~い」

「まあ、良いけど。真由美ちゃんはどう?」

「うん、私もそれで良いよ」

「じゃあ、レッツゴー♪」

 陽気な灯里さんに引っ張られる形で、僕らは金魚すくいにやって来た。

「へい、らっしゃい!」

「おじさーん、金魚すくい3人前で♡」

「はいよ~! 美人のお姉ちゃんにはサービスだ~!」

「わーい! ありがとうござま~す!」

 エロいおっちゃんの好意で、僕らは1回分の料金で2回分のポイをもらった。

「ふっふっふ。今こそ、灯里さんの実力を披露する時ね」

「えっ、灯里さんって金魚すくいが得意なの?」

「さあ、私は知らないけど……」

「ふっふっふ。二人とも、見てなさい」

 灯里さんは両手にポイを握る。

 漂うその風格から、僕と真由美ちゃんは期待感が増す。

「ていっ! やあっ!」

 ボロッ、ボロッ。

「あ、このお姉ちゃん、下手くそだー」

 近くにいた男の子に言われる始末である。

「ぐすっ……ひぐっ……」

「泣いて悔しがるほどか!?」

「だ、だって……」

 灯里さんは涙目で僕を見つめる。

「おっぱいが大きくて邪魔だから上手く行かなかったの!」

「ちょっ、その発言は色々と恥ずかしいぞ!」

 灯里さんは僕に突っ込まれつつ、店主の方を見た。

「ぐす、おじさん……もう1回……サービスで」

「んなこと言われてもなぁ」

 チラッ。

「ほら、受け取りな、姉ちゃん」

「わーい!」

「このエロ店主が」

 僕は言う。

「ちっ、やっぱり世の中おっぱいなのか……」

 そして、真由美ちゃんが密かにやさぐれていたけど、あえて触れないことにした。

「お姉ちゃん、がんばってね」

「おう、任せておけぃ!」

 男の子に応援されて、灯里さんは腕まくりをする。

「集中するのよ、あたし。ポイと一体になるの」

「だから、そこまでのめりこむほどかよ」

「いざ……」

 灯里さんは目を閉じる。

 そして、しばらく無言のままだったが……

 カッ、と急に目を見開く。

「そこだぁ!」

 バシャッ!

「うわ、水がかかったし!」

 僕だけじゃなく、他のみんなにも同様に被害を与えた灯里さんは……」

 ボロッ。

「うえ~ん!」

「泣いてるし!?」

「昔から金魚すくい名人になるのが夢だったのに~!」

「そんな夢があったのか!?」

「お姉ちゃん、初耳だよ!?」

 僕と真由美ちゃんはギョッと目を剥いた。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん」

 先ほどの男の子が灯里さんを呼ぶ。

「え?」

「これ、僕が取った金魚、あげるよ」

「え、本当に?」

「うん」

「あ、ありがとう~!」

 灯里さんは男の子を抱き締める。

「むぐっ」

 男の子はその豊満すぎる巨乳によって息を塞がれていた。

「ね、姉ちゃん。俺からもサービスで金魚をやるから、ハグを……」

「いい加減にしろ、エロ店主」

 僕は言う。

「バイバーイ」

 男の子はお母さん手をつないで帰って行った。

「翔ちゃん、ごめんね。灯里さん、浮気をしちゃったぜ」

「はは、これは参ったな」

「じゃあ、これからは私と翔太くんの二人きりでデートしようね♡」

「あ、こら、真由美! 最近、前にも増して腹黒くなったと思ったら、油断も隙もない!」

「誰が腹黒いですって~!? 私の精神が歪んだのは、みーんなお姉ちゃんのおっぱいのせいだもん!」

「何ですって~!?」

「謝ってよ! 私に謝ってよ!」

「どうも、すみませんでした~!」

 ペコリ。

 灯里さんはおっぱいで頭を下げる。

 ピキリ。

「本当にどこまでもおっぱいなお姉ちゃんだね~! ムカツク!」

「だったら、真由美も大きくなれば良いでしょ!」

「なりたいわよ、私だって! でも、がんばってもCカップが限界なんだもん!」

「やーい、やーい、貧乳の妹ぉ~!」

「ムキー!」

 灯里さんと真由美ちゃんはけっこう派手に姉妹ゲンカを繰り広げている。

 普通なら、止めるべきなんだろうけど……

「食らえ、巨乳お姉ちゃんのおっぱいアターック!」

「ぐはっ……こ、この~。貧乳アターック!」

「むっ……ふふ、蚊に刺されたのかな?」

「ムキー!」

 何だか可愛いから、しばらく放っておいても良いかなと思った。

「食らえ、デカ尻アタック!」

「なんの、桃尻アタック!」

 本当に、微笑ましい。







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