家出中の美女を拾ったら、僕が好きなあの子のお姉さんだった

三葉 空

11 お姉さんのお手本

純粋な一人暮らしの時、何気ない時間の一つ一つが退屈であり、それでも癒しだった。

「ねえねえ、翔ちゃん。ちょっとおっぱいが凝っているから揉んでくれない?」

「お姉ちゃん、終始エッチな発言をするのはやめてよ!」

けど今は、決して退屈することはない代わりに、刺激的と言うか、正直ちょっと疲れる日々だった。

「あれ、何だか翔ちゃんが疲れた顔をしているわ。よーし、お姉さんのおっぱいで癒しちゃうぞ~」

そう言って、灯里さんはご自慢の豊満なおっぱいで僕の顔をむぎゅっとする。

むしろ、それが僕を余計に疲れさせるのだと自覚して欲しい。

マジで息が……

チーン。

「もう~、また翔太くんを苦しめて~」

真由美ちゃんはぷんと頬を膨らませながら、灯里さんから僕を奪い取る。

そして、自分の膝の上に僕の頭を乗せた。

「翔太くん、大丈夫?」

あぁ、ずっと憧れていた好きな女の子が、僕に膝枕をしてくれるなんて。

これは癒しだ。下から見上げる真由美ちゃんの胸は、姉である灯里さんよりも小さい。

それでも、気にならない。

むしろ、可愛らしいと思ってしまう。

「む~、何かつまんない。翔ちゃんってば、真由美にだけデレっとしちゃって」

「うふふ。お姉ちゃん、もう帰り支度をした方が良いもよ?」

「カッチ~ン。真由美ちゃん、言うようになったじゃない」

灯里さんは静かに怒りのオーラを纏いながら、

「ほらほら~、お姉さんのおっぱい攻撃だ~!」

また性懲りもなく巨乳で攻めて来た。

「ぷはっ、ちょっ……おっぱいで殴らないで下さい!」

「お姉ちゃん、私まで殴らないで!」

「ふんだ、ふんだ! お姉さんを除け者にするイケナイ君たちにはお仕置きだ~!」

まるで子供のように駄々をこねる灯里さんにしばし翻弄される。

「はぁ、はぁ……おっぱいが痛い」

「自業自得ですよ」

僕はため息交じりに言う。

「えーん、そんなに意地悪なこと言わないでよ~」

灯里さんは泣きながら僕に抱き付く。

「ちょっと、お姉ちゃんばかりくっつかないで」

真由美ちゃんも僕に抱き付く。

「うぅ~、姉妹サンドイッチ……」

もし、他の男子がこの状況を見たら、羨ましいことこの上ないのだろう。

けれども、当人としては中々にキツい。

僕は決して性欲魔人じゃないし……多分。

「あ、そうだ。こうしよう」

「翔ちゃん?」

「翔太くん?」

「二人同時ばかりだとキツいから、ちょっと時間で区切ろう」

僕は言う。

「二人とも、ちょっとジャンケンして下さい」

ジャンケンポン!

「やった~、あたしの勝ち♡」

「何か悔しい……」

「じゃあ、今から5分くらいにしようかな? その間、僕にくっついて良いのは灯里さんの方です」

「本当に~?」

「ええ。まあ、真由美ちゃんの方が良かったですけど?」

「何か言った?」

「いえ、何も。ごめんね、真由美ちゃん。ちょっとだけ我慢して」

「う、うん。仕方ないね」

真由美ちゃんは苦笑しながら頷いてくれる。

「じゃあ、今から5分間はあたしの時間だから、翔ちゃんを好きにして良いのかな?」

「あまり過激なのはダメですよ?」

「分かっているって。じゃあ、キスして良い?」

「い、いきなりですか?」

「あ、そうか。翔ちゃんはキスもまだな童貞くんか」

「うるさいです」

「うふふ」

灯里さんはニヤリと笑うと、少しだけ真顔になる。

僕がドキっとしている間に、ちゅっとキスをされた。

それから、普段の僕と灯里さんと同じように。

僕の舌は、巧みに動く灯里さんのそれに翻弄されてしまう。

やっぱり、経験が豊富なんだな。

上手いし……正直、気持ち良い。

僕は初めてキスをするんだけど。

僕は半ば意識がとろんとしてしまう。

「うふふ、翔ちゃんってば。可愛い顔しちゃって」

灯里さんは微笑んで言う。

ふと、真由美ちゃんに目を向けると、激しく赤面しながら、口元に手を添えて僕らを見つめていた。

「真由美、ボーっとしていちゃダメよ」

「えっ?」

「あなたはウブなんだから。きちんと翔ちゃんを満足させてあげられるように、お姉ちゃんのテクを見て勉強しなさい?」

灯里さんは言う。

「う、うん」

「うふ、素直な可愛い妹ね」

微笑みを浮かべる灯里さんは、スス、と指先で僕の胸部を撫でる。

「あっ……灯里さん」

「翔ちゃんってば、女の子みたいに可愛い声を出しちゃって。男の子なんだから、いずれはあたし達を満足させないとダメなのよ?」

「は、はい……がんばります」

って、何で僕はそんなことを言っているんだ。

「女の子に触る時も、乱暴にしたらダメよ。優しく丁寧に、そうすれば、ちゃんとお互いに気持ち良くなれるから」

「は、はい……灯里さんは、やっぱり詳しいんですね」

「え?」

「こんなこと言ったら失礼だけど、やっぱり色々な人と経験したんですか?」

僕が問いかけると、わずかに灯里さんの表情が揺らぐ。

「……まあ、そうね。少なくとも、処女じゃないわよ」

「そうですか……」

「あら、ちょっと残念そうな顔だこと」

「そ、そんなことは……」

「ごめんね~、お姉さんの処女をあげられなくて。その代わり、これからは翔ちゃんにぜーんぶあげちゃうから♡」

「ぜ、全部……ですか」

「そう、全部。体も……心もね」

灯里さんはくすりと笑う。

普段はふざけた人だけど、やっぱり間近で見ると綺麗で……

ピピピッ、と音が鳴る。

「は、はい。5分経ったよ」

スマホのタイマーを見せながら真由美ちゃんは言う。

「真由美ってば、早く翔ちゃんとエッチなことしたいからって、ズルした?」

「してないよ!」

「はいはい。じゃあ、お姉ちゃんのお手本を思い出しながら、がんばりなさい」

「う、うん」

真由美ちゃんは素直に頷く。

そんな妹のことを、灯里さんは微笑ましそうに見つめている。

「ん? どうしたの、翔ちゃん? お姉さんの温もりが名残惜しい?」

「いや、別に……」

「大丈夫。後でまたしてあげるから」

「ほどほどにお願いします」

照れながら僕が言うと、灯里さんはまたいつものように笑った。






          

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