全能と永遠のパラドックス〜革命の章〜

もち猫ฅ•ω•ฅ時雨

序章

ZORN20 〜地下空洞???研究施設〜
「西暦2400.08.07 疑似気候 晴れ 湿度48 温度32.6° 機体への影響無し 局長いつでも行けます。」局長と呼ばれた女性は巨大な画面を見つめながら立っていた。「08.07 00:30現時刻より型式番号 E-FRAM/to-738-04. Aurgelmir・Frame Model 09« Archetype Fenrirアーキタイプ フェンリル»稼働実験を開始する。 」「Arche・type Fenrir 起動を確認 各部正常に稼働 動力機関«プロメテウス»正常に稼働 機体各部にエネルギー供給確認 Shem-ha-mephorashシェム・ハ・メフォラシュ Analysisアナリシス Navigatorナビゲーション AI Original:Model 01 ルシフェルの起動を確認 機体とパイロットとの神経同調率100%を確認。システムオールグリーン 排熱レベル 10% ヒノエ粒子 散布 確認 高密度プラズマフィールド 来ます 3 2 1 」「各員、衝撃に備えよ!」ゴゴゴゴゴッという音と共に施設全体が大きく揺れ、天井の蛍光灯が一斉に割れた。そして、巨大なモニター左右に靡き電磁波の影響で映像が大きく乱れた。だが、映像は直ぐに復旧し画面には、白と赤を基調としたボディを持ち、犬のような耳を携え獣のように鋭く研ぎ澄まされた牙が画面越しでも確りと分かる程の巨大な狼のような兵器が映し出されていた。
「教授が遺した最高傑作がこんな危険極まりない兵器だなんて…」
「教授が私達にこれを遺したのにも何か意味があるはずだ…人を超越した存在に導く力を見せてもらおうじゃない」
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神装のAurgelmir〜白き鋼の巨狼 〜
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西暦2080年06.29
その日、アメリカで過去に事例を見ない程の殺傷力の高い新型コロナウィルスが流行した。
最初の感染者はアメリカ合衆国テキサス州に在住のウィリアム・ヘンドリックス(38)
ウィリアムは感染から僅か3日で大量出血の末、死亡が確認された。医師の検死の結果でコロナウィルスだと発覚したが過去に無い形のエボラ病原体である事から新型コロナウィルス«グリム・リーパー»と名称される医療業界では死のウィルスとして恐れられるようになった。
«グリム・リーパー»は、飛沫・接触・空気感染からなる感染、潜伏期間は1週間程と短いが血液に混ざり込む為、発見し辛いうえに非常に感染力が強く致死率80%を超える程の殺人ウイルス発症が確認されるまで分からないという死の恐怖に脅えていたアメリカ国民を更に追い込むような事が怒った。それは、ニューヨークで2人目の感染者が現れたという事だった。それから、直ぐに緊急事態宣言が発令されたが、その2人目の感染から直ぐにまた一人また一人と感染者が確認されアメリカ国民の約97%の感染が確認された。その結果、医療体制は崩壊し毎日のように死者が出ている事が直ぐにニュース・ネット掲示板・新聞等のメディアに取り上げられ各国に報道された。その一方で、日本の大学教授《火野江源次郎》がウィルスの起源が何処から来ているのか調べる為に、秘密裏にアメリカへと渡った。そこで、彼は、件死体から粘膜を採取し本国へソレを持ち替えった。そして、彼はその起源を突き止める事に成功した。そのウイルスの起源。それは、アメリカ合衆国テキサス州オースティンの地下に存在する。《三国共同軍事施設ORCA》が独自に開発したバイオ兵器。それが、《グリム・リーパー》だった事が発覚する。ORCAは軍事運用テストとして世界各国の首都に《グリム・リーパー》を薄めた検体を霧状にして散布した。その非人道的とも言える大規模な実験の結果、約147万人もの人間が犠牲となり世界経済は大きな痛手を受けた。そして、その事を知った大学教授は直ぐに首脳官邸に、それらの証拠を提示した事で各国に情報がリークされた。こうして、第四次世界大戦の始まった。

