魔装戦士

河鹿 虫圭

15:雨、青、学校

段々と暑くなる季節。

ジメッとした肌に制服が張り付いて気持ち悪い。

護衛任務を受けた矢先、俺は星々さんに学校へ行くように言われた。

「協力者たるものどんな時も成績優秀であれ!分からないところがあったら僕が教えてあげる!」

だそうだ。久しぶりに教室のドアへと手を掛ける。憂鬱な気分が背中へ走り、思い出す。

「邪魔……」

今となっては懐かしい声が聞こえた。(死んでないけど……)愛華だ。

「おっと、悪い」

「全く、一ヶ月近くも来ないなんて、かなり重症だって聞いてたけど.....ここまでとはね。」

「愛華さんは大丈夫なの?」

「大したことなかった、それよりホームルーム始まるからどいて……」

そう言われて、俺も慌てて教室に入る。久しぶりに来たが.....やはり、憂鬱な気分になる。
斜め後ろに空いた座席がある、そこが新島 鷹斗の席である。あの時は無我夢中で助けたが、今振り返ってみると、俺はそこそこ、というかとても怒ってもよいのではないか?なんかそんなことを考えるとムカムカしてきた。窓の外に視線を向けると丁度、くだんの鷹斗が校庭を歩いていた。

「よし!」

俺は椅子を突き放す。

教室のみんなが俺に視線を向ける.....そんな子はお構いなしに俺は教室出る。
もちろん今がホームルーム中なのは承知の上だ。担任の静止も聞かずに俺は教室を後にした.....




あいつが休んで一ヶ月近くが経つ....酷い怪我を負ったはずだろう、俺のせいで....
あの後、あの三人組とは気まずくなって直ぐにつるむのを辞めた。教室にもいずらくなって直ぐに抜け出してしまう。

『はぁ....そろそろ学校辞めようかな....楽しくねぇし....』

「なんだよ。その顔」

その声に聞き覚えがあった。いつもは情けなく思えて、昔の自分を見てるみたいで嫌で、それでイライラして...でも今のこいつの声は何というか落ち着く...

「お前.....」

「なんからしくないな。」

「なんだよそれ.....」

こっちは心配したのに.....お前はそんな顔で俺を見るのかよ.....

優しい眼差し。今にも泣きだしそうな潤んだ瞳.....その顔にムカッときた。

「ふざけんじゃねぇ!!」

「ははっ.....そりゃ、こっちのセリフだ!!」

有り得ない言葉が返ってきた。俺がぎょっとしていると、隙を突かれ押し倒され馬乗りで胸ぐらをつかんできた。

「どれだけ辛かったとおもう!?毎日毎日毎日毎日無い金を要求しやがって!!」

俺はそれから馬乗りの状態でずっと愚痴を聞かされた。俺のパンチが痛かったこと、ほかの奴の理不尽な言いぐさ、そして何より.....

「なんで!!俺がお前らにいじめられなきゃならない!!」

「.....たから.....」

「はぁ!?」

「だから、昔の俺みたいでムカついたから.....」

「そっか...」

俺を見下ろすように見つめていた。
手が差し出される.....

「はぁ?おま、ばかか?」

その行為に俺は率直な意見を言った。

「いや?至って正常.....というかほら、早く教室いこうぜ。」

「いや、ばかか?普通は殴るとか蹴るとか.....だろ?」

「んなわけないじゃん。俺はただ、自分の気持ちをぶつけたかっただけだ。」

こいつ.....バカだ。

俺はその手を振り払うと自分で立ち教室へ向かう。だがこれだけは言いたいそう思い立ち止まる。

「おい.....」

「なに?」

「悪かったよ.....これで許してくれるとは思ってねぇ.....けど」

再び歩き出す。

晴山 優吾はポカンと口を開ける。

以外だった、絶対誤らないキャラだと思ってたのに.....そう思い
後を追うように走って教室へ向かう。その後、二人で大目玉を食らい反省文を書かされる。

そして、放課後.....

指導室から解放された二人はすぐに何事もなかったかのように帰路へと向かう。

「結局、授業あんまり受けきれなかった。」

「は、別にいいだろ。あんなかったるいの受けきれなくてもいいだろ。」

「なんでそんなこと言うんだよ~」

「やめろ!気持ちわりぃ!」

あんないじめなんてなかったかのように優吾は鷹斗にくっついてじゃれている。そんな二人の様子を見てため息が一つ聞こえた。二人でその方を見る、愛華 絵美だった。

「随分と、仲が良くなったようで安心したわ。心底.....」

ピリピリとした空気を放った。そんなこととはつゆ知らず優吾は愛華へと感謝する。

「心配してくれてたんだ。ありがと」

「バカね。」

「バカだな。」

二人に訳も分からず罵られる。

「なんでぇ?」

「さぁ、帰りましょう。晴山君。あなたには少し聞きたいことがあるの。」

「え?あ、い、いいよ.....それなら新島も一緒に」

「誰が帰るか!」




「チッ!なんで俺まで.....」

結局、新島も一緒に帰ることになった帰路にて、愛華と初めてしゃっべた公園へとついた。小さな東屋のベンチに腰掛けると早速質問された。

「あなた、あの後どうしたの。」

「えっと..........」

「俺が助けてもらった。」

新島が口をはさむ。

「チッ...で、その後は?」

渋々、舌打ちをして愛華は納得する。

「そ、そうそう、それでぇ...えっと...」

優吾は、新島を見る。

「んで、俺なんだよ!あの後お前がどうなったかなんて知らん!」

「白状しなさい。」

俺は口開く、あの後魔法術対策機関の協力者になったこと...そして、今は美船 葵の護衛任務にあたっていること。とにかく知ってること全部だ。

「なるほどね...はぁ...呆れたホントに。」

「でも俺は、続けるつもりだ。」

「それはあなたの勝手だけどね。危険な目にあって怖くはないの?」

優吾は口をつぐんだ。数秒うつむき二人を見る。

「こわくないよ。」

その一言だけだった。

「さぁて!帰ろうか!」

三人は公園を後にするとそれぞれの帰路へと、それぞれ歩いて行った。

あんなに曇っていた空には夕日が見える。

To Be Continued……

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