家出中の美女を拾ったら、僕が好きなあの子のお姉さんだった
21 お姉さんに報告する
「はい、翔太くん。あーん」
可愛い顔で、可愛い仕草で、僕に寄り添ってくれる。
「あーん」
「美味しい? って、私が作った訳じゃないけど」
「美味しいよ。真由美ちゃんのおかげで、何倍も」
「嬉しい」
真由美ちゃんは微笑んでくれる。
僕は、本当にこの子と、エッチをしたんだ。
そう思うと、胸の奥底がまたドキドキして……堪らない。
正直、ちょっとまたムラムラしてしまう。
「……ねえ、翔太くん」
「え?」
「その、私……ちゃんと、出来ていたかな?」
「な、何を?」
「……エッチ」
僕は息を呑みながら、
「す、すごく、可愛かったよ」
少し間抜けなことを言ってしまう。
「やだ、もう恥ずかしい……」
「ご、ごめん」
「……けど、すごく嬉しい。私、ちゃんと翔太くんの彼女になれたんだね」
「真由美ちゃん……」
僕らは周りの目を盗んで、ちゅっとキスをする。
「……翔太くん、好き」
「僕もだよ」
今、僕はとても幸せだ。
前まで憧れたっだ女の子が、今では僕の彼女で、その子とお互いに初体験をしあって……
けど、胸の内で少しだけモヤモヤするのは……
「どうしたの、翔太くん?」
「ううん、何でもない」
僕は笑顔で誤魔化した。
◇
放課後、僕はとある喫茶店にやって来た。
「やっほー、翔ちゃん」
既に、彼女は先に座っていた。
「灯里さん」
「あれ、真由美は一緒じゃないんだ?」
「まあ、そうですね。先に帰ってもらったんで」
「そっか」
灯里さんはストローでアイスティーを飲む。
「それで、話って?」
問われて、僕は胸がビクリとする。
けど、逃げる訳には行かない。
きちんと、話しておかないと。
「実は僕……真由美ちゃんとエッチをしました」
「うん、知っているよ」
「ですよね……はい?」
僕はきょとんとする。
灯里さんはちゅーとまたアイスティーを啜ってから、
「な、何で知っているんですか!?」
「だって、真由美に聞いたし」
「マジですか……」
僕は軽くうなだれる。
「何でそんなに落ち込むの? 大好きな彼女とエッチ出来たんでしょ?」
「ええ、まあ。ちゃんと出来たかは自信ないですけど」
「そうね、翔ちゃんはチェリーくんだから。あ、元チェリーか」
灯里さんはからかうように笑う。
「あ、あはは」
「本当は、あたしが手取り足取り教えてからにして欲しかったけど」
「あ、灯里さん」
「けど何もしない方が、初々しい体験ができて良かったと思うよ」
「灯里さん……」
「これでもう、二人は正真正銘のカップルだね」
灯里さんはニコリと笑う。
「そうだ、真由美にも話したんだけどね」
「あ、はい」
「あたし今度、翔ちゃんのお家から出て行くよ」
「えっ……」
僕は目を丸くした。
「だってこれ以上、あたしがいたら邪魔でしょ?」
「いや、そんなことは……」
言いかけた僕の唇に、灯里さんが優しく指を置く。
「……けど最後に一つだけ、あたしのお願いを聞いてくれる?」
「何ですか?」
「今度の日曜日、デートして」
「デート……ですか?」
「うん。可愛い弟とデート……みたいなね。荷物持ち、頼むよ」
灯里さんはウィンクして言った。
「……良いですよ」
「やった~。じゃあ、楽しみにしておくね。あ、ちなみに、ちゃんと真由美には許可をもらっているよ」
「灯里さんって、意外としっかりしているよね」
「尊敬しちゃう?」
「そうですね、少し」
「やだもう、照れちゃう~」
目の前でおどける灯里さんを見て微笑みつつも、胸の奥底が少し痛んでいた。
          
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