2180.02.26
その日、100年もの長きに渡る史上最悪の戦争はアメリカ・フランス・イタリア・北朝鮮の連合艦隊の敗北という結果で幕を下ろした。その戦争の爪痕は非常に深いもので放射能汚染による人口の急激な減少、オゾン層の破壊、大気汚染により海域生物の死滅、酸性雨により森林の消失、酸素濃度が10.9%という人間が生活するには余りにも過酷であり。その上、オゾン層の消失によって宇宙から大量の小型隕石が地球に降り注ぐ地球が誕生した頃の星と何一つ変わらない状態にまでなっていた。人類は全滅を避ける為にある計画を発案した。それは"人類宇宙移住プロジェクト"と呼ばれた。計画内容として人類の新たな生活圏の確保と至ってシンプルで在り来りなものだった。だが、人々は生きる為に互いの技術を駆使し球体型宇宙巡航鑑«ユグドラシル»の外殻部の開発が始まった。それと、同時期に日本の島根県で隕石の調査を行っていた『火野江総一郎教授』と呼ばれる大学教授が隕石内部から熱電力エネルギーに変換できる物質を発見した。
その物質が赤く燃え盛る焔のような形をしていた事から«熱元素フレア»と命名された。火野江教授は、それをどうにかして技術運用できないかと考え幾度となく実験を繰り返した。その実験はフレア単子にガンマ原子を結合させると言うものだった。教授は、この実験を20年を費やし成功させた。それは電力・熱力全てを補える程の持続的エネルギーだった。
そのエネルギーは、教授が生み出した事から«ヒノエ粒子»と命名された。
それから程なくして火野江教授は更なるエネルギーを研究するべく、新たにFACTORYと呼ばれる研究チームを種子島ロケットセンターの地下に設立した。FACTORYはヒノエ粒子を原動力として動かす無限動力機関«プロメテウス焔心»を10年の月日が費やして完成させた。
その噂を聞きつけた"財団"と呼ばれるユグドラシル建造の主となっている団体が教授に技術提供の申し出をしたのだが、火野江教授はそれを拒否した。それから程なくして教授は何者かによって背後から頭部を撃ち抜かれ暗殺された。教授の死を聞きつけた財団は職員をFACTORYに向かわせ«プロミネンス焔心»と特殊金属«超伝導金属粒子相転移ヒヒイロカネ鋼»をFACTORY職員はやむおえず財団職員に譲渡した。技術提供として財団からFACTORYに数兆円もの
大金が支払われた。
2200.12.28
«プロミネンス焔心»とFACTORY内部で製造されていた特殊金属«超伝導金属粒子相転移ヒヒイロカネ鋼»を用いてユグドラシル内部のZORNと呼ばれる居住区画を制作した事でようやく完成した人類の英知の結晶とも言える船が20年の月日を獲てようやく完成した。そして、人類は日本の種子島にある巨大マスドライバー«火渡»を使い6隻のユグドラシルは人々を乗せ宇宙そらへとあがった。
西暦2400年
現在では1つのユグドラシルに2億4000万人もの人々がZORNと呼ばれる小型モジュールの中で暮らし生活を送っていた。
ラグランジュは3つの勢力に分かれ
米国・英国・仏国・北朝鮮からなる肆国軍事連盟から発展したユグドラシル"第1衛球 ヘリオスフィア"人口の殆どが軍人であり住宅区間より軍事基地区間の方が多い軍人による軍人の為の国家を設立している。
もう1つは貿易と工業のみで政権を建てているユグドラシル 第4衛球 地球外圏縁軌道貿易工業連合 Geosphere Orbital Trade and Industry Union通称"GOU"。
その中立の立場に居るユグドラシル
"第6衛球 アストレア"は、経済的に繁栄し自国に影響が及ばない限り戦闘に関与しないという掟を建てる事で平和を保っていた。そのラグランジュ内にある
ZORN20と呼ばれる区画は殆どの人口が
学生とその家族が締めている。
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アナタハニンゲンヤメマスカ? 
            «YES»   ←   «No»
アナタマダニンゲンヤメルケッシン
ツイテナイワタシノダシタジョウケン
ミタシテナイカラダメ!
«イドゥン因子過剰投与開始しますか?»
                       «YES»←
ワタシガ サガシテル ニンゲン ジャナイ
オマエ ヒノエノチスジ ジャナイ 
ニセモノ  ワタシニ サワルナ イマスグ 
ワタシ ノ マエ カラ キエウセロ

突然、施設内にアラート音とWARNING WARNINGと危険を知らせる警報が鳴り響いた。「局長まずいです!イドゥン因子の拒絶反応が…」
◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢◤◢ ︎
パイロットの生命維持に問題発生
拒絶反応確認 神経崩壊 血管破裂 心拍上昇
脳波異常値を確認 神経崩壊Lv300over 
◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢◤◢ ︎
稼働実験即刻中止!機体動力強制シャットダウン!早くパイロットを外に」「ダメです局長…フェンリルがシステム停止信号を受け付けません!このままでは…」「わかっている…そこを退けなさい。私がリモートでシステム権限を書き換える」物凄い速度でキーボードをタイピングし機体の管理システムへと続く扉を解除していった。管理システムに到達しかけた次の瞬間、耳を貫くような獣のような咆哮が画面越しに鳴り響き研究所が再度、大きく揺れ始めた。「電力供給もシステムも全部止めた筈なのに動いてる…どうして」研究員達は画面に映る巨大なロボットに何が起こっているのかわからずただその場で動揺する事しかできなかった。
「ルシフェル…どうして私達を拒む…貴女は何を欲しているの…まさか!?」局長と呼ばれた女はペンダントを握り締め画面に映るフェンリルを睨みつけた。「局長、烈火内部の生体情報が遮断されました!このままでは数少ない適合者がまた…」「わかっている!どのみちパイロットはもう助からない…アレが暴走してしまった以上は手の打ちようがない…局長権限により現時刻をもって稼働実験中止する!」緊急処置と書かれた紅いボタンを押した。その直後、施設全体に警報音が鳴り響いた。『永久凍結封印プログラム始動 現時刻をもってプロジェクトの凍結・機体の破棄 設計データ削除 研究所の放棄 抹消処置として自爆プログラム作動 カウトダウン開始 全職員は速やかに退避を開始してください。 』施設全体がゴゴゴゴゴッと音を立てながら揺れると至る所からギギギギギッと施設の軋む音が聞こえ、コンクーリートでできた天井からパラパラと白い粉末が降り注いでいた。次の瞬間、天井に亀裂が入り天井の崩落が始まった。「急げ早くしないと施設が崩れるぞ…局長はどうした?まさかまだ!?」1人の職員が研究室に戻ろうとするが先程まであった道は崩落によって通行不能となっていた。「今は逃げることだけを考えろ…局長の犠牲を無駄にするな…走れ、ただガムシャラに走り続けろ」職員達は崩落する施設の中を全力で走り抜け地上へと繋がる巨大エレベーターの前に到達した。「まだ降りてこないのか?」「電源が切れてる…」
「お前ら階段を使え!」1人の男性職員が長い螺旋状の階段を二弾飛ばしで登って行く姿を見て、他の職員達も階段を昇っていった。

