【OLDS】

黒衣

【2】川原院

不思議なことがある。
歴史の影には事件がある。


それが新しいものを伝える【NEWS】と対峙した【OLDS】である。







ピッピッピッポーン♪
今晩は、真中 愛香【まなか まなか】です。
古い出来事をお伝えするOLDSの時間になりました。




早速お伝えします。





屋敷に霊が現れたようです。


目撃したのは【宇多院】さんです。


現場は、賀茂川の側六条坊門南、万里小路東八町のあたりの【川原院】。


もともと、源融左大臣が造り住んでいたのですが、その後、子孫が宇多上皇に下賜…失礼しました。献上されたということでした。


しかし、夜中に宇多院さんがいたのですが、衣ずれの音をたて、近付いてきた気配を感じたそうです。


音の方を見ると、朝廷の公務の時に着る正装、【束帯姿】の人が、【笏】を持って現れたとのことです。え~【笏・しゃく】というのはですね~、薄い板なんですが、メモを記したり、紙をはったりして使うものなんですね。


それでですね、宇多院さんが尋ねたそうなんですが…あれ?雑音?…聞こえますか?


はい、続けます。
え~宇多院さんの問いかけに、こう答えたそうです。


自分は源融左大臣で、ずっといたのですが、宇多院さんが住んでいるので、気づまりに感じるのだと話したそうです。


それにたいして、宇多院さんは…




君の子孫から献上されたから住んでいる。何故そんなことを言うのか?と一喝したそうです。


それを聞いた左大臣の霊は、かき消すように見えなくなったとのことです。


ちまたの人たちは、霊を相手に一喝するとは、普通の人には出来ないことだろうと噂されていたとのことです。




また、【今昔物語巻第27本朝付霊鬼 川原院の融左大臣の霊を宇陀院見給う語 第二】
にて広く情報を求めていくとのことです。




しかし~左大臣の霊さんも、なんとも穏やかな方なんでしょうか。素直な人の応対は、本当に気持ちがいいものですね?




さて、CMのあとは、衝撃的な出来事に遭遇した【陰陽師は見た】をお伝えします。

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