魔装戦士

河鹿 虫圭

13:第二班との護衛任務

「優吾君突然だけど、今回から第二班で協力者として頑張ってくれよ?」

本当に突然だった。

俺は動揺して琉聖さんに問う。

「俺、なにかやらかしましたか!?」

琉聖さんは首を横に降り優しく微笑む。

「何も問題は起こしてないよ。」

「じゃあなんで……」

「遊馬さんからの提案さ、優吾君はまだこの組織について詳しく知らないから色々な班に入れてより僕らのことを知って貰うってことさ。」

なるほど……その方が俺はどこの班でも対応ができるから、か。
俺は納得して琉聖さんに早速第二班に案内してもらった。

施設の外へ出て訓練をする体育館の北部……小汚いタイル張りの一軒家に連れてこられた。

「ここですか?」

「いや、ここはただ集合場所に指定しただけちなみにここは倉庫だよ。」

どう見ても民家にしか見えなのだが……数分待っていると中性的な顔の人がこちらへ向かって来た。とてもニコニコと笑顔で。

「あ、おーい天々望くー……」

琉聖さんが"ん"を言う前にその人は何かを引っ張った。

その時、倉庫と称せれるそこから何かが壁を破壊し飛び出して行った。否、引っ張られて行った。

「ん"ん"ん"ん"ん"っっっっ!」

それはぐるぐる巻きにされており、口をガムテープで塞がれていた。というかそれはどう見ても人間であった。

何も言わずに天々望と呼ばれるその人はそれにドロップキックを喰らわせる。反動でこちら側に吹っ飛んで来る寸前に天々望と呼ばれるその人は何かを引っ張り上へとあげる。よく見るとそれは日に当たると煌めいており鉄の軋む音が聞こえてくる。

ワイヤーだ。

その人は全身をワイヤーでぐるぐる巻きにされていたのだ。

空へと舞い上がるその人は脱力し黙って(おそらく気を失っていると思われる。)されるがままに蹴られる。

「お〜?よく見るとそこにいるのは琉聖ちんと噂の新人ちんじゃないか?」

こちらに気づきドカドカと踏むのをやめるとこちらへフラフラと歩いて来た。

俺より背の低い天々望さんは琉聖さんとハイタッチした。

「いえーい」

「はははっ」

そして天々望さんと琉聖さん、俺の三人は倉庫の東側にあるベンチと机のある東屋へ向かって歩く。ワイヤーでぐるぐる巻きにされている人はそのまま引きづられる形で………

「えっ…と……」

「ん?どうしたの?新人ちん。」

琉聖さんも何も言わないので直接聞いてみた。

「後ろの人(?)は大丈夫なんですか?」

「え?なになに?後ろの人??なんの事?」

「いや、だから後ろにいるじゃないですか、ぐるぐる巻きにされている」

「あ〜アレね。気にしないでぇアレはただ訓練来なかっだけだから」

訓練に来なかったらこうなるのか…………

背筋に鉄のような冷たさを感じつつ東屋へと再度歩き直す。

東屋へ着くと天々望はぐるぐる巻きにされた人を東屋の外側の方へとかける。宙ずりになったその人は意識が覚醒したのか突然動き出す。

「ん?ん"ん"ん"」

再び暴れ出すと天々望さんはガムテープを思い切り剥がす。

「ぷはぁ、おい!ここどこだよ!てか、頭に血ぃ登って痛てぇんだけど!」

さっきよりも騒ぎ出したその人を天々望さんはドスの効いた声で沈める。

「ちょっと黙れ」

「はひ」

気を取り直して……

俺が琉聖さんの隣に天々望さんと吊り人さん(?)と向かい合う形で話し合いが始まった。

「で、遊馬っちからなんて言われたの?」

「ん、その事なんだけどね。君らと、あとはシンさんのところに体験入隊かな。」

「そっか〜イイネ。ちょうど今ボクちんらは護衛任務貰ったところだからね。」

「そっか、それはとてもいいタイミングだね。」

この会話に、素人ながらダメ出しがあるとすれば、ぐるぐる巻きの人……てか、話がなかなか入って来ないんだけど……

「聞いてる?新人ちん。」

目の前に天々望さんの顔が迫ってきてたのに気づかず驚く。

「へっ?うぉた。」

後ろの背もたれに背中をぶつけると天々望と琉聖さんは少し吹き出す。

「さぁて、新人ちん、改めて自己しょーかいしちゃうよ。ボクちんは、魔法術対策機関第二班班長 天々望 四四華てんてんぼう しよかちなみに男ね〜」

「えっと、晴山 優吾です。よろしくお願いします。」

「うん、よろね〜」

そして、思い出したかのように吊り人の紹介をする。

「そうそう、こいつね。台地 陸丸だいち りくまるね……オラァ…挨拶……」

「り、陸丸……です。」

青ざめていて魂が抜けたような声で挨拶された。

「あ、あの……そろそろ降ろさないとその人死んじゃいません?」

「ん?あぁ大丈夫大丈夫…」

拳を握り陸丸の腰付近を思い切り殴る。

「ぐふっ……」

力尽きたようにがくんと項垂れた。

「そんじゃ、改めてよろね〜」

「はい!よろしくお願いします。」

最後に朝の集合場所と時間を聞いて今回は解散となった。

「オラァ…行くぞ……」

「はい……」

ちなみに最後は歩いて帰ることを許された陸丸の背中は叱られた犬のように項垂れていたのであった。

To Be Continued……

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