研究室 巨大ハンガー

Fenrir コックピット内

機体プログラム 再度 書き換え 開始
外部からのプログラムの書き換え 全て拒否
SANA データバックアップ 開始
100% データバックアップ 完了 
ブラック・ボックスに厳重 保管 
ダイヤルコード 設定 登録完了
SANA Original Model 01 ルシフェル 起動
モニター投影 開始
画面上には白鳥のような美しい6枚の純白の羽を背中から生やした透き通るような美しい銀色の長髪を指で絡ませるルビーのような赤い宝石のような眼をした真っ黒なワンピースドレスに身を包んだ17歳くらいの少女は口についていた赤い液体を指で脱ぐい取り、不機嫌そうな表情をしながら口腔内に残っていた血液を吐き捨てた。
『マズイ チダ ダガ ミタセタ カラ イイ』
『ウエカラ…フッ…オモシロイ 』
フェンリルの腰に携帯されていたマグナム式の銃を手に取り崩落してきた天井に向けて緑色の光柱を放ち崩落してきた天井を粉砕した。その時、ゲートが開き白衣を纏った1人の女性職員が立っていた。
『マヒル…マタワタシヲウラギッタナ…』
「ルシフェル…貴女も私を裏切ったよ」
『オマエヲ ウラギル?イミガワカラナイ』
「貴女はアラタを要求した…どうして私を選ばないの…ねぇ答えてよ!」
その直後、機体内部に警報音が鳴り響いた。
◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢
地下原子炉 濃縮度ウラン 異常加熱を確認
炉心溶融メルトダウン 発生 
被害拡大防止の為、研究所全域に冷却措置 開始

装甲熱力供給 装甲表面凍結 熱供給低下
機体全エネルギー 供給率10% までダウン
熱電力供給がカットされました。

《 60 seconds to the operating limit 》

『ヒノエ マヒル、話はまだ終わってないぞ…私には、まだ60秒の猶予がある。だから取引を』
「見苦しいはよルシフェル。貴女は、私と出会った時に言ったわよね?《果てる時は一緒》。なら、私も貴女の生みの親として一緒に、ここで死んであげる…」
『アレだけ私を物のように扱って今更、開発者母親等と都合がいいにも程があるぞマヒル!お前は、どれだけ私をバカにすれば気が済む。巫山戯るのも大概にしろ!それに、私はまだ朽ちる訳には行かない!』
「いいえ、貴女は私とここで眠るのよ…永久に」
『ま、待てマヒル!お前が一体、何をしようとしてるのかわかっているのか?それだけは…それだけは辞めろ!』

《Do you want to erase》

  YES ←                        No

「貴女を本当の娘のように思ってたは…※※※」

『ヤメロォォォォォォォォォォ』

少女の悲痛な叫びと共にLeyvatainの全機能は完全に停止した。それを確認したマヒルは、コックピットから降りると直ぐに白衣のポケットから電子端末を取り出し、それを耳に当てた。

・ー要件をどうぞー
「家に電話を繋げて、息子と最期に話しがしたいの」
・ー承認しましたー
トゥルルルとしばらく接続音が鳴り響き
ガチャと受話器を取る音がした。
『お母しゃんどうしたのぉ?』
「アラタ、お母さんしばらく仕事の関係で家に帰れないけど大丈夫?」
『だいじょうぶ!お母しゃんも頑張って』
「お母さんも頑張るね…またねバイバイ」
『バイバ〜イ』
通話を切った直後、地下から溢れ出した炎の柱は、マヒルとFenrirを包み込んだ。

この事件は公にされる事は無く、政府の手によって改竄され世間一般では、地下資源の爆発事故と発表し処理された。